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玉城ティナ「あえて不安な気持ちを隠さずカナコという役を演じました」映画『Diner ダイナー』公開中!

  • 2019.9.9
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蜷川実花監督の最新作『Diner ダイナー』で、物語のカギを握る少女を演じている玉城ティナさん。近年は、女優としての活躍も目覚ましい彼女。本作では、その魅力がさらに開花。役者として今、感じていることをうかがいました。

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PROFILE

1997年10月8日生まれ、沖縄県出身。2012年『ミスiD』でグランプリを受賞後、瞬く間にトップモデルに。現在は女優としても活躍し、近年の主な出演作に『チワワちゃん』『わたしに××しなさい!』など。今年は映画『地獄少女』『惡の華』などの公開も控えている。

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蜷川監督が作り上げた美しくもぶっ飛んだ世界観が演じる力に

「この作品は衝撃的なシーンも多く、オオバカナコという役が私にできるのか……オファーをいただいたときは、正直不安な気持ちもありました。でも蜷川さんが私を選んでくれたこと、そして蜷川作品の一員になれるということが、純粋に嬉しかったです」

殺し屋専用のダイナーで、ティナさんが演じるのは、ウエイトレスとしてダイナーに売られたごく平凡な女のコ。

「私自身が現場に入るときの心細さや不安な気持ちは、カナコの心情と重なる部分がありました。だからそれをあえて隠さず、嘘をつかず、そのままの自分で演じてみようと思ったんです。またダイナーに来る前のカナコのように“自分は誰からも必要とされていないのかもしれない”と感じる瞬間って、みんな一度は経験したことがあるはず。私にもそういう不安は少なからずありますし、withの読者の中にも同じような想いを抱えている方がきっといると思うので、カナコに共感してもらえたら嬉しいですね」

劇中でカナコとして生きるうえで、衣装や美術も助けになったそう。

「採寸して作っていただいたウエイトレスの衣装を着たときに、役に対する意識が変わりました。ひとつひとつ“装備”をつけていくうちに、どんどんカナコになっていく感覚でした。でも、時々衣装のコルセットがきつい日もあって(笑)。体のラインがはっきりしている衣装だったので、演技以外にそういったことにも気をつけていました。初めてセットを見たときは、そのインパクトに圧倒されて……。美術を横尾忠則さんが手がけていたり、多くのクリエイターの方々が気持ちを注いで、この世界を作ってくれているというのも、大きな力になっていたと思います」

美しくもぶっ飛んだ世界観の中で、宙吊りにされたり、水浸しになったりと体当たりの熱演を見せている。

「撮影を振り返ると、常に緊張して、肩に力が入っている状態ではあったんですけど、犬の菊千代とのシーンはその緊張がふっととける瞬間でした。カナコにとって絶対的な存在の店主・ボンベロ(藤原竜也)が、菊千代の前では少し気が緩む。菊千代とのシーンは、そんな関係性を作るのが楽しかったです。現場には犬のぬいぐるみしかいなかったので、映画が完成して、あんなに菊千代が立派に戦っているのを見ると、なんだか嬉しくなりました(笑)」

カナコは自分の存在理由を、過酷な環境の中で見つけていきます。ティナさんも自分の存在理由について、悩んだりすることはありますか?

「わりと、常に悩んでいるタイプです(笑)。でもそうやって悩むことを、無理してなくそうとも思っていません。壁にぶち当たったとき、誰かのせいにしたくなることってあると思うんですけど、自分を変えられるのは自分だけ。そういったメッセージも『Diner ダイナー』を通して、みなさんに感じてもらえたらいいなと思います」

INFORMATION

『Diner ダイナー』

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映像化不可能といわれた原作小説を主演・藤原竜也×監督・蜷川実花で映画化。殺し屋専用のダイナーを舞台に、元殺し屋で天才シェフの店主・ボンベロと、ウエイトレスのカナコ、客として訪れる殺し屋たちの物語を描くサスペンス。7月5日公開。

撮影/田形千紘 スタイリスト /松居瑠里 ヘア&メイク/足立真利子 取材・文/山口昭子
※再構成 with online編集部

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