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ビリー・アイリッシュ、「うつ」に悩むきっかけとなった“挫折”を明かす

  • 2019.8.1
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人気沸騰中の17歳シンガー、ビリー・アイリッシュが以前から公言している「うつ病」や「不安症」のきっかけとなった出来事について明かした。(フロントロウ編集部)

自身が抱える問題を公言

共感を呼ぶ歌詞やささやくような独特な歌声、他に類を見ない独特のキャラクターやユニークなファッションセンスで世界中のティーンたちを熱狂させている次世代シンガーのビリー・アイリッシュ

現在17歳の彼女は、日本では発達障害に含まれる「トゥレット症候群(※1)」と診断されたことや、音に色を感じたり、形に味を感じたりする特殊な知覚現象である「共感覚」の持ち主であること、そして、10代前半の頃から「うつ」や「不安」の症状に悩んできたことを公にしている。

※1 自分の意志とは関係なく突然けいれんしたように顔や体が動く障害。別名チック症。本人の意志とは無関係に複数のチックが繰り返し起きる疾患。日本では発達障害に含まれる。

画像: 自身が抱える問題を公言

これまでにも、自殺防止団体のキャンペーンに参加して、心の問題と向き合うことの大切さや、ときには助けを求めることの有用性を訴えたり、精神状態を安定させるために自主的にセラピーに通い始めたことを明かすなどして、自分と同じようにメンタルヘルスの問題を抱える人々への世間の理解やサポートを促してきた彼女が、「うつ」や「不安」の症状に悩まされるようになった元々のきっかけについて告白した。

「うつ」を発症したきっかけ

現在も両親と暮らしているロサンゼルス市内の自宅で行なわれた米Rolling Stonesとのロングインタビューで、幼少時代の体験や現在行なわれているツアーの舞台裏で人知れず抱えている不安など、さまざまな事柄について語ったビリー。

その中で、10代前半の頃に思った事や感じたことなどを書き留めていたというノートを取り出し、思い出深そうにページをめくった彼女は、「あぁ、このページ…。これは“うつ”がヤバかった時のだ。これは調子が悪かった時のだよ…」と恐怖や孤独、傷ついた心情などが綴られたページで手を止めた。

ビリーが登場した米Rolling Stonesの表紙。

ビリー曰く、彼女が「うつ」に悩まされるようになったのは思春期に突入した13歳の頃。

10代前半は、クラシックバレエ、タップダンス、ジャズダンス、ヒップホップ、コンテンポラリーとジャンルを問わずダンスに明け暮れくれていたビリーは、12歳で生徒たちの競争が激しいダンス教室に通い始めた。そのダンス教室には、思わず劣等感を抱いてしまうような“可愛い女の子たち”がたくさんいて、和気あいあいと群れをなしていたのだそう。

ホームスクーリング(※2)で育ち、彼女たちと同じ学校に通っていなかったビリーは、その輪に入ることができず、疎外感や劣等感に苛まれたという。

※学校に行かず、自宅で学習すること。ビリーは15歳の時に認定試験を受け、通常よりも早く高校卒業と同等の学歴を得ている。

ビリーは、その頃の自分について「自分にぜんぜん自信が持てなかったし、みんなに話しかけることもできなかった。みんなみたいに普通に振る舞うことが出来なかった。あの頃の事を考えたり、写真を見たりすると、今でも自分に対して嫌な気持ちになる」とコメント。

さらに、ビリーにとっては、ダンスレッスンのために着なくてはならなかった体のラインが露わになる衣装も嫌で仕方がなかったという。「露出度の高い衣装を着るのが本当に嫌だった。いつも自分の外見について気にしてたな。私にとってはあの時が一番、身体醜形に悩んだ時期だった。鏡すら見ることができなかった」と、自分が醜いと思いこみ、鏡に写った自分の姿を直視するのも嫌だったと明かした。

画像: ビリーは現在でも「自分のすべてを人に知られたくない」という理由も込めてダボッとしたシルエットの洋服を好んでいる。
ビリーは現在でも「自分のすべてを人に知られたくない」という理由も込めてダボッとしたシルエットの洋服を好んでいる。

そんな多感な状態だった彼女に追いうちをかけたのが、ダンスを辞めなくてはいけないほどの大怪我。ヒップホップダンスのクラスの最中に臀部の骨端軟骨に損傷を負ったビリーは、このときに負ったケガは「今でも痛むことがある」と話している。

「あれが、私の“うつ病”が発症したきっかけだと思う。あの時のことが私を暗い穴に突き落とした。自傷行為をしていた時期もあったよ。もちろん、誰もそんな時期を経験するべきではないんだけど…あの頃は自分は痛みを感じるべきだと思い込んでた」

大好きだったダンスをケガにより諦めることになったビリー。しかし、それと時期を同じくして、彼女のシンガーとしてのキャリアは徐々に花開いていった。

目まぐるしく変わっていった自身の状況について、ビリーは「おかしなものだよね。ビリー・アイリッシュの14歳当時を考えた時、みんなが考えるのは、私の身に起こったポジティブなことばかり。でも、私自身が思い浮かべるのは、当時どれだけ自分が惨めだったかっていうことだけ。どれだけ狂ってて、混乱してたかっていうことだけ。13歳から16歳までは、かなりツラかったな」と振り返っている。

馬とのふれあいが心頼み

それに比べて「17歳は人生最高の年だった」と語るビリーだけれど、ツアー中に地元の友人たちと離れて過ごす時間が長くなって孤独を感じたり、ストレスに耐えられなくなった時には、今でも「うつ」や「不安」の波に襲われるという。

そんなとき、ビリーが頼りにしているのが、シンガーのセレーナ・ゴメスメンタルケアのために取り入れていると話す、馬とのふれあいによって心を癒す「馬セラピー」。

画像: 馬とのふれあいが心頼み

幼い頃から実家近くの乗馬場に通い、料金を支払う代わりに雑用をこなして馬に乗せてもらっていたという彼女は、大スターとなった今でも暇を見つけては同じ馬舎に足を運び、馬との交流を楽しんでいる。

馬舎にいるほとんどの馬を暗記しているビリーは、馬とのふれあいについて「趣味って言うより、心の健康のためにやってる」と語っている。

一躍有名となったことで、以前には無かったストレスや苦悩も抱えることとなったビリー。しかし、彼女は、同じくシンガーとして活動し、彼女の楽曲のプロデュースも手がける兄のフィアネス・オコネルや信頼できる友人たち、そして自身のツアーにスタッフとして参加している両親らの献身的な支えのもと、心の声に耳を傾けながら、新世代の歌姫として伝えるべきさまざまなメッセージを音楽を通じて世に放っている。(フロントロウ編集部)

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