旧姓併記の流れが進んでる! 住民票や運転免許証は11月から可能に

2019年11月より住民票や免許証で旧姓併記ができるようになります。とくに仕事等で旧姓を使っている方や旧姓に愛着のある方にとっては、便利な制度だと感じられるかもしれません。住民票や免許証の他、旧姓併記が可能なサービスをまとめました。

「住民票や免許証で、旧姓併記ができるようになるらしいよ!」

先日、“旧姓が良かった”と話す既婚仲間の友人からそう誘われました。11月から受け付けが始まるので、初日に行こうというのです。

18年前、選択的夫婦別姓制度なんてすぐに実現すると思って、取りあえず夫の姓で入籍した私は、仕事や友人との関係のなかで旧姓を使用しています。

子どもの頃から呼ばれてきた名前への愛着はもちろん、仕事では今の名前で積み上げてきた実績と信頼があるからです。

それなのに、友人に言われるまで「旧姓併記」のニュースに気付かなかったことを反省し、愛着のある旧姓が記載できる書類などについて少し調べてみました。

■パスポートの旧姓併記

パスポートの旧姓併記は、なんと1959年から始まっていました。もう運用開始から60年になるのですね。

国際結婚、二重国籍、両親のどちらかが外国人の方の外国式の氏名表示、ミドルネームの併記、旧姓の併記が行えるので、正確には旧姓に限らず「別名併記」です。例外措置のためパスポートのICチップなどには括弧内の別名は記録されず、例えば航空券の予約時には削除されるので注意が必要です。

また、括弧書きで旧姓が併記されるのが日本独特の表示方法のために、入国審査の際に理解が得られずトラブルが起こることがあります。Twitterを通じた利用者の声を受け、2019年6月26日に外務省のサイトに日本語と英語で別名併記についての公式説明が掲載されました。

これまでは既に海外で旧姓での活動実績がある人しか表記できませんでしたが、今後は希望すれば表記できるようになるなど手続きが見直される予定です。

■会社登記の書類(商業登記簿)の旧姓併記

2015年2月から、商業登記簿の役員の欄に旧姓が併記できるようになりました。子会社の社長をやっていたときには、このことを知らなかったので、正式な書類や契約書は夫の姓で記されていました。見慣れぬ名前について尋ねられ、

「あ、蜷川は旧姓でして……」

と毎回説明をしなければならないのが面倒ですし、印鑑も旧姓と現姓のふたつを持ち歩いていました。でも、併記していればとりあえず手間は減ります。

■住民票の旧姓併記

住民票やマイナンバーカードへの旧姓の併記が、2019年11月5日からできるようになります。旧姓が記載された戸籍謄本を入手して、現在住んでいる市区町村の役所の窓口で手続きをすれば完了です。

総務省の案内ページによると、これにより旧姓を公証することができるようになるため、保険や携帯電話の契約、銀行口座の開設が旧姓でできるようになるそうです。実際には企業側が対応しなければいけないので、「なるはず」くらいかもしれません。

■運転免許証の旧姓併記

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住民票とタイミングをあわせ、運転免許証にも今年の11月から旧姓併記ができるようになるというニュースが流れました。公証書類としてはマイナンバーカードよりも扱いやすく、ぐっと便利になりそうです。

セキュリティが高く本人確認が必要な施設に仕事で呼ばれたときに、免許証を出しながら「旧姓で働いていまして……」と説明をしなければなりませんでしたが、これらも解決するのでうれしいです。

ちなみに、免許証を発行している警視庁では、今年の4月から警察手帳で旧姓が使用できるようになったそうです。今まではあの「警視庁の○○です!」は現姓でしかできなかったのですね。

■銀行口座が旧姓でつくれるようになる?

2017年7月に政府が全国銀行協会へ要請したことを受け、一部の大手銀行や地方銀行では旧姓で口座を開設することができることになったようです。併記よりもワンランク上ですね。

しかし、実際には銀行側は不正取引などのリスクがあるため、積極的には取り組んでいない様子。ということで、現状ではまだ難しいようですが、11月の住民票や免許証の旧姓併記を受けて前進するかもしれません。

旧姓で活動をしているフリーランスの方などは、振込先の口座名が仕事で使っている名前と同じになるのは助かりますよね。

■我が家のポストは旧姓併記です

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ちなみに、我が家のポストは結婚当初から旧姓併記です。友人とは旧姓のままで付き合っていますし、年賀状も旧姓または旧姓併記で送っています。旧姓で登録していて問題がないサービスなどもそのままなので、郵便や宅急便は旧姓でも届きます。なんとなく「私がいる」感じが味わえます。

■それでもやっぱり「選択的夫婦別姓」の方がいい

このように、旧姓併記ができるようになることで、私のように旧姓を使っている人は、だいぶ便利になるかもしれません。しかし、すべてが解決されるわけではないので、やはり選択的夫婦別姓制度の成立が待ち遠しいです。

仕事をしていると名前と実績はセットになり、旧姓で働いた期間が長いほど、変えにくくなります。特に研究者にとって、姓名はとても重要なようで、論文・業績は姓名とともに記録されているので、そのまま積み上げられるのがベストです。

通称でいいじゃないかという意見もありますが、先日夫婦別姓訴訟を起こしたサイボウズの青野社長が出した例のように、仕事で海外に通称で招待され、航空券やホテルの予約を通称でされてしまった場合にトラブルになったりもします。

もちろん、望んで妻や夫の姓に合わせ、日常でもそれに合わせている方もいるので、姓が変わった人のすべてが困っているわけではないと思います。ただ、愛着があって変えたくなかったり、変えたことで困っている人たちはいます。

夫婦別姓に反対する人の中には、家父長制的な価値観から「家」の一体感が必要と考えている人もいるのでしょう。しかし、そうでない価値観で「家族」を考えても社会的に悪影響はないのであれば、制度としても許容してもいいのではないでしょうか。

せめて私がまだ働いているうちに、選択的夫婦別姓が実現しますように。

Text/蜷川聡子

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