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「テイラー・スウィフトは優しかった」買収騒動渦中のジャスティン恩師が回顧

  • 2019.7.26
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テイラー・スウィフトとの買収騒動が注目を集めている“ジャスティン・ビーバーの恩師”こと敏腕マネージャーのスクーター・ブラウンが、テイラーと初めて会った当時の印象について語った。(フロントロウ編集部)

テイラーの第一印象を振り返る

シンガーのジャスティン・ビーバーを発掘し、一流スターに育て上げた敏腕マネージャーとして知られるスクーター・ブラウンが運営する音楽マネージメント会社、イサカ・ホールディングスがテイラー・スウィフトがデビューから2018年末まで所属していたレコードレーベル、ビッグマシン・レコーズを約325億円(300万ドル)で買収。

これにより、自身が2018年までにリリースした楽曲のマスター音源(原盤権)が以前から水面下で因縁の関係にあったスクーターの手に渡ったことに憤慨したテイラーが、Tumblrに投稿した声明を通じて「私にとって最悪の悪夢」、「私の人生をかけた作品をはぎとられた」と怒りを爆発させたことがきっかけで、音楽業界を揺るがす一大騒動へと発展しているが、買収発表後、そしてテイラーからの告発後、初めて、スクーターとビッグマシン・レコーズのCEOであるスコット・ボルチェッタが公の場でコメントした。

画像: 左:シンガーのジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデらのマネージメントを手がける敏腕マネージャーのスクーター・ブラウン。右:当時15歳だったテイラーの才能に目をつけ、アーティスト契約を結んだビッグマシン・レコーズのスコット・ボルチェッタCEO。「原盤権を手にする機会を与えられなかった」とするテイラーの主張を真っ向から反論している。
左:シンガーのジャスティン・ビーバーやアリアナ・グランデらのマネージメントを手がける敏腕マネージャーのスクーター・ブラウン。右:当時15歳だったテイラーの才能に目をつけ、アーティスト契約を結んだビッグマシン・レコーズのスコット・ボルチェッタCEO。「原盤権を手にする機会を与えられなかった」とするテイラーの主張を真っ向から反論している。

米Billboard誌の表紙にそろって登場したスクーターとボルチェッタCEOは、「テイラーからの告発や、そこから派生した騒動については何も話さない」という条件の下、双方が買収合併に合意に至った経緯や理由などについて電話インタビューで回答。

その中で、スクーターが初めてテイラーと出会ったときの印象について語る場面があった。

スクーターとボルチェッタCEOが表紙を飾った米Billboard誌の表紙。

インタビューの中で、ボルチェッタCEOと信頼関係を構築した経緯について語ったスクーター。

彼とボルチェッタCEOとの初対面が、2010年、ブレイク寸前だったジャスティンが、テイラーの世界ツアー「フィアレス・ツアー」にオープニングアクトとして出演していた頃のことだった。

当時を振り返ったスクーターは、テイラーやボルチェッタCEOとの出会いを回顧。ビッグマシン・レコーズの買収を決意した根底には、ボルチェッタCEOと長年にわたって育んできた友情があると話した。

「テイラーのツアーに参加していたとき、ビッグマシンの人たちはみんな僕とジャスティンに親切にしてくれた。テイラーは優しかったし、ボルチェッタCEOも優しかった。そういう経験は、ずっと記憶に残るもの。僕はそのときの彼らの優しさを忘れたことはないし、僕とボルチェッタCEOの友情はそこから始まっている」
画像: ジャスティンがテイラーのツアーのオープニングアクトを務めていた2009年末、ラジオ局Z100主催の音楽イベントの舞台裏で撮影されたツーショット。
ジャスティンがテイラーのツアーのオープニングアクトを務めていた2009年末、ラジオ局Z100主催の音楽イベントの舞台裏で撮影されたツーショット。

テイラー以外の所属アーティストたちは買収をどう思っている?

2018年以降、マーベル社の創設者の1人であるデヴィッド・メイゼル氏をトップに迎えた映画制作スタジオを設立したり、大手音楽レーベルやマネージメント会社への投資を行なったり、ラッパーのドレイクやそのマネージャーともビジネス提携するなど、目覚ましい勢いで事業を拡大しているスクーター率いるイサカ・ホールディングス。

画像: テイラー以外の所属アーティストたちは買収をどう思っている?

そんな同社がビッグマシン・レコーズの買収に踏み切った理由について、スクーターは「僕たちはお互いにアーティストを優先した環境を築きたいと考えている。アーティストたちが自身を持って夢を追える状況を作るために充分な力を得たいと思った。ボルチェッタCEOが持つものと僕が持つものを組み合わせたら、音楽業界において善戦できるんじゃないかって」とコメント。

一方で、ここ数年間、ビッグマシン・レコーズ売却先をずっと吟味していたというボルチェッタCEOは、手塩にかけて成長させた同社の買い手としてスクーターこそが相応しいと感じた理由について「これまでは、タイミングや条件について納得できなかった」、「社員やアーティストたちと、必ず会社にとってプラスになる条件で売却すると約束していたが、ようやくそれが叶った」と語った。

今回の買収合併により、スクーターはビッグマシン・レコーズの社員たちを一切解雇せず、これまで通りの運営状況をキープすることを約束。

ボルチェッタCEO曰く、同社の社員たちに、“あくまでも双方がさらなる成長を遂げるための買収”だと説明し、会議室にスクーターを招き入れると、社員たちからは割れんばかりの歓迎のスタンディング・オベーションが巻き起こったという。

スクーターがビッグマシン・レコーズの買収報告ともに公開したボルチェッタCEOとのツーショット。

ビッグマシン・レコーズには、ラスカル・フラッツやレディ・アンテベラムといったカントリーミュージックの精鋭たちが所属しているが、ボルチェッタCEOによると、彼らもスタッフたち同様の反応を示したという。

ボルチェッタCEOは、Billboardとのインタビューの中で「僕らが話をしたアーティストたちはみんな買収に大賛成だよ。アーティストとレーベル、マネージメント会社の間に壁が無く、色んなことを相談できるというのはすごく有益なことだからね。僕らはアーティストが損をしがちだという業界の通説を覆そうとしているんだ」と、現所属アーティストたちは、イサカ・ホールディングスの傘下に入って活動することを喜んでいると強調している。

先日、テイラーは、騒動後初となるライブパフォーマンスのステージ上で、自身のヒット曲「シェイク・イット・オフ」の歌詞内の「嘘つき」、「汚い人間」という部分をあからさまに強調。これは、スクーターやボルチェッタCEOへのディスだったと言われており、スクーターからの直接対話の要求も撥ねつけるほど怒っていると言われているが、今回のスクーターとボルチェッタCEOの共同インタビューを受けて、彼女が今後どういった反応を見せるのかにも注目が集まっている。(フロントロウ編集部)

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