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夜中の空腹は「にせものの食欲」!栄養士が教える解決策と注意点

  • 2019.8.7
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夜中にお腹が空いて困った…!という経験は誰しもあるのではないでしょうか。そこで今回は、管理栄養士のマカロン先生に、空腹を感じる原因や夜中の食事が体に与える影響をはじめ、食べてOKなもの・NGなものから解決策までを、くわしく解説いただきました!

夜中に空腹を感じる原因は?

夕食が消化吸収されて空腹を感じる

単純に、夕食が消化吸収されて空腹を感じていると考えられます。昼食を食べたときのことを思い出してみましょう。直後はお腹が満たされていても、3〜4時間後にはおやつを食べたくなる感覚は誰しもわかるのではないでしょうか。これは、夜中でも同じこと。

例えば20時くらいに夕食を食べたとしても、0時や1時ごろにはすでに食べ物が胃を通過しているため、空腹を感じてくるのです。

睡眠不足によるホルモンバランスの乱れ

夜中まで起きているということは、睡眠が不足している可能性が高いです。実は、睡眠不足になると食欲が増すと言われています。具体的には、睡眠が不足すると食欲を増進させる「グレリン」というホルモンが多く分泌されるとのこと。これは2004年、スタンフォード大学のタヘリ博士の研究で明らかになっています。

食欲をかきたてる誘惑が多い

「深夜にグルメ番組を流すと視聴率が取れる」、という話を聞いたことはありませんか?近年は、サイトやSNSなどでも美味しそうな食事の写真がたくさんアップされていますよね。そういった視覚情報から無意識のうちに欲求がかきたてられ、行動を決めているということも、大いに考えられます。

夜中にお腹が空いたら食べるべき?食べないべき?その理由は?

「食べない」が正解!

「食べない」が、多くの方に共通して言えるベストな選択肢です。理由は大きく分けて2つ挙げられます。以下でくわしく説明していきましょう。

理由1:肥満の原因になる

夜中の食事が肥満の原因になるとご存知の方は多いでしょう。体は深夜になると代謝が下がり、翌日に向けて「充電をするモード」に切り替わっているからです。つまり、食べたものがそのまま体につくということ。肥満を回避したいなら「食べない」が一番です。

理由2:睡眠の質が低下する

本来夜中は、消化器を休める時間です。しかし、食事をすることによって胃や腸、肝臓などの消化器を働かせてしまいます。

通常、食事をすると少なくとも3〜4時間は胃や腸が動きます。この時間に睡眠をとったとしても、消化器が稼働しているため、体が休まらず、おのずと睡眠の質も下がってしまうという結果に。翌日には、睡眠不足と内蔵疲労がおこり、倦怠感、眠気、集中力の低下などの不調につながってしまいます。

夜中に空腹を感じたとき食べてもOKなもの

夜中に空腹を感じて、どうしても食欲を我慢できないというきは、次のようなものを口にして様子を見ましょう。

・温かい飲み物(牛乳、豆乳、ノンカフェインの飲み物など) ・無糖の炭酸水 ・具の少ないスープ(インスタントのわかめスープなど)

これらは、消化器をフル稼働させることなく、満腹感を得られやすいメニューです。個人的には、冷蔵庫で簡単に常備できるうえ、食欲抑制効果の高い無糖の炭酸水がおすすめ。

スープを飲むときには、塩分に注意してください。塩分を摂りすぎると翌日のむくみの原因になります。普段の1/2 の量にして、薄めの味に仕上げるとよいでしょう。

夜中に空腹を感じたとき食べたらNGなもの

深夜食は、消化器をフル稼働させない、カロリーがそれほど高くないという点がポイントです。そのため、この逆にあたるものはおすすめできません。

・ラーメンや揚げ物など、脂っこくて糖質も多いメニュー ・お菓子全般 ・食物繊維を多く含むもの

これらは消化吸収に時間がかかり、食後の高血糖を招きやすいため、睡眠を妨げる原因に。また、翌日にしっかりと調整をしない限り、肥満の原因にもなってしまいます。

夜中に空腹を感じないために心がけたい食生活

ある程度糖質を摂る

近年は、主食を極端に制限する糖質制限がブームになっていますが、これはやり方を間違えると、心も体も飢餓状態になってしまいます。

実際に私が栄養相談に乗った患者さんには、糖質制限をした結果、あるときにたがが外れたように過食してしまう方が何名もいました。それも、日中は我慢できるけど、夜になるとスイッチが入って過食をしてしまうという状況です。

人の体はある程度糖質を摂らないと、心身のバランスを崩してしまいます。朝と昼は、なるべくお米などから必要な糖質を摂りましょう。もちろん糖質だけでなく、おかずから他の栄養素も一緒に摂ることが重要です。

朝食を食べる習慣をつける

実は、朝食と睡眠は関係が深いもの。朝食をとることで、メラトニンという睡眠に不可欠なホルモンが分泌されやすくなります。そのため、夜になると自然に眠気が訪れ、夜中に食欲を感じることもなくなるというわけです。

深夜まで目が冴えて眠れないという方は、まずは朝食を食べる習慣を身につけ、少しずつ睡眠のリズムを作っていくとよいでしょう。

夜中の空腹は「にせものの食欲」だと理解しよう

食欲は人にとって必要な欲求ですが、夜中の空腹は、ホルモンや外部からの刺激による「にせものの食欲」であることが多いです。本来の欲求ではないと理解して、自分をコントロールする意識をもちましょう。

一度食欲をコントロールできれば自信につながり、食生活や睡眠のリズムをスムーズに取り戻すことができるはずです。

この記事の監修者

マカロン

管理栄養士です。普段はクリニックでのダイエット指導、糖尿病などの生活習慣病でお悩みの方にパーソナルで栄養サポートをしています。最新のダイエット方法について日々研究中。為になるダイエット情報をお伝えできるよう努めてまいります。

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