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<いだてん>“人見絹枝”熱演の菅原小春、“孤独さ”に共感「自暴自棄になることも…」

  • 2019.7.7
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人見絹枝役の菅原小春
撮影=島本絵梨佳

【写真を見る】ギャップありすぎ!和服姿の菅原小春(=人見絹枝)

ダンサーの菅原小春が大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)でドラマ初出演を果たした。

【写真を見る】ギャップありすぎ!和服姿の菅原小春(=人見絹枝)
第22回(6月9日放送)では見事なテニスの腕前を披露していた (C)NHK

7月7日放送回では、1928年に開催されたアムステルダムオリンピックに出場した菅原演じる日本女子初のオリンピアン・人見絹枝の葛藤や勇姿が描かれた。

菅原は、幼少期から創作ダンスを始め、学生の頃には数々のダンスコンテストで優勝。2010年に渡米、現在までに世界35カ国でショーやワークショップを行うなど、世界的に活躍している。

恵まれた体格や海外での活動を通して孤独を感じた経験など、人見と共通点が多いと語る菅原に、ドラマを通して感じたことや役に込めた思いなどを聞いた。

人見絹枝の印象は「“燃やしてきた”人なんだな」

【写真を見る】スタイリッシュなポーズを見せる菅原小春
撮影=島本絵梨佳

――人見さんは実在の人物ですが、演じる上で何かご自身で調べたことなどはありますか?

走っているところや三段跳び、幅跳び、走り幅跳びの映像は見ましたが、動きだけでインスピレーションを受けて演じたいと思ったので、あまり文字の資料は見なかったです。誰かが書き上げたものを調べて自分の情報にするのではなく、感じたまま演じたいなと…。

菅原小春演じる人見絹枝は女子スポーツ界の草分け的存在
(C)NHK

撮影後に岡山に行って人見さんの親族の方にお会いして、人見さんが獲った銀メダルや当時使っていたバッグなどを見せていただきました。

また、人見さんは写真を撮るのがすごく好きで、それを日記のように横開きのノートに貼っているんです。

人見さんの写真を見た時に「こういうふうに“燃やしてきた”人なんだな」と感じました。

――お写真などを実際ご覧になって、人見さんはどんな方だと感じましたか?

とてもチャーミングな人だと思います。

写真の貼ってあるノートには文章が書いてあるのですが、その中にはギャグが混じっていたり、文字もフェミニンで…。

そして言葉の端々や字に燃えているものやチャーミングさが表れているなと感じました。

人見絹枝を熱演した菅原小春
撮影=島本絵梨佳

人見絹枝との共通点は“魂先行”

――人見さんは走ったり跳んだりと動くシーンが多かったと思いますが、動きの中でダンスでの経験が生きたシーンなどはありますか?

私はダンスのテクニックがある方ではなく、どちらかというと“魂先行”でやっているところがあって、その部分は生きたかなと思います。

当時はトレーナーも居ないし、走り方や投げ方など決まったルールなんてなくて、みんなで試行錯誤しながら作り上げていますよね。彼女もそんな中で走っていたので“魂先行”だなと。

もちろんスポーツ選手に近づくためには基本的な練習が必要だったので練習もしましたが、スキルやテクニックではない、魂だけで乗り切るというような部分はダンスと同じように感じました。

――今回は作中でも少しだけ踊りを披露されていますよね。

ゆったりとした振付なのですが、リハーサルの時に「一回これキレキレに踊ってみたいな」って思って、本気でやったんですよ。

そしたらみんな爆笑しちゃって、やっぱりこれ違うやつなんだなって(笑)。

気持ちよく、晴れやかにという感じで踊りました。

誰かの肩に寄りかかることができるんだ

人見絹枝役の菅原小春
撮影=島本絵梨佳

――菅原さんご自身は体育や運動は得意なんですか?

不得意です!

でも私自身はできる気でいるので、できるって思っているのにクスクス笑われていて、もしかしたらすごく格好悪いんじゃないかと思って…。それである一定の時期から集中して練習しました。

コツは“音”でしょうか。ダンスをしている時と同じ感覚なのですが、テニスも走る時も“音”があるんです。

波に乗るところが分かるので、「ここか」と思ったら楽しくなってきて余裕が生まれましたね。

――第26回ではオリンピアンとしてや女性としての葛藤も描かれていますが、それと同時に金栗四三(中村勘九郎)や二階堂トクヨ(寺島しのぶ)と出会うことによって孤独だった人見さんが居場所を見つけていくという姿も描かれていますよね。そういった面で共感した部分はありますか?

ありました。自分って孤独だなって感じて、それで自暴自棄になることもあって…。

海外から帰ってくると孤独に襲われて、お風呂につかりながら泣いたりするんですよ。

「なんでこんなに疲れなきゃいけないんだ!」って疲れすぎて涙が出てくるんです。

自分で振付をして自分で踊るっていうのは結構大変なことなのですが、それをやりすぎて一人で自分を勝手にストイックに追い込んでしまうこともあって。

でも最近共作をしている中で、「あ、なんだ、頼ればいいんだ」って気づきました。

例えば「パプリカ」という曲をダンサーの辻本知彦さんと一緒に振付しているのですが、「これは辻本さんがやった方がいいから私はこっちをやろう」とか思えるし、仲間がいるってこんなに温かいんだ、話しかけたら笑いが起きるんだって思ったんです。

それは人見さんの人生を演じていても感じたし、ドラマを作るという過程でも感じました。

現場に行ったら自分だけで戦わなくてもいいんだ、誰かの肩に寄りかかることができるんだ、と思えましたね。

“魂”があるということに気づいてもいいんじゃないか

人見絹枝を熱演した菅原小春
撮影=島本絵梨佳

――今回、他の役者さんたちも熱のこもった演技をされていましたが、皆さんの演技を見ていてダンサーとして感じたことなどはありますか?

去年あたりにダンスに関しては節目を感じてしまったんです。

「ここまで来たらもう踊り切ることはないな、この状態で踊っていても自分にいいバイブスが流れないな」と思ってしまって。

そんな時にこの「いだてん―」のお話をいただいたんです。

そしてお芝居をしたことで私がいずれやってみたいなと思ったのは、“ダンサーだからこうやって体が動く”というのではなく、そこにいるだけで成り立ってしまう、動かないのにこの人ダンサーだなって分かるような作品をできたらいいなって。

一つ一つの細胞を駆使して踊るのとはまた違い、ステージに立った時に一点を見つめるだけで、照明が当たって右に顔を向けただけで、それだけで「ダンサーだな」と分かるような感覚ってあるじゃないですか。

演技もダンスも動きだけでなく、「自分がこうやって表現をしたい」というものを見せるという点が通じていると感じました。

――最後に読者の方へメッセージをお願いします。

私と同じ世代の人たちや、それより若い人たちが自分の中に“魂”があるということに気づいてもいいんじゃないかと思っていて。“人見絹枝”の人生から、少しでもそのことが伝わるとうれしいです。(ザテレビジョン)

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