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“僕を産んだ罪で両親を訴える”少年ゼインにカンヌが震えた『存在のない子供たち』【今月のプロ押し映画!】

  • 2019.7.26
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“僕を産んだ罪で両親を訴える”少年ゼインにカンヌが震えた『存在のない子供たち』【今月のプロ押し映画!】
2019.07.19 17:30
中東が抱える貧困と移民の根深い問題に斬り込んだ今作は、カンヌ国際映画祭で高い評価を得た。主人公ゼイン役をはじめ、大半のキャストは演じる役柄に近い境遇に生きる素人たちだ。監督がリサーチに3年を費やしたという、フィクションのなかにリアリティを描いたこの映画が突きつけるものとは?

(c)2018MoozFilms/©Fares Sokhon

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中東のスラムで生まれた少年ゼインは自分の年齢を知らない。幼い妹が嫁に売られたとき怒って家を飛び出した彼は、怒りのあまり買った相手の男を刺して逮捕された。その裁判でゼインは自分を産んだ罪で両親を訴える。弁護人を演じる美女が、レバノン生まれの女性監督ナディーン・ラバキーだ。彼女は難民があふれる中東の国々の貧困と飢え、男女差別、少女の結婚、非情な扱いを受ける難民たちの現実などを3年間にわたって調査。ベイルートの住宅街に住むシリア難民の子ゼイン・アル=ラフィーアを主人公の少年ゼイン役に起用して、このドラマを作りあげた。その結果、昨年第71回カンヌ国際映画祭のコンペ部門で審査員賞とエキュメニカル審査員賞を受賞。映画の中で、家出して寝る場所もないゼインは難民女性の赤ちゃんの子守を引き受けるのだが、この赤ちゃんがまだよちよち歩きなのに演技をするのでビックリ。ゼインは本物の美少年、赤ちゃんはどう見ても自分の意思で演技をしているように見える名優。一見の価値ありだ。



『存在のない子供たち』7月20日公開

http://sonzai-movie.jp/

配給:キノフィルムズ

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