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ホリスティックに体と向き合うって、どういうこと? 東京・表参道に「コロリエ薬局」オープン

  • 2019.8.7
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コロリエ薬局の入り口にたつ佐々木さん

「お家の薬箱に自然の力を」体本来の健やかさを引き出すために

コロリエ薬局の内観と佐々木さん

「薬局」というと、日本では処方箋を持って薬を受け取りに行く場所、という認識が一般的ですが、『コロリエ薬局』では、自然治癒力など、体本来の力を引き出すナチュラルなケアにフォーカス。一般的な薬局同様に処方箋による調剤を行う一方で、「お家の薬箱に自然の力を」をコンセプトに、薬による対処的な不調の解消にとどまらず、薬を使うほどではない不調や未病に対するケアや、薬と合わせて取り入れたい自然療法、ライフスタイルの整え方に関するアドバイスなどを行っています。

コロリエ薬局のハーブ類

実際に『コロリエ薬局』を訪れてみると、アンティークな雰囲気の店内には、オーガニックな食品やケア用品、漢方薬、ハーブ、サプリメント、ヘルシースナック、健康茶などが数多く並び、薬が占める割合は、全体の1〜2割だといいます。従来の薬局のような無機質さは微塵も感じさせず、アロマとやさしい雰囲気に包まれた空間は、まるでカフェのような居心地のよさ。この心地よい空間の中で、薬局としての業務や健康相談などに応じるほか、体や健康にまつわる書籍を閲覧できるコーナーの設置、不定期でのワークショップやセミナーの開催などを通して、体や健康に関する情報発信や専門的な知識の提供にもとり組んでいます。

薬剤師の視点から伝えたい「ホリスティック」な体との向き合い方

コロリエ薬局内で処方する佐々木さん

『コロリエ薬局』で薬局長を務め、ホリスティック薬剤師としてもさまざまな活動をされている佐々木貴美さんに、「ホリスティックな体との向き合い方」とは、具体的にどんなことを意味するのかについて、お話をうかがいました。

貴美さん:「ホリスティック」とは、「バランス」「包括的な」などの意味合いを持つ言葉です。ホリスティックに体と向き合うということは、どこか悪いからその症状に対処するということではなく、自分を俯瞰して、さまざまなバランスを整えることで、いい状態に導くということ。ふだん、忙しく生活していると、どうしても予防への意識が不足してしまいがちですが、何か症状が出てから病院へ行くのではなく、ふだんの生活の中でこまめにケアをすることで、小さな不調に対する選択肢をいくつも持っておくことが大切だと思っています。

たしかに、不調をきたす前に体のためにできることを知っておくというのは、とてもシンプルで大切な「ケア」のひとつといえそう。

薬剤師の佐々木さん

貴美さん:ツラい症状がないこと=元気なのではなくて、体の声、心の声を聞いて、じっくりと自分のコンディションに向き合うことで、自分なりのストレスフリーな状態を作ること。心や思考が健やかで、人生を楽しめる状態こそが「元気」なのだと思います。

ホリスティックとの出会いから、コロリエ薬局オープンまでの軌跡

薬局内の漢方など

そんな貴美さんが、ホリスティックに興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。

貴美さん:きっかけは、大学5年生の頃だったと思います。病気や薬学について学ぶ中で、それまでは「この症状が出たらこの病気、だからこの薬」という西洋医学的なアプローチ以外には興味がなかったのですが、病院と薬局での実務研修を通して、西洋医学に対する違和感や不信感を抱くこともありました。そういった中で、アロマなどをとり入れた調剤薬局での実習があり、自然治癒力を高めながら治療をするということは、とても理にかなっているなと感じたのがきっかけです。

インタビュー中の佐々木さん

ホリスティックな体との向き合い方、体へのアプローチに興味がわき始めた頃、ホリスティックを提唱する多くの人たちとの出会いがあり、「自分は薬剤師の立場からホリスティックなアプローチをしたい」と思うようになったという貴美さん。

貴美さん:「症状を止めることが健康になること?」という疑問が自分の中でわいてきて、ホリスティックな薬局がないなら、自分で作ろう!と志すようになりました。仙台で東日本大震災を経験して、被災地のために何ができるかを考えたとき、起業して税収で支えたいという想いも原動力になりましたね。その頃から「薬剤師になること」は自分にとって通過点でしかなくて、常にその先に目的、目標を持っていました。

コロリエ薬局の看板

学生時代からすでに広い視野と先見性、そして強い信念を持っていた貴美さんは、大学卒業後5年間は薬局に勤務し、臨床の場でしか積めない経験を重ね、専門的な知識に磨きをかけました。そして、薬剤師としての経験を積む一方で、自然療法・予防医学・食事・心理学・コーチング・美容・経営など幅広いジャンルの勉強や資格取得を重ね、学んだことや自身の想いをSNSやブログなどで発信。そこから電子書籍出版のオファーを受けるなど、チャンスにつながる出会いが生まれ、『コロリエ薬局』オーナーとの出会いも、SNSを介して「#ホリスティック」がきっかけで結ばれたご縁だったといいます。

「大人の保健室のような存在に」コロリエ薬局から届けたいこと

薬局内で作業する佐々木さん

ブレない軸とプロ意識、ものごとを広く柔軟に捉える視点、そしてそれぞれのよさをブーケのように束ねて魅せる力。まさに、自身の代名詞が「ホリスティック」だと感じさせる貴美さんは、今後、同じ価値観を持つ薬剤師が増えていくことを願っているそう。

貴美さん:最近、インスタグラムで医療関係者や薬剤師のフォロワーが増えてきているんです。これから同じ価値観を持つ薬剤師を増やしていって、いずれは店舗展開などもしていけたらと考えています。不調を感じたときに「病院に行く」以外の選択肢を多くの人に持っておいてほしいですし、大人の保健室のように、気軽に体のことや薬のこと、ナチュラルなケアのことなどを相談できる場を増やして、自分の体や健康に対する意識が変わるきっかけになれたらうれしいですね。必要とするすべての人に、ホリスティックな薬学、ホリスティックな体との向き合い方を届けたいと思っています。

コロリエ薬局の玄関

健康という目指す先は同じはずなのに、医学的・科学的なものとナチュラルなものとは、なぜか相容れない印象があり、潜在的に「ケミカルなケアとナチュラルなケアの両方について相談したい」という想いを抱えている人は多いのではないでしょうか。『コロリエ薬局』は、まさにそんなにニーズを満たしてくれる存在。薬剤師として勤務しながら、さまざまな自然療法を学び、実践されてきた確かな知識と経験から、ナチュラルに偏りすぎることなく、ケミカルのメリットも柔軟に取り入れながらナチュラルなアプローチを提案してくれるので、処方箋の受け取りやセミナー・ワークショップへの参加はもちろん、表参道でカフェやショッピングの帰りにふらっと立ち寄ってみるのもおすすめ。

『コロリエ薬局』は、お家の薬箱に自然の力を吹き込んでくれるだけでなく、きっとあなたの心の薬箱にもなってくれるはずです。

【コロリエ薬局】
■住所
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前6-12-26
■営業時間
10:00〜19:00
■定休日
月曜日・火曜日
■アクセス
副都心線・千代田線 明治神宮前駅 7番出口2分
JR山手線 原宿駅表参道口6分
銀座線・半蔵門線 表参道駅A1出口10分
■8月開催のセミナー・ワークショップ
8月18日(日)10時〜11時
「ホリスティックな自然療法の取り入れ方」
8月25日(日)10時〜11時
「ホリスティックな薬・医療との付き合い方」
※申し込みや問い合わせは直接店舗までお願いします
■HP
https://www.colorier.info/

writer/野田美香

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