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高齢者に多い!? お肉のタンパク質で「新型栄養失調」を防ぐ食事のススメ

  • 2015.3.26
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【女性からのご相談】

72歳の母のことで相談なのですが、母はここ数年、もう年なんだからと、お肉を食べるのを避けているようです。 それで元気なら私も安心なのですが、最近、足が随分細くなって転んだらすぐ骨折するのではないかと心配です。運動不足ではあるようなので一緒に歩いたりすればいいでしょうか?

●A. 高齢者に増えつつある『新型栄養失調』に要注意!

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。ご相談ありがとうございます。

40代になると親の健康も気になってきますよね。女性も閉経後は内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)のリスクが一気に高まるので、肉食に偏るのはオススメできません。かといって野菜ばかりを食べていても今度はタンパク質不足で起こる新型栄養失調の心配が出てくるので注意が必要です。

●筋肉や内臓はタンパク質でできています

人間の体の約60%は水分です。水分補給の重要性はよく言われますが、水分の次に多いのはタンパク質です。

私たちの体は毎日、古い細胞が死に、新しい細胞が生まれて新陳代謝を繰り返しています。加齢とともにその速度は遅くなりはするものの、生きている間は新陳代謝は繰り返されています。

新しい細胞を作るためには当然、その原材料が必要となってくるのですが、筋肉や内臓などを作るタンパク質は20種類のアミノ酸からできていて、中でもバリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニンなど9種類のアミノ酸は体内で合成することができないため、食事でも補給が欠かせない必須アミノ酸と呼ばれています。

これらの必須アミノ酸の摂取量が不足すると、筋肉が減少して転びやすくなったり、転んだことで骨折してそれがきっかけで寝たきりになるリスクさえあります。

●肉は吸収率のいいタンパク源

私が健康講座などをしていても、「タンパク質は大豆で取っているから大丈夫」と言われる方がいらっしゃいます。しかし大豆や大豆製品だけで1日の必要タンパク質を取ろうとすると、例えば体重50㎏の人であれば1日50gのタンパク質が必要なので、大豆の水煮を100g、納豆を100g、厚揚げを100g、木綿豆腐を150g。これだけの量を毎日食べなくてはいけません。

さらに、大豆などの植物性のタンパク質の吸収率が84%であるのに対して、肉に含まれるたんぱく質の吸収率は97%と、植物性を上回っています。もし、歯が弱っているようであれば、柔らかく煮込んだり、ひき肉を使うなど調理法に工夫をすることで食べやすくもなります。

●貧血予防にも役立つ牛肉

貧血と言うと若い女性を思い浮かべるかも知れませんが、高齢になると男女ともに10人に1人という高い割合で貧血が見られます。貧血には鉄分が有効だということは、周知のことと思います。

そしてそれと同時に鉄分=ほうれん草というイメージも強いかと思います。しかし、ほうれん草などの植物性の鉄分よりも、牛肉やレバーに含まれる鉄分の方が、2〜5倍も体に吸収されやすいと言われています。

●タンパク質は色んなものからバランスよく

とはいえ、肉食に偏ってはまた違った弊害が出てきます。体重50㎏の人であれば、お肉は1日100g、魚(いかなご・マグロの赤身・鰹・サバに多く含まれます)を1日100g、大豆や大豆製品を50〜100g程度を目安にバランスよく取られるよう、お話なさってはいかがでしょうか? もちろん、歩いたりする適度な運動も併せて行いましょう。

【参考リンク】

・たんぱく質が多い食品 | 筋トレ・フィットネス&ダイエット

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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