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北前船の時代を今に残すレトロな町、江差町で愛されている「ぱんやBecky」

  • 2015.3.26
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江戸時代、蝦夷地を代表する商業港として栄えた北海道江差町に「ぱんやBecky(ぱんやベッキー)」があります。小さな町に初めてできたパン屋さんには、焼きたてのパンを求めて毎日多くの人が訪れます。

土蔵を併設したレトロな建物がおしゃれ

江差までは函館から車で約1時間。お店は江戸時代から明治時代にかけて建てられた商家や寺社が多く残る「江差いにしえ街道」沿いに立っています。「ぱんやBecky」の横には江戸末期に建てられたという土蔵が併設されていて、蔵は写真展などギャラリーとして利用されています。

オーナーの藤元純さんは、もともと札幌のイタリアンレストランで修業していた料理人でしたが、レストランでパンを作っているうちにその奥深さに魅了され、パン職人の道へ。10年の修業を経て、2010年に生まれ故郷である大好きな江差町に店をオープンさせました。

毎日でも食べ飽きない素材にこだわったパン

「ぱんやBecky」のモットーは“毎日でも食べ飽きない、体に優しい安心・安全なパンづくり”。イーストフードや乳化剤などの添加物は一切使用せず、八雲町・松永農場の平飼い卵や北海道産バター、地元産の野菜など、素材にこだわって毎日パンを焼いています。

おすすめは2種類の粉をブレンドして作る「トースト食ぱん」(2斤540円、1斤270円)。モチモチとした食感で口溶けがよく、遠方からわざわざ買いに来るお客さんもいるほどの人気ぶりです。食パンは8時45分と12時半の1日2回焼き上がるので、時間をチェックしてから訪れてみてください。

もうひとつおすすめしたいのは、「バゲット」(Mサイズ220円、Sサイズ140円)です。低温で15~20時間じっくり時間をかけて発酵させることで、小麦のうま味を最大限に引き出しています。さらにフランス産「ゲランドの塩」という天然塩を使うことで、まろやかな甘味が楽しめます。この日、バゲットを購入したのですが食べ切ることができず、翌日に残った分を食べました。バゲットは日を置くと多少固くなりますが、こちらのバゲットはしっとりとしたやわらかさを保っていて、おいしく食べられました。約60km離れた町からパンを買いに来ていたお客さんが「ここのパンを食べたらほかのは食べられないよ」と笑いながら話していましたが、その意味がとてもよく分かりました。

北海道産の素材にこだわったパンも

今年の2月には北海道産の小麦とライ麦を100%使うことにこだわったライ麦パンが登場しました。全粒粉のライ麦を使っているので食感が軽く、より香ばしさを楽しめます。「オレンジピール&マカダミアナッツ」(300円)や「クルミ&イチジク」(280円)のほか、「ライ麦パン」(520円、ハーフ260円)がそろっており、噛むごとにライ麦の香りとうま味が口の中に広がります。

「日替わりのサンドイッチ」(300円前後)や「ウインナーロール」(190円)など、調理パンも人気です。生地に全粒粉を加えることで、小麦の香ばしさが際立っています。今年新たに仲間に加わったのは季節限定「厚沢部(あっさぶ)まいたけグラタン」(180円)。農業の町として知られる隣町の厚沢部町で栽培された「えぞまいたけ」を使っており、まいたけ独特の歯ざわりと香りが楽しめます。

また木、日曜の午後には地元で採れた小麦100%で作る「檜山南部食パン」(1斤380円)も販売されるなど、地元の素材を用いた商品作りにも積極的に取り組んでいます。

歴史散策途中の休憩スポットにもおすすめ

店の中に入ると左がパンの販売フロア、右にイートインスペースと蔵の入口があります。蔵は見学(無料)だけでも利用可能です。また、店内では「本格抽出コーヒー」(220円)を販売しているほか、懐かしい瓶コーラの自販機も設置しているので、ドリンクを飲みながらイートインスペースでひと休みすることもできますよ。

北前船で繁栄した往時の姿が残る「江差いにしえ街道」。約1.1kmある街道を歩き、歴史散策を楽しんだ後は、焼きたてのパンを食べて疲れた足を休めてくださいね。

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