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誤解だらけの伝え方「残念な1文字、好印象の1文字」【一言で人間関係はガラッと変わる!「大人の伝え方ノート」 第1回】

  • 2019.6.25
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PTAやママ友、子どもの習い事や地域のおつき合い…。ママにもさまざまなおつき合いがあります。

学生時代の友だちとは異なり、年齢や過ごしてきた環境もさまざまな人の中で、できるだけ気持ちよくおつき合いをするヒントは、ちょっとした会話や言葉づかいにあるのです。

『ひと言で「人間関係」はガラッと変わる! 大人の伝え方ノート』(SBクリエイティブ)の著者であり、長崎大学准教授の矢野香さんに、ママのおつき合いをスムーズにする「話し方」のコツをうかがいます!


お話をうかがったのは…

矢野香(やの・かおり)さん

元NHKキャスター、現在は国立大学法人長崎大学准教授、スピーチコンサルタント。専門は、心理学、スピーチ・コミュニケーション論。著書に『その話し方では軽すぎます!-エグゼクティブが鍛えている「人前で話す技法」』(すばる舎)『【NHK式+心理学】一分で一生の信頼を勝ち取る方法-NHK式7つのルール-』(ダイヤモンド社)など、ベストセラー多数。




■ひらがな1文字で分かれる、「残念な人」と「友だちになりたい人」



――ママのコミュニケーションで、知らずにやってしまいがちな「あるある」失敗とはどんなものでしょう?

矢野香さん(以下、矢野さん):本人はきちんと話しているつもりなのでしょうが、聞いているこちらが「ん?」と思ってしまうような…そんな話し方ってありますよね。

たとえば、そこまで親しくないママ友たちと、みんなでお茶を飲みにお店に入ったとしましょう。メニューを決めるときに「私はコーヒー『が』いいです」と「私はコーヒー『で』いいです」と言う人。どちらが良い印象ですか?

――うーん、「コーヒーがいいです」のほうが、なんとなく素直に聞こえます。

矢野さん:そうですよね。「コーヒー『で』いいです」では、なんだか「なんでもいいけど、とりあえずそれでいいかな」といった、おざなりな印象があります。

対して「コーヒー『が』いいです」はきちんと自分で考えて決めたという意志や積極性が感じられますよね。

たった1文字のちがいなのですが、意外と相手に与える印象は大きく、相手も知らないうちに「この人は、こういう人なんだな」と思っていくものなのです。

――「まずい、言っていたかも…」とドキッとした人は多いかもしれません。




矢野さん:何気なく発しているひと言は、本人は全然気にしていないかもしれませんが、聞いている側の印象には残りますよね。

その場ではお互い気にせず聞き流したとしても、相手の心には知らないうちにインプットされているかも…そう考えると、大きな1文字です。

また、どこかにみんなで集まることになった時。「行『け』ますか?」という聞き方と、「行『き』ますか?」とでは、どちらが良いでしょう?

おすすめは「行『け』ますか?」です。

「行『け』ますか?」は、行けるか行けないかの“可能性”を確認していますよね。相手の都合を思いやった聞き方です。

でも、「行『き』ますか?」では、行くのか行かないのかの“意志”を暗に確認しているんです。ですから、ちょっと強制されているような、威圧感が感じられるんですね。

「行きますか?」と聞かれたら「行けません」と断りづらいもの。しかし、「行けますか?」なら「今回は行けないんです。すみません」と断りやすいですよね。

こんなふうに、たった1文字で相手に与える“気遣い”の印象が変わってきます。そこから「この人、なんだか感じがいい人だな」と思ってもらうことができる。おつき合いのすべてに使える、ちょっとしたコツですよ!






■人間関係に角が立つ! 語尾の「余計な1文字」




――わかりやすい! ちょっと意識するだけで、相手への印象が変わりますね。

矢野さん:そうなんです。相手に自分をよく見せようとするのではなく、日ごろから「こう言ったら相手はどう思うか」を意識すれば、自然と言葉の選び方がブラッシュアップされてくるんですね。

もうひとつ、残念な話し方をご紹介しましょう。これも、ついやってしまいがちな例です。

会話で相手の印象に残りやすいのは、「語尾」なんです。余韻として残るんですね。

たとえば「はい、そうで『す』というべきところを、「はい、そうです『が』…」と、語尾に1文字プラスしてしまう言い方。これを“言いさし”と呼びます。

――いるいる! そういう話し方をする人は多く見かけますよね。

矢野さん:もし心当たりがあるなら、今すぐやめることをおすすめします。

最後まで言い切らない表現は、相手に「なにか不満でも?」と思われる危険性が高いのです。言いさしは使わず、語尾や文末を明確に伝えれば、相手が余計なモヤモヤを抱くこともありません。

基本は、短い文で結論を伝えることを意識しましょう。たとえば、子どもの学校関係で、なにか委員を決めるとき。「じゃあ、私がやってもいいです『が』…」ではなく「じゃあ、私がやってもいいで『す』」で、スッキリ。これなら、聞いている側も気持ちよく「ありがとう!」と言えますよね。

ただ、言いさしも使い方次第では良い効果もあります。ときには、言い切らないことで控えめな態度を表す効果もあるのです。

たとえば、どこかに遅れそうなときを想像してみてください。「少々遅れます」と「少々遅れそうでして…」とでは、後者の方が謙虚さが感じられますよね。

相手に迷惑をかけそうなのに「少々遅れます」と言い切ってしまうと、「なに開き直ってるの?」という印象を相手に与えかねません。でも「少々遅れそうでして…」と語尾をあえて濁すことで「申し訳ありませんが…」という気持ちを醸し出すことができます。

これは上級テクニック。言いづらいことを言わなくてはならないときに、相手に与える印象をコントロールすることができます。

日常、何気なく話している言葉ですが、相手の心に与える影響は想像以上。とくに、「友達未満」の関係には気を遣いたいものです。

ほんの1、2文字ですが、ここに気を配れる人は、きっとママ友関係もスムーズにこなせるでしょう。

自分も相手ももっと心地よくなれるなら、ふだんの言葉づかいをちょっと振り返ってみませんか?

次回は、ママの「伝え方」についてお話をうかがいます!

参考図書:
『ひと言で「人間関係」はガラッと変わる! 大人の伝え方ノート』
(SBクリエイティブ)


元NHKのキャスターであり、スピーチコンサルタント、コミュニケーションに関わる心理学の研究者として活躍中の著者が、「人に好かれる」伝え方のコツを伝授。ビジネスはもちろん、ママ社会にも役立つ目からうろこのテクニックが満載の一冊。


(みやけやま)

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