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藤原竜也と窪田正孝が『Diner』での共演を語る「竜也さんは“藤原竜也”という一つの俳優像を確立されている」

  • 2019.7.4
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蜷川実花監督のハイテンションな野心作『Diner ダイナー』(7月5日公開)で共演した藤原竜也と窪田正孝。シェフも客もすべてが殺し屋という破天荒な設定の本作で、2人はエキセントリックな役柄を熱演している。蜷川組での過酷な撮影秘話と、蜷川実花監督作の魅力を語ってもらった。

【写真を見る】揃いのポーズで鏡越しに見つめ合う、藤原竜也と窪田正孝<写真11点>

藤原竜也と窪田正孝が『Diner』で共演
撮影/黒羽政士

「実花さんから『俳優側も一筋縄ではいかないぞ』と提示されます」(藤原)

藤原が演じたのは、殺し屋専用の食堂「ダイナー」に“王”として君臨する孤高のシェフ、ボンベロ役。ヒロインのオオバカナコ役を玉城ティナが、常連客でスフレを食べるのを生きがいにしているスキン役を窪田が演じた。藤原は脚本を読んだ時「ボンベロとかスキンとか、一体これはどこの国の話なんだろう!?」と戸惑いを覚えたそうだ。

「そこから実花さんと『僕たちが思っている以上のテンションで演じてみたらどうなるのか?』ということを話し合いました。それで、実花さんから『ノーマルなシーン、過剰なシーン、弱いシーン、歌い上げるシーンなどを、なんパターンか撮ってみて、どれがハマるのか試してもいい?』と提案されたので、それはおもしろいかも、と思いました。役の幅を広げてもらえたことがとても良かったです」。

元殺し屋で天才シェフのボンベロ(藤原竜也)
[c]2019「Diner ダイナー」製作委員会

窪田は全身が凄まじい傷跡だらけのスキン役ということで、特殊メイクで顔を作り込んだ。「できあがったビジュアルはすごくブラックで、ウルフっぽい感じになりました。でも、スキンという役の方向性がなんとなく決まったのは、竜也さんやティナちゃんがスタジオに入り、ダイナーの世界観を見てからです」。実際に本作の舞台となるダイナーは、横尾忠則が装飾美術を手掛けていて、とてもアーティスティックだ。

ボンベロが作るスフレを食べることを生きがいにしているスキン(窪田正孝)
[c]2019「Diner ダイナー」製作委員会

奇想天外な作風で知られる蜷川監督だが、特に本作で特筆すべき点は華麗でド派手なアクションシーンだと藤原は言う。「今回、アクションが大変なので、けっこうな準備期間をとってもらったんです。ところが2週間くらい続くアクションシーンの撮影に入った時、なぜか予想外に1日中雨を降らせたり、それにプラスして花を撒いたりと、さらに大変な撮影になって(苦笑)。きっと実花さんが、映画の世界観を示しつつ、『俳優側も一筋縄ではいかないぞ』と提示されたのではないかと。そこが実花さんのすごさです」。

藤原は「そういう部分がカッコいいし、おもしろい。なるほど、こう来たか!」と現場で蜷川監督とのセッションを楽しんだよう。「普通ではありえないところで花を散らし、雨も降らす。撮影中は『これってどうなっているんだろう!?』と思いながら演じていました。最後の殺陣では、僕らの動きを通常の映像とそれを逆回転した映像を重ねているんです。だから、雨だけが下から上に上がっていきますが、その発想がすごいし、できあがった画は本当に力強くて美しかったです」。

「大変といっても、竜也さんの大変さとは全然レベルが違う!」(窪田)

藤原竜也たちが挑んだ花が舞い散るなかでの殺陣が圧巻!
[c]2019「Diner ダイナー」製作委員会

藤原との共演シーンが多かったという窪田は「僕はお2人が作り上げていくものを横から見ながら、そこに乗っかっていく作業という感じもしました」と、かなり刺激を受けたようだ。

「蜷川監督は、映像にすごくこだわりがあるし、色彩などは現実とは違うズレや違和感を敢えてねらっていくんだろうなと。確かにセットがすごくて『こんなすごいセットを用意しました。あなたはどれだけできますか?』と言われている気がしました」。

一番大変だったシーンについて聞くと、窪田が「大変といっても、竜也さんの大変さとは全然レベルが違う」と恐縮すれば、藤原が「いやいや、大変だったじゃない」と窪田をねぎらう。「窪田くんがスフレを何度も食べてくれていて、本当に申し訳なかったし、ありがとうとも思っていたから。また、窪田くんが先に撮ったあと、僕が夕方くらいから入るというシーンの撮影がすごくて。横尾忠則大先生のセットが見事に壊されていてびっくりしました。あの豪華なセットをここまでやったかと(苦笑)」。

藤原は「大変だったと思います。僕は現場にいなかったけど、あとから映像を見るだけでわかりました。あれは見事でした」と窪田を心から称える。

窪田は「マシンガンを撃ったのは初めてでした」とうれしそうだ。「仕込んでいた火薬が爆発するのに合わせて発砲するという微調整が必要でしたが、冷静さを欠くとタイミングがずれてしまう。そういう物理的な部分は確かに大変でした」。

「師という設定で、蜷川さんの写真がダイナーに飾ってある。それはとても感慨深かった」(藤原)

『Diner ダイナー』は7月5日(金)より全国公開
[c]2019「Diner ダイナー」製作委員会

ボンベロたち殺し屋を束ねる組織のトップ、デルモニコとして、写真で出演しているのは、蜷川実花監督の亡き父にして、藤原の師でもある演出家の蜷川幸雄だ。ボンベロがデルモニコの写真を見て「俺を見つけて育ててくれた」という台詞もあり、藤原は「とても意味深いシーン」だと感じたそうだ。「今回実花さんと縁があって、こういう映画を撮らせてもらい、師という設定で、蜷川さんの写真がダイナーに飾ってあるんですから、それはとても感慨深かったです」。

また、藤原と窪田にはいくつかの共通点がある。窪田も蜷川幸雄の舞台「唐版 滝の白糸」を踏んでいるし、2人とも身体能力がすばらしく、演技だけではなくアクションにも定評がある。ちなみに、藤原は大河ドラマ「新選組!」で、窪田は舞台「薄桜鬼 新選組炎舞録」で沖田総司役を演じているが、キレのある殺陣をこなせることはもちろん、美しい風貌と汚れなき無垢な少年らしさも兼ね備えた俳優でしか務まらない役どころだ。

命がゴミのように扱われる殺し屋専用のダイナー
[c]2019「Diner ダイナー」製作委員会

窪田は藤原のことを心から尊敬している。「竜也さんは役に対してすごく真摯に向き合う方で、そこはボンベロともつながる感じがします。本当にいろんな役をされている大先輩ですが、芯がぶれない方です。例えば僕だと、自分が知らない間に役の芯がずれていくことがあるんですが、竜也さんはそれがない。“藤原竜也”という一つの俳優像を確立されている。だから本当に憧れが強いです」。

言うまでもなく、トップランナーである藤原竜也と窪田正孝。2人が蜷川実花監督の下、実におもしろい化学反応を見せてくれている『Diner ダイナー』を、ぜひ大スクリーンで堪能してほしい。(Movie Walker・取材・文/山崎 伸子)

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