1. トップ
  2. ファッション
  3. 英王室の洗礼式に欠かせない、洗礼服の歴史

英王室の洗礼式に欠かせない、洗礼服の歴史

  • 2019.7.8
  • 18338 views

今週末に洗礼を受ける、ハリー王子とメーガン妃の息子、アーチー・ハリソン。ほぼ間違いないのは、彼がいとこのジョージやシャーロット、ルイやミアと同じ洗礼式用のガウンを着るということ。この洗礼服はロイヤルファミリーに属するもので、長い歴史を持っているのだとか。

ホニトンレースでできたこの洗礼服は、ヴィクトリア女王が、第一子である娘のヴィクトリア・アデレード・メアリー・ルイーザのために特注したガウンのレプリカ。ちなみに、小さなヴィクトリア王女がバッキンガム宮殿で洗礼を受けたのは1841年、両親の一年目の結婚記念日のことでした。

 

そもそも、この洗礼服のデザインにヒントを与えたのは、白いシルクにハンドメイドのレースが重ねられたヴィクトリア王女のウエディング・ドレス。そして、実際に洗礼服を作ったのは、スコットランドのファルカークに住む炭坑夫の娘、ジャネット・サザーランドさんだったのだとか。これに関しては、ヴィクトリア女王も「アルバート&私は、すべてが美しく&威厳のあるかたちで進行したということで意見が一致した」と日記に綴っていたそう。

以来、実に163年間で62人のロイヤルベビーに着用されてきたこの洗礼服。ヴィクトリア女王とアルバート王配の長男であるエドワード7世を始め、ジョージ5世、エドワード8世、ジョージ6世、そしてエリザベス女王の5人の君主の他、チャールズ皇太子、ウィリアム王子、ハリー王子もこれを着て洗礼を受けたとのこと。

 

ヴィクトリア女王と将来のエドワード8世

▲後にエドワード7世となる息子のバーティー、後にジョージ5世となる孫、そして後にエドワード8世となるひ孫とともにポーズをとるヴィクトリア女王(1894年のひ孫の洗礼式の日に撮影)。

 

1926年の洗礼式の際のエリザベス女王

▲赤ちゃんのエリザベス王女とその両親であるヨーク公爵夫妻。

 

1948年のチャールズ皇太子の洗礼式

▲チャールズ皇太子を抱く母親のエリザベス女王、祖父のジョージ6世、曾祖母のメアリー王妃。

 

1984年のハリー王子の洗礼式

▲ハリー王子を抱くダイアナ妃と、曾祖母のクイーンマザー、祖母のエリザベス女王、父親のチャールズ皇太子。

 

1990年のユージェニー王女の洗礼式

▲ユーユージェニー王女を抱くヨーク公爵夫人セーラと、父親のアンドルー王子、ザラ・フィリップス、ハリー王子。

この洗礼服は長年大切に手入れされているそうで、セレモニーで使用した後は、湧き水で手洗いし、暗い部屋で保管することが慣習となっているそう。 

最後にオリジナルの洗礼服を着たのは、エドワード王子とウェセックス伯爵夫人ソフィーの娘のレディ・ルイーズ・ウィンザーで、2004年のこと。その後、このガウンが引退のときを迎えたと判断したエリザベス女王が、自身のパーソナルスタイリストであるアンジェラ・ケリーさんに頼んでレプリカを作ってもらったのだとか。

そこで、ケリーさんはイギリスとイタリアの職人たちと緊密に連絡を取り合い、できるだけオリジナルに近いものを作成。万一双子が生まれたときのために、もう一着分の材料も用意していたとのこと。

最初に新しい洗礼服を着たのは、最後にオリジナルの洗礼服を着たレディ・ルイーズの弟であるセヴァーン子爵ジェームズで、2008年のこと。以来、アン王女の息子のピーター・フィリップスの娘のサバンナとアイラ、フレデリック・ウィンザー卿の娘のモード(ジョージ王子と同じ学校に通う)、アン王女の娘のザラ・ティンダルの娘のレイナとミーア、そしてもちろん、ジョージ王子とシャーロット王女、ルイ王子もこのガウンを着用してきました。

▲2013年のジョージ王子の洗礼式

翻訳/mayuko akimoto Photo Getty Images From TOWN&COUNTRY

元記事で読む
の記事をもっとみる