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【望月ミネタロウ『ちいさこべえ』×菊池亜希子ムック『マッシュ』発売記念】緊急座談会(1)ふたりが語る制作秘話

  • 2015.3.23
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望月ミネタロウ先生の最新刊『ちいさこべえ』(第4集、完結)が3月30日に、菊池亜希子さんが編集長を務める雑誌『菊池亜希子ムック マッシュ Vol.7』が3月24日に発売決定! それを記念して、漫画家×女優の異色(!?)な座談会が開かれました。初顔合わせの第1回は、人見知りという望月先生が、『菊池亜希子ムック マッシュ』を見つめながら、少し照れくさそうに、しかし真剣に感じたことを話してくださいました!

本を読み合う望月ミネタロウ先生と菊池亜希子さん

 


望月ミネタロウ先生(以下、望月) 菊池さんは自分から『マッシュ』を作りたいと言ったの?


菊池亜希子さん(以下、菊池) 以前『PS』という雑誌で連載を持っていて、その雑誌が休刊になってしまったときに、編集長が「雑誌を作ってみない?」と言ってくださったのがきっかけです。「書籍じゃなくて雑誌なんだ!」と驚きました。それから3年半ほど経ちますが、この本には私の日々のすべてが詰まっています。突然なんですけど、私、モーニング娘。の『What is LOVE?』(作詞・作曲/つんく♂)という曲が好きなんです。この中の “たったひとりを納得させられないで 世界中 口説けるの”という意味の歌詞が特に好きで……この曲を聴くと、私が作っている『マッシュ』も多くの人に向けて作っているけれど、今、目の前で一緒に作っている人たちを納得させられないで、読者のみなさんに伝わるものはできない!と、やる気が出るんです。


望月 読者はどういう子たちが多いんですか?


菊池 世代はバラバラです。でも、真っすぐに雑誌を受け取ってくれている人が多いような気がします。私自身、雑誌で育ってきたからわかるんですが、たくさん写真がある中で、なぜかたった一枚の写真に影響されることがあると思うんです。『マッシュ』は、そういう写真を載せたい、そういうページを作りたいと常々思っています。作られた世界だけど、その中に“本当”のことが写し出されていてほしい。“本当”って人によって捉え方が違うし、どういうことなのかはずっと模索していますが、そのときのその瞬間が正直に切り取られているといいなと思います。


望月 最初に『マッシュ』を見たとき、単純にかわいいなとかキレイだなと思ったのですが、中を見たら、大福の特集とか渋いですよね。でも、僕みたいなおじさんが本屋で『マッシュ』を読んでいたら……嫌ですよね。


菊池 とんでもないです。本屋さんでそんな方を見かけたら、お眼鏡にかなった! と思います(笑)。両親がフォーク世代で、小さいころから染みるようにフォークソングを聴いてきたせいもあって、年がかなり上の方の横にいるほうがしっくりくるんです。若い男の子の横にいるよりも、おさまりがいいように出来ています。


望月 じゃあ次の表紙は、おじさんとかどうですかね?(笑)


菊池 それ、いいですね! テーマ「おじさん」みたいな。


望月 レトロな服も菊池さんが着るとシンプルに見えるんですね。浮ついたものにならない、そこがすごい。雑誌もとても丁寧に作っているのが伝わります。


菊池 形に残るから最後まで諦められなくて、ギリギリで大直しをしてしまうこともあるんです。一緒に作っている人たちは……きっと大変です。


望月 僕も、締め切りは守れない……です(笑)。単行本化にあたって加筆修正もします。そんなに多くないですけどね。


編集部スタッフ 先生は、ほぼ直します……(小声)。

 

 


菊池 先生は漫画を描く作業の中でどの行程が好きですか?


望月 ネーム(※1)は苦手ですね。絵を描くのは、遊びに等しいくらい楽しいです。今は後半の作業をパソコンでやっていますけど、ペン入れした原稿をスキャンして、さらにパソコンでペン入れをして、昔スクリーントーンを貼ると言われていた作業をして、最後にホワイトというはみ出した線などを消す作業があるんですが……、そこが大好きです。


菊池 (爆笑)アシスタントさんにやってもらわないんですか?


望月 いや、自分でやります。


菊池 私は、ページごとの絵コンテを書き、スタッフを集めて写真を撮る。この写真が出そろったときがいちばん興奮します! ページの中にどういうふうに写真を配置して、どんな書体の文字を入れようなどと、あれこれ想像しているときが最高に楽しい。本当はその作業に細かく支持を出さず、プロのデザイナーさんにまるっとパスをしたほうが、いいものができることもあるんですよね。でも、やりたくなる……。


望月 僕もまったく同じですね。だから装丁も自分でやっています。自分のクリエイティビティには限界があって、違う他人がぽこっと入ったほうが、今回の『マッシュ』のテーマ“かける”みたいに、新しいものができあがるのはわかっているんですけどね。


菊池 いつも葛藤していて、手放しどころを悩んでいます。


望月 真面目で正直者なんですよ。


菊池 『ちいさこべえ』を読んで、一人前ってどういうことだろうと考えていたんです。でも4巻を読ませていただいて……目からウロコでした。私自身は、まだ全然一人前になれている気がしないですけど。


望月 一人前は、物事に責任をとれる人とか、責任をとる覚悟がある人のことだと思います。だから、菊池さんは一人前ですよ! 『マッシュ』にも責任編集って書いてあるくらいですから(笑)。

【注釈】 ※1 漫画を描くときに、コマごとの構図やセリフ、キャラクターの配置などを大まかに描き表す作業。

 

第2回へとつづく。

菊池さんのこだわりがたっぷり詰まった『菊池亜希子ムック マッシュVol.7』が、いよいよ明日発売!ぜひ、チェックしてみてくださいね。次回は、10代のころから望月作品のファンという菊池さんに、最新刊『ちいさこべえ』について語っていただきます! お楽しみに!(西村真樹)

 

『菊池亜希子ムック マッシュ』

女優・モデルの菊池亜希子が編集長を務める大人気ムックシリーズ。“かける”がテーマの第7弾は、3月24日発売。“スニーカーで、かけぬける”“なぞかけファッション”“耳にかけるマッシュ”“椅子に腰かけた日”など独自のセンスでおしゃれや暮らし、カルチャーなどをかけ合わせます!

★詳しくはコチラ→ 小学館公式サイト

 

『ちいさこべえ』

山本周五郎の名作時代小説『ちいさこべ』を現代版に新解釈した意欲作。最終巻4集は、3月30日発売。〜火事で実家の工務店“大留”が焼け両親を亡くした主人公 茂次は「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だ」という父・留造の言葉を胸に大留再建を誓う。そこへ、身寄りのないヒロインのりつや、行き場を失った福祉施設の子供達が転がり込んできて〜

★詳しくはコチラ→ 小学館公式サイト

★『ちいさこべえ』の作品情報はコチラ→スピネット

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