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腸内環境を健やかに保つためのストレッチ方法や注意点を解説

  • 2019.8.5
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腸内環境がすっきりしていないと、体のさまざまな場所にトラブルを抱えてしまうことも。健康的な体をキープするためにも効果的な対策法を知っておきたいですよね。今回はボディセラピスト・整体師のhrhs629先生に、腸内環境が体にもたらす影響をはじめ、効果的なストレッチ方法や注意点など詳しく教えていただきました。

腸内環境の良し悪しは体にどんな影響をもたらすの?

便秘・下痢

便秘・下痢は、腸の働きが悪くなった直後に出てくる一般的な症状。腸内に存在している善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスが上手く取れていない状態で起こります。悪玉菌の働きが活発になり、その上で日和見菌がその悪さに加勢して腸の働きを悪くしていくのが特徴です。

日和見菌とは腸内にある細菌のひとつ。善玉菌が活発に働いている時は大人しくしているのですが、悪玉菌が活発になると一緒に働き、腸内を悪い方へと導く腸内菌です。

ストレス過多

腸内がしっかり働いていないと自律神経の乱れが生じてしまいますが、ストレスが多くても腸に影響を及ぼします。腸は自律神経のうち、副交感神経に大きく関わる内臓。副交感神経とは、身体を休ませる為にリラックスする方向に導く神経です。腸の働きが低下すると、副交感神経に身体を導くことができず休めない体となってしまいます

その後ストレスが取り切れない形となり、ストレス過多となってしまうのです。

寝不足

寝不足も、副交感神経が優位に働かないため起きてしまう症状です。睡眠とは、体が唯一しっかりと休まっている時間。睡眠が無いと、身体は機能しません。

体は自律神経でコントロールしており、身体のオンとオフの切り替えが上手くいかないと体調は良くならないです。腸が良くない状態だと体は交感神経が優位となり、常に神経がオンの状態を保ってしまいます。そのため、いざ眠ろうとするときもオフになり切れず、寝不足につながってしまうのです。

食欲不振

腸は胃と繋がる消化器系の器官です。腸内環境が整っていないと、食事を受け入れる胃が準備態勢に入れません。その結果、胃が脳に対して「食べるな」と命令し、食欲不振となってしまいます。

食欲不振の状態になってしまうと、食事で栄養を取り込むことがうまくできません。また咀嚼して消化し、栄養・老廃物の循環をし、排出するという体の基本的な働きができないことに。結果として、健康的な体調が維持できなくなってしまいます。

腸内環境が良いのはどんな状態?判断するポイントは?

自律神経が整い健康的な体調をキープできていると〇

腸内環境が整っていることとは、一言で言うと自律神経が整い、健康的な体調を維持できていることです。

腸は自律神経のうちの副交感神経に働く臓器であり、体をオフに切り替える神経です。体は基本的に体温調整によって活動を行っており、そのコントロールをしているのが自律神経。体温は朝起きた時に下がって徐々に上げていき、日中頃がピークの温度になります。その後、夕方頃から徐々に体温を下げていき、夜になると一番低い状態となり睡眠へと向かいます。

日中に体温を上げて体を活動させるには、体温がしっかりと下がっている時間帯を作らないといけません。体を健康的に働かせるには休ませる時間を作ることが重要になり、それを行うために腸が重要になります。

腸内環境の状態は「便」でチェック

腸内環境の状態は、便の調子を見ることで判断できます。

便の色が、黄色だったり黄色の中に褐色さが出ているような色だったりすれば健康な便です。また便の70~80%は水分でできているので、多少の柔らかさがあるのも健康な便の特徴です。

逆に悪い便は、黒ずんだ色で匂いも悪臭を感じるような場合、腸の中の蠕動運動が上手くできていなかった便が排出されています。そのため、働きは良くない証拠と言えます。また便秘や下痢といった症状も、腸内環境を判断する材料のひとつです。

ストレッチが腸内環境に効果的な理由

ストレッチを行うことは血流の改善につながり、腸内環境を整えるのに適していると言えます。腸内環境が衰えていると、筋肉自体も収縮したままで筋肉が上手く働きません。ストレッチを行うことで収縮したままの筋肉を伸ばし、筋肉の働きを取り戻しやすくします

また血液の流れは、筋肉が収縮・弛緩を繰り返し、ポンプ作用として働くため全身に血液を送ることが可能です。これが上手くできていないと、血管の大元である動脈と静脈の流れが良くないということになります。

動脈とは、心臓から始まり全身に栄養素を送る血液。静脈は末端部分から心臓に送り返される血液で、この際に老廃物を流していきます。腸は動脈・静脈に密接に繋がっている臓器であり、血流低下は腸内環境に大きく影響します。したがって、ストレッチを行うと全身の筋肉が刺激されて血流の改善が見られ、腸の働きへと繋がっていくのです。

腸内環境の改善に効果的なストレッチ方法を紹介!

静的ストレッチがおすすめ

ストレッチの目的は、筋肉を伸ばすことにより、血液の循環を上げること。ストレッチにもたくさん種類があるのですが、筋肉の緊張を解くと全身の血流は改善しやすいので、静的(せいてき)ストレッチを行うのが良いと考えます。

静的ストレッチとは、ゆっくりと持続的に伸ばすストレッチです。例えば、小学生の時に体育の授業前に行う準備体操で、足を前後に開いてアキレス腱伸ばしをしたかと思います。反動をつけてリズムよくやっていたかもしれませんが、反動をつけずにかかとを地面にしっかりと密着させてるのがポイント。その形を持続して行い、アキレス腱をゆっくりと伸ばします。この方法を「静的ストレッチ」と言います。

静的ストレッチを行うポイント

静的ストレッチを行う際、脱力するために深呼吸を行うことが大切。特に吐く時の呼吸を意識的に行うと体は副交感神経に切り替わるため、その意識が重要です。

また、単純に筋肉を伸ばせば良いというわけではなく、30秒~1分程の時間で持続的に行う必要があります。しかし1分以上も伸ばし過ぎていると、筋肉が伸びることに抵抗感を感じ、逆に過度な筋収縮を導く恐れがあるので注意しましょう。

気持ちいい程度の伸ばし具合で、じっくり伸ばすというのが基本的なやり方です。

効果的なストレッチのタイミング・ポイントと注意点

効果的なタイミングは2つ!

血流改善を目的としたストレッチは、朝起きた時と、寝る前が理想です。ストレッチ自体は血流を上げることに違いはないものの、行う時間帯で表われてくる効果が違うのがポイントです。以下でそれぞれのポイントをご紹介します。

朝起きた時のストレッチ

朝起きた時のストレッチでは、体温を上げて日中に活動できるようにすることが重要。体温を上げやすい状況を作るためにストレッチを行います

筋肉をストレッチで刺激すると、伸ばした筋肉に血流が流れるだけでなく、伸ばされた刺激で脳から筋肉への伝達スピードも速くなるのです。そのスピードの速さで日中の行動がしやすくなり血流の改善にも繋がるので、腸内環境に良い影響を与えます。

寝る前に行うストレッチ

体を休ませるためには、筋肉の緊張を解かなければいけません。体は一日中働いていると、筋肉にさまざまな負荷を与えます。筋肉は収縮・緊張している箇所がたくさんあり、それら筋肉の改善のため、ストレッチが必要になります。

筋肉の緊張を解くことにより、副交感神経に切り替えやすい環境を作ってあげることが重要。腸は副交感神経優位の臓器なので、腸の働きを正常化するように働き、自律神経も整うのです。

効果的なストレッチのためのポイント

筋肉を伸ばす場所としては全身が理想ではありますが、骨盤から下半身にかけてが特に重要です。腸は骨盤によって支えられている臓器。骨盤に関わる筋肉が硬いと、腸もうまく機能しないため柔軟性が必要になります。

また体の中の筋肉は、骨盤から下半身にかけてが全身の2/3を占めています。そのため、この部位の柔軟性をしっかりと保っていれば全身の血流はしっかりと流れ、骨盤の可動域も確保されるので、腸内環境の改善に繋がるのです。

押さえておきたい注意点

注意する点は、気持ちよくゆっくりと伸ばしてあげること。このストレッチは筋肉がスムーズに働き、自律神経を整え、腸内環境を改善するために行うものです。スポーツを行うようなストレッチとはイメージが異なるので、むやみに伸ばすような真似はしないようにしましょう。

深呼吸を意識しながら伸ばす時間を考慮して、ゆっくりとストレッチを行うようにしてください。

ストレッチと並行して大切にしたいこと

睡眠

腸の機能は、副交感神経が優位に働くことが重要になります。睡眠は副交感神経と深く関連するため、大切にしたい時間です。体が休まっている睡眠時も腸は働いており、起きた後、身体が働きやすいように準備をしています。

しかし、睡眠時間が確保できない、寝る時間がバラバラといったことがあれば、腸内環境の悪化に関わってきます。そのため、体がリセットできるよう適切な睡眠がとれているか、見直しが必要です。

水分

便の成分は70~80%が水分であり、適切な便を作る働きを保つには水分も必要になります。また、体全体については70%程、血液は80%以上が水分です。つまり水分摂取は腸内環境だけでなく、健康を維持するために非常に重要な役割を担っているのです。

体の中には一定の水分量を保っていますが、摂取しない限り外に排出しようとしません。そのため、便をつくることに対しても体が機能しないのです。健康を保つには、2リットルの水分を毎日排出しないといけないと言われています。つまり、2リットルもしくはそれ以上の水分が必要になるのです。

食べ物などでも水分は確保できると言いますが500㎖~800㎖と言われており、基本的には直接水分摂取が必要です。またカフェインが入っていると、利尿作用が出てしまうので水分摂取としてカウントできません。アルコールも利尿作用があり、アルコールで体内の水分まで蒸発させるので摂取分以上の水分がなくなると考えた方が良いでしょう。摂取する水分にも注意が必要ということです。

腸内環境の改善には生活習慣も重要

腸内環境が整っていないと、何となく気分もすっきりと晴れませんよね。特に下痢や便秘などを起こしていると、面白いイベントがあっても気分的に楽しめません。腸内環境を整えるには、骨盤や下半身などのストレッチを効果的に行いながら、睡眠・水分摂取などにも配慮してみてくださいね。

この記事の監修者

hrhs629

ボディセラピストとして活動しています。多くの方に携わらせて頂いた経験を元にアドバイスをさせて頂けたらと思います。

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