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自堕落な夏、ネトフリ名作「イッキ観」のススメ。

  • 2019.7.19
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自堕落な夏、ネトフリ名作「イッキ観」のススメ。
2019.07.18 19:00
なんとか夏の休暇は取れたけれど、混雑するから外出したくない、けど、時間だけはたっぷりある……。だったらこの際、Netflixを旅のパートナーに、思い切り放縦に過ごしてみるのはどう? リッチフィールド刑務所の女性たちを描いた「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」最終シーズンから「クィア・アイ」でおなじみの「ファブ5」の再結成、心かき乱すミニシリーズまで、あなたを決して飽きさせない9作品をレッツプレイ!

「ストレンジャー・シングス 未知の世界」

あの大ヒットSFドラマの続編が解禁!


凄腕の双子兄弟、ザ・ダファー・ブラザーズのSF大ヒットシリーズ「ストレンジャー・シングス」のシーズン3、もう観ましたか!? すでにシーズン4への期待を漏らす声がそこここで聞こえる今日この頃ですが、まだ観ていない人のために、見所を要約(ネタバレなし)!


ミリー・ボビー・ブラウン、セイディー・シンク、フィン・ヴォルフハルトが揃って出演し、イーサン・ホークユマ・サーマンの娘マヤ・ホークもアイスクリーム店「スクープ・アホイ」の従業員としてキャストに加わったシーズン3。1985年の夏、ショッピングモール「スターコート」を中心に展開される本作には、アクション満載、80年代カルチャーも盛り沢山(ハイテンションのショッピングシーンはマドンナの「マテリアルガール」がBGM!)と、「楽しさ」軸で評価するならシリーズ最高との呼び声も。20か月ぶりのホーキンスは、兎にも角にも格別だ。

「ボクらを見る目」

人種差別から起きた衝撃の実話。


1989年4月19日、ニューヨークのセントラルパークをジョギングしていた女性が暴行を受け、瀕死の状態で発見された。その夜、無実の5人のティーンエイジャー(アフリカ系アメリカ人4人とヒスパニック系1人)が容疑者として逮捕され、2回の裁判が開かれた後、不当な有罪判決を受けた。


この「セントラルパーク・ファイブ」と呼ばれた実際に起きた事件をエヴァ・デュヴァネイ監督がドラマ化したのが、「ボクらを見る目」と題された社会派ドラマ。アカデミー賞ドキュメンタリー部門にノミネートされた同監督の長編ドキュメンタリー作品『13th 憲法修正第13条』(2016年)と共に観てほしい作品だ。配信開始から1カ月後、本作品は現実社会にも変革をもたらした。事件に対して改めて反発が起こり、当時、この事件の担当検事だったリンダ・フェアスタインとエリザベス・レデラーが、それぞれヴァッサー大学とコロンビア・ロー・スクールでの現職を辞任した。

「ブラック・ミラー」

ディストピア作品の最高峰。


シニカルな視点でテクノロジーに支配される現代社会を描いたSFシリーズ「ブラック・ミラー」は、実験的なインタラクティブ映画『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』としても作品化され、大成功を収めた。その後リリースされたドラマ版のシーズン5では、マイリー・サイラス、トファー・グレイス、そしてイギリスのBBCドラマ「Fleabag フリーバッグ」のアンドリュー・スコットがキャストとして参加。クリエイターのチャーリー・ブルッカーとアナベル・ジョーンズによって巧妙に練り上げられた3つの独立エピソードを通して、ジェンダーの流動性やセレブ文化、そして新しいテクノロジーがもたらしうる脅威を探る。「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」からイギリスドラマ「Years and Years(原題)」まで、現在、テレビドラマではさまざまなディストピアが描かれているが、中でも「ブラック・ミラー」は、その最高峰として君臨し続けている。

「WHAT / IF 選択の連鎖」

欲望と犠牲が絡みあう不条理ストーリー。


冷酷なベンチャーキャピタリストと魔性の女のあいだで展開されるスリラーシリーズは、アカデミー女優、レネー・ゼルウィガーの絶妙な演技と、マイク・ケリーによるキャンプ要素を散りばめた巧妙な脚本に、「観だしたら止まらない!」の声多数。ゼルウィガー演じる謎多き資産家の女性が、科学者リサに8,000万ドル(約86億円)の投資を申し出る。その条件は、リサの夫と一晩過ごすこと……。観る人の倫理観をも揺るがす、10部構成の不条理ストーリーは中毒性たっぷりだ。

「メリー・アン・シングルトンの物語」

元祖LGBTドラマが20年ぶりにカムバック!


アーミステッド・モーピンによる小説をドラマ化した「メリー・アン・シングルトンの物語」は、サンフランシスコが舞台。1993年に初放映されると、当時の主要ケーブルテレビでは珍しくLGBTキャラクターを描いた作品ながら、瞬く間にカルト的人気を博した。それから20年以上が経ったいま、Netflixの人気ドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」の共同製作総指揮・脚本を務めるローレン・モレリと原作者モーピンがタッグを組み、オリジナルキャストのローラ・リニーとオリンピア・デュカキスを再起用して続編の制作が決定。脚本はすべて、クィア作家が担当している。新たなキャラクター(リニーの養女ショーナを演じるエレン・ペイジなど)なども加わっているものの、オリジナルシリーズのファンの期待を裏切らない続編となっている。

「クィア・アイ」

ゲイ5人組が幸せを運ぶ「変身」企画。


ファッションやインテリアなど、その道のプロフェッショナルとして生きるゲイ5人組、通称「ファブ5」が、「自分を変えたい」と望む人たちを変身させていくリアリティ番組。そこには涙あり、驚きあり、思いがけない秘密の告白があったりして、幸せな気持ちにさせてくれる。アメリカの大ヒットリアリティ番組「Queer Eye for the Straight Guy(原題)」のリブート版としてリリースされた本作は、配信が開始するや否や世界的ヒットとなり、「ファブ5」が世界中で大ブレイクした。


最新のシーズン4では、ジョナサン・ヴァンネス、ボビー・バーク、タン・フランス、カラモ・ブラウン、そしてアントニ・ポロウスキの5人が再びカンザス・シティに舞い戻る。彼ら「ファブ5」はここ数か月、テイラー・スウィフトの「You Need to Calm Down(ユー・二ード・トゥ・カーム・ダウン)」のMVに出演したり、LGBTQに対する差別を禁じる連邦法案「イクオリティ・アクト」の実現を支持するなど、クィアを代表する存在として大活躍中だ。

「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」

大ヒット女性刑務所ドラマの最終章。


自身の体験をもとに書かれたパイパー・カーマンのノンフィクション『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女性刑務所での日々』(2010年)が原作のこのシリーズは、ジェンジ・コーハンが監督を務め、Netflix初期のオリジナルドラマとして2013年にデビュー。ウゾ・アドゥーバ、ナターシャ・リオン、サミラ・ワイリー、そしてラバーン・コックスというスターを生み出した。女性刑務所での人間模様を通して、コミカル、ときにシリアスに、家庭内暴力や薬物乱用、ブラック・ライヴス・マタ―(黒人人権尊重)運動といった現代の重要課題をあぶり出し、リリース直後から高い評価を得ている。日本では7月26日から配信される最終シーズンのシーズン7では、釈放後の生活に適応し、刑務所での6年間を振り返るパイパー(テイラー・シリング)を追う。

「親愛なる白人様」

アメリカの大学に蔓延る人種差別を風刺。


ジャスティン・シミエン監督による、アメリカの大学で繰り広げられる人種問題を痛烈に風刺した本作も、シーズン3に突入。もちろん、人種差別という重いテーマを真っ正面から迎え撃つ辛辣さは健在だ。シリーズ常連のローガン・ブラウニングとブランドン・P・ベルが再登場する最新シーズンでは、アイデンティティや政治、インターネットトロール(ネット荒らし)、そして文化の盗用といった現代社会が対峙する問題にフィーチャー。物議を醸すテーマに、恐れることなく切り込んでいく製作者たちの勇気に拍手を送りたい。

「GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング」

女子プロレディたちの愉快な巡業旅。


リズ・フラハイヴとカーリー・メンチによる、女子プロレスラーたちの巡業を描いたコメディ作品。最新シーズンには、アカデミー賞助演女優賞に輝いた実力派女優、ジーナ・デイヴィスも参戦。物語は、新しいレスリングショーを開催するべくラスベガスに向かうアリソン・ブリー、ベティ・ギルピンと仲間たちを中心に展開される。また、ショーディレクターのサム・シルヴィア役として再登場するベテランコメディアンのマーク・マロンにも注目。ジーナ・デイヴィスは、ショー開催地のホテルのエンターテイメントディレクター、サンディ・デヴェロー・セント・クレアを演じている。ハイカットの水着や、眩いアシッドカラーや大げさなフリルのコスチューム、ボリュームたっぷりのヘアスタイルなど、いかにも80年代な衣装を眺めるだけでも楽しい!


*本記事内で紹介した作品はすべて、Netflixにて独占配信中。

Photos: Courtesy of Netflex Text: Radhika Seth

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