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吉祥寺のおとなり、西荻窪。大人になったからわかる、5つの小さな贅沢

  • 2019.7.23
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今回ご紹介するのは、中央線・総武線の走る街、「西荻窪」。下り方面には吉祥寺、上り方面に荻窪、という大きくてそれぞれ人気の街に挟まれた場所にある西荻窪ですが、最近ではセンスが良く、おしゃれで個性的なお店が集まって来て、中央線の中でも人気の街の一つとなりました。

生活していく上で必要なお店は一通りあることはもちろんのこと、こうしたお店が多いことは、ただ「寝に帰る」という場所ではなく、存分に「街を愉しむ」ことができる場所である証。中央線独特の「カルチャーのある街」として、住む視点からも人気の街となってきています。

そんな西荻窪駅で自分が暮らしたらどんな生活ができそうなのか。そんなことを考えながら、街あるき、スタートです。

疲れても、がんばらなくていい

金曜日にすこし遊びすぎてしまった時。平日に仕事を頑張りすぎてしまった時。そんなときは「今週末は、家でおとなしくしていよう」と思って、思う存分自分の好きな用事だけを済ませてしまいたくなる時、ありますよね。

西荻窪には、1人で落ち着けるカフェや喫茶店がたくさんあります。中でも駅の北側にある北銀座通りを歩いて3分の場所にある「喫茶去 一芯二葉(いっしん によう)」は、一人になってほっと一息つきたい時には最高の場所です。

店内には5人しか座れないほどの小さなお店ですが、ここでは台湾茶や緑茶、紅茶などのお茶を愉しむことができます。お茶だけで30種くらいはあるのではないでしょうか。店内にかざってあるティーカップの中から自分の好きな柄を選んできて、そのカップに店主が1杯1杯丁寧にお茶を淹れてくださいます。お持ち帰りすることもできるスコーンも絶品。優しい食感と味なんです。

丁寧に淹れてくださるその様子を見ている時間も、リラックス。

店主がお茶を淹れてくれる所作、音楽、古道具の並ぶ店内でお茶を飲みながら、少し深い呼吸を。また来週から頑張ろう、と背中を押してくれるような、そんな気持ちになれるあたたかい場所です。

甘酸っぱい、あまおうのソースでいただきます。

ほかにも、レトロな雰囲気の漂う老舗の喫茶店から、古民家を改装し中庭を眺めながら落ち着いた時間を過ごせるカフェまで、様々なお店が西荻窪にはあります。あえて会話をせず、自分の心の充電ができる場所が、この街にはたくさんあるのです。

こうした親切な看板があれば、街あるきも楽しい。

喫茶去 一芯二葉

住所:東京都杉並区西荻北 3-31-13-103

自然のそばに、寄り添う

まるでジブリ映画「トトロ」から飛び出してきたかのような、大きな大きなケヤキの木がある公園があります。ここは「坂の上のけやき公園」。駅からは徒歩7分くらいの住宅街の中にあります。もとはこの土地を持っていた方が所有者としていらっしゃったものの、様々な理由でこの場所を手放すことになり、一時はこのケヤキの木も伐採の危機にさらされました。それでも近隣の住民の方や有志が集まり、住民の心のオアシスとなっていたこのケヤキの伐採を阻止するための署名を集められて、この場所は区の公園として生まれ変わりました。

ここでどれほどの長い時間、街を見守ってきてくれたのでしょう。

大の大人が両手を回しても、絶対に届かなそうな大きな木の幹。そよそよと風が吹けば葉が静かに揺れる、静かな公園。木のそばのベンチでは、読書をしている年配の男性もいらっしゃいました。

この場所に来れば、自然の雄大さを感じることができ、ただそばに座って流れる時間に身をゆだねているだけで、日々の悩み事などどうでもよく思えてしまえそうです。定期的に訪れ、自然のパワーをもらいに来たい、そんな場所でした。

区の公園となった時につくられた、記念碑。

風が吹くと気持ちの良い場所です。

坂の上のけやき公園

住所:東京都杉並区西荻北4丁目38番6号

気分に合わせて、お店を選ぶ

もしも「圧倒的に外食派」と自認しているのであれば、西荻窪での生活は最高に楽しいことは間違いがないでしょう。友人とわいわいおしゃべりしながら、パートナーと雰囲気の良いデート感覚で、一人でゆったり。どんなジャンルにも対応できるお店が、山ほどあるからです。

駅の北側は、通りや商店街に沿ってカジュアルに愉しめるワインが美味しいお店、和食などが多くあります。一方南側の駅付近は、ディープな雰囲気で、赤ちょうちんの立ち並ぶ横丁風ののれん街が。(もちろん、南側にも外装や内装にこだわった、おしゃれなお店もあります!)

それぞれ異なる雰囲気の夜の街並みを眺めながら、今日の気分に合わせてお店を選べるのは、この街で過ごす1つの贅沢。大衆的なお店だけではなく個人店が多いので、行きつけを見つけて常連さんと仲良くなれば、リビングの延長として店を愉しむ、ということもできそうです。

夜になると、一層雰囲気が出てきます。

この商店街のなかにも食事ができる場所は豊富にあります。

駅北側には美味しそうなお店がたくさん。

カレーで有名なお店、「SPOON」

古民家をリノベーションした人気のお店も。

本屋をはしごする

本が好き、でも本屋はもっと好き。そんな方にはたまらないのが、西荻窪。古書店から新刊書店まで、個性の光る書店が、南北様々な場所に点在しています。古本好きが高じて、本屋巡りの流れで、この街にたどり着いたことがある方も多いでしょう。

シンプルだけれど、おしゃれな外観。

窓際には、絵本ががずらり。

駅から徒歩5分の場所にある書店「URESICA(ウレシカ)」はその代表格。店主セレクトの絵本や書籍だけではなく、2階にはゆったりとしたギャラリースペースもあります。1階にも原画の展示が楽しめるコーナーがありました。この空間に一歩入れば、自分のセンスも磨かれるような、そんな雰囲気です。中でも絵本のコーナーは充実。ほかではなかなか見つけられない本との出合いもあるでしょう。

展示は数週間で入れ替わるため、定期的にこのお店を訪れて、中を覗きにきましょう。前回来た時とはまた違った世界があなたを待ってくれています。

駅近くにも、たくさんの古本屋がありますよ。

「旅」をテーマにセレクトされた本屋「旅の本屋 のまど」

URESICA

住所:東京都杉並区西荻北2-27-9

1点ものを見つけに

土日にふらりと散歩をしたいとき。せっかくなら何か目的地があればいいけれど、長居はしたくない。そんなときは、古道具屋や雑貨店を巡ってみてはいかがでしょう。西荻窪には、大小さまざまな雑貨屋さんや、古道具店が店を構えています。

店内右手では、カフェスペースもあります。

駅北口の一番街沿いにある「ギャルリーノン」では、常設の洋服や雑貨だけではなく、定期的に展覧会も行っています。この日は反物壁や机一面に、反物がずらりと並んでいました。TOYOTAが昔、車を作る際に使用していた機械を譲り受け、一列一列丁寧に編まれた布は、手触りも良く、吸水性がよいということで、タオルや洋服として加工されているそうです。

西荻窪の店は、1つ1つのお店がこうしたオリジナルの商品の仕入れをしています。店主の目利きが確かだからこそ、いつ来ても飽きることなくいられるのです。入れ替わりの激しい都心のど真ん中にあるような場所とは違い、数年後に訪れても変わらず在り続けてくれる店が多いのも、西荻窪の特徴といえるかもしれません。

手ごろな値段で買える雑貨屋さん「Tipi Arbre」

ギャルリーノン

住所:東京都杉並区西荻北4-3-4

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西荻窪は、駅前こそチェーンのカフェやコンビニ、スーパー、ドラッグストアが揃い、便利な街であることは確かです。でもそれ以上に面白いのが、その先にある個人商店の数々。それぞれの店の店主が、おもしろがってこの街で商売をしている。だからこそ、住んでいる方たちも、きっとこの街を面白がることができるのでしょう。

「土日は中央線の快速が停まらないから、不便そう」。そんな安易な理由で、この街を選ばないのは、もったいない。何年かけても巡りきれそうにないほどの素敵なお店をひとつひとつを、自分の感性を頼りに見つけにいきましょう。ワクワクしているときも、元気がないときも、どんなときも楽しめる場所が、この街には詰まっていました。

駅前には西友などがあり、とても便利です。

長年続くお店もたくさん残っています。

西荻窪の住み心地って?

実際に西荻窪に住んだことのある人に、聞いてみました!

・一人で飲食店に行くのが好きで、よく通っているお店がいくつもあって飽きない街

・武蔵野の自然が残りつつ、文化的な遺産~古民家などを再利用してショップやカフェとして触れ合えたり、お散歩して楽しいまちです。

・平日については不便とは思いませんが、休日はやや不便。中央線が停車しないこと、近隣道路の渋滞がありバス路線が遅延するなど。

・駅前には西友があり、便利。また、大きなショッピング施設(ユニクロやニトリなど)は、隣の吉祥寺に行けばすべてそろうので、買い物の不便さはありません。

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