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【水仙(スイセン)の花言葉】ギリシャ神話が関係する花の意味を解説

  • 2019.6.27
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水仙(スイセン)の花言葉をご紹介!

水仙(スイセン)は、春に咲く割とポピュラーな花なので、まったくご存じないという方の方が珍しいのではないでしょうか。

早春、鮮やかな花を咲かせ、甘く爽やかな芳香を漂わせながら、まだ肌寒い風の中に凛と立ち並ぶ水仙の姿は、希望に燃える若者のようで目をひかれますね。

庭を明るく彩り、心を浮き立たせてくれる水仙の更なる魅力と、花言葉を詳しくリサーチしました。

水仙について

水仙の基本情報

水仙(スイセン)は英名でダファディル(Daffodil)、学名をナルキッソス(Narcissus)といい、ヒガンバナ科のスイセン属に分類される植物です。

チューリップやヒヤシンスと同じような球根植物で、一度根付くと自生して年々増えてゆく多年草。

そのため、野生化した水仙の群生地もあり、福井県の越前海岸に広がる群落や兵庫県の灘黒岩水仙郷などが有名です。

水仙の花の色と形

水仙の花はメインの黄色をはじめ、白やオレンジ色がメジャーで、その他にピンクや緑、褐色などの花色があります。

ベーシックな花の形は6枚の花被片の中央にラッパのような副冠からなるもので、他に八重咲、房咲きなどいろいろな形があります。

水仙の開花時期

水仙の開花時期は種類によって異なります。

ポピュラーなラッパ水仙などは3月から4月にかけてが開花時期です。

最も早く花を咲かせるものは11月下旬頃から咲き、最も遅く咲くものは口紅水仙などで5月頃に咲きます。

水仙の種類

水仙の原種は30種類余りですが、長い年月に改良が重ねられ、2万以上もの品種があります。

英国王立園芸協会に登録されているだけでも1万以上あり、原種の他に、ポピュラーなラッパ水仙や八重咲水仙など12系統に分類されています。

水仙の歴史

水仙は古くからヨーロッパで愛され栽培されてきました。紀元前800年のホメロスの詩にも登場し、ギリシア神話のモチーフにもなっています。

水仙の花言葉はその神話が元になっているんですよ。日本には平安末期に中国から入ってきたと言われています。

水仙の名前の由来

和名「水仙」の由来

水仙は中国から日本に伝えられたため、漢名の水仙がそのまま和名となり、「スイセン」と音読みしています。

漢名の由来は中国の古典「仙人は、天にあるものは天仙、地にあるものは地仙、水にあるものは水仙」という詩から。

和名にはさらに「雪中花」、「雅客」などの別名もあります。

英語名「Daffodil」の由来

英語で水仙は「Daffodil(ダファディル)」といいます。

この語源はオランダ語の「affodil( アスフォデル)」からで、これはギリシア語でユリ科の多年草植物の種を表す「asphodelos(アスフォデル)」から来ています。

学名「Narcissus」の由来

学名「Narcissus(ナルキッソス)」はギリシア神話に登場する美少年の名前が由来とされていますが、もともとの語源は「麻痺させる」という意味のギリシア語「narke(ナルケー)」からきています。

水仙の球根にある成分に催眠作用があるためです。

ギリシア神話の美少年の名が花の名として付けられたというより、先に花の名前があって、その花にまつわる逸話として神話が生まれたのではないでしょうか。

「Narcissus(ナルキッソス)」は神話のエピソードにより「ナルシスト」の語源になり、花言葉の1つも「自己愛」となっています。

水仙の特徴

花の特徴

6枚の花弁に見えますが、実はこのうち内側の3枚だけが花弁で、外側の3枚は萼にあたります。

中央の副花冠は品種によって形状がいろいろで、ラッパ状のものをはじめ、カップ状、筒状、花弁状と多様です。

香りがある

品種によっては香りのないものもありますが、たいていの水仙はとても良い香りがして香水の材料にもなっています。

香りの種類はいろいろありますが、日本水仙などは、ジャスミンやヒヤシンスに似た爽やかな甘い香りです。

毒がある

水仙は全種類が有毒で、特に球根(鱗茎)部分に毒の成分が集まっています。

毒による症状は食中毒と接触性皮膚炎で、取り扱いには注意が必要です。ニラや浅葱(あさつき)と間違えて食べるという事故例があります。

育てやすさ

水仙は地植えでも鉢植えでも育てることができる比較的育てやすい植物です。

寒さに強く、病害虫の発生も少なく、環境が合えば自然に増える上、きれいな花を毎年咲かせます。ポイントは水はけのよい土に植えること。

水仙の花言葉

水仙全体の花言葉

長く鑑賞花として愛されてきた水仙には全体の花言葉と、種類別の花言葉、色別の花言葉があります。

良い香りがして美しい花を咲かせる水仙ですが、全体の花言葉は「自己愛」「うぬぼれ」「自尊心」。なので水仙を贈り物にする時には注意が必要です。

「希望」という花言葉

少し残念な花言葉を先にご紹介しましたが、ポジティブで素敵な意味の花言葉も水仙にはあります。

それは「希望」という花言葉。早春に輝くように咲き誇る水仙はまさに「希望」のシンボルのような花ですよね。

ギリシア神話と水仙

水仙全体の花言葉「自己愛」「うぬぼれ」「自尊心」は、ギリシア神話に由来があります。

ナルキッソスという美少年がいて、その美しさ故にとてももてていました。

ある時、エコーという森の妖精もナルキッソスに恋をしますが、エコーは呪いによって相手の言葉を繰り返すことしかできず、ナルキッソスに手ひどく振られます。

それを見ていた復習の女神ネメシスが、ナルキッソスに呪いをかけ、ナルキッソスが自分自身しか愛せないようにしたのです。

そして、ナルキッソスは水面に映った自分の姿に恋をし死んでしまいます。

その跡に咲いたのが一輪の白い水仙だったというお話から花言葉が生まれました。英語の「ナルシスト」という言葉もこのエピソードから来ています。

西洋での水仙の花言葉

全体の花言葉に近い「自己愛」「自己中心」という意味の他に、「報われぬ恋」というものもあります。

これも、ギリシア神話のエピソードから来ている花言葉だと推察されます。

花言葉としては少し怖いというか、哀しい意味なので、ちょっぴり残念ですね。でも、同時に「希望」という花言葉もあります。

水仙の色別の花言葉

黄色い水仙の花言葉

水仙には色別にも花言葉があります。黄色い水仙の花言葉は「もう1度愛してほしい」「私のもとに帰って」という意味。

この花言葉もギリシア神話の中の「豊穣の女神デーメーテールが拉致された最愛の娘ペルセポネを奪還する」というエピソードによるものです。

白い水仙の花言葉

白い水仙の花言葉は「神秘」「尊敬」。さらに日本では白の水仙が希望の象徴とされています。

白という色が神秘的で無垢な美しさをたたえているからではないでしょうか。

また、寒さに負けず、凛とたたずむ姿には尊敬の念がわきますよね。

水仙の種類別の花言葉

ラッパ水仙の花言葉

水仙は色別の他に種類別の花言葉も存在します。

代表的な水仙としてポピュラーなラッパ水仙は「尊敬」「報われぬ恋」という意味の花言葉になります。

ラッパ状の花冠が立派で尊敬に値すると考えられているようです。

また、特に黄色のラッパ水仙は特別の花言葉を持っていて、「心遣い」「あなたを待つ」「自尊」「持って生まれた素質」という意味があります。

口紅水仙の花言葉

口紅水仙は白い花弁の中に濃い色の花冠が付く水仙で、名前のようにまるで口紅を付けている女性の顔のようなお花です。

そんな口紅水仙の花言葉は「すてきな装い」「詩人の心」「神秘」。

華やかでありながら無邪気に咲く口紅水仙はおしゃれで、まさに「すてきな装い」に見えますね。

その他の種類の花言葉

日本水仙の花言葉は「自己愛」「神秘」。全体の花言葉と白い花言葉を足して2で割ったような意味ですね。

八重咲水仙は「田舎の幸福」、房咲水仙には「思い出、記念」という花言葉があります。種類ごとに花言葉を持っている水仙は、とても広く深く人々に愛されている花と言うことですね。

水仙の花言葉まとめ

水仙の花言葉や水仙にまつわる基本情報・トリビアをご紹介しました。

春先、雪解けを喜んでいるかのように無邪気に咲き並ぶ無垢な水仙の花を見ると、心が和みますね。

そんなチャーミングな姿とは裏腹に少し怖い花言葉もある水仙ですが、あまり気にせずに、ぜひポジティブな「希望」という花言葉とともに水仙の花を楽しんでください。

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