1. トップ
  2. 齊藤工 活動寫眞館・弐拾肆 白濱亜嵐。

齊藤工 活動寫眞館・弐拾肆 白濱亜嵐。

  • 2019.6.20
  • 1514 views

俳優、斎藤工。そして、映画監督、齊藤工。表舞台であらゆる「人物」を演じ、裏方にまわり物語をクリエイトしていく。齊藤工がいま見つめるものとは、何か。彼自身がシャッターを切り、選び出す。モノクロームの世界に広がる、「生きた時間」を公開していきます。今回は、ダンサー・俳優・DJなど幅広く活躍する白濱亜嵐が登場。

初めて、ピンスポットライトを使って撮影をしたい、と齊藤から連絡が入った。

今回の被写体は、白濱亜嵐。互いの多忙なスケジュールが奇跡的に合い、撮影が実現した。

「つい目で追ってしまう美しい人。モノクロの世界が似合うと確信していました」

場所は渋谷のスタジオ。白濱は白いTシャツに黒いパンツ、黒いジャケットを羽織って現れた。齊藤も黒を纏っている。シンプルな空間にモノトーンで身を包んだふたりが佇み、初めまして、と挨拶する。椅子に座った白濱にスポットライトが当たり、撮影が始まる。

強い光は深い影を作り、白濱の表情をはっきりと浮かび上がらせる。そのシャープなコントラストを目の当たりにして、見守るスタッフも皆、少し緊張した雰囲気になる。

「被写体と環境がいいので、シャッターを押すだけでした」と齊藤は謙遜するが、鋭い光に怯むことなく、真っ直ぐにカメラを見つめる白濱の表情をしっかりととらえていた。

スタジオに置いてあるピアノと一緒に、もう少し撮影を続けることになった。白濱は、「ちょうどいま曲を作っていて、よくピアノ弾いているんです」とうれしそうに話す。鍵盤に向かい、軽やかにメロディを奏でる白濱の斜め後ろから、齊藤は肩越しに撮影を始めた。

いつしか白濱はピアノと真剣に向き合い始めたかのような面持ちに。その様子をそっと見守りながら、齊藤は静かにシャッターを切り続ける。ピアノを挟んでのセッションは、先ほどとはまた違う、まるで絵画のような繊細なニュアンスを写していた。

madameFIGARO.jpで連載をしている姉のことを白濱に尋ねると、姉は独自の世界観を持っていて、自分よりもアーティスト肌だと話してくれた。家族のことを誇らしく思っているのが伝わってくる、眩しい笑顔だった。

映画で主演の方を撮るように撮影をしている、と白濱に語る齊藤。静止画だからいっそう物語が広がると言う。

「どう撮っても絵になる人。美しい造形にスポットを当てることで、どこか文学的な作品になったと思っています」

ステージで光と歓声を浴びながら圧巻のパフォーマンスを見せる白濱。齊藤が彼のために用意した「活動寫眞館」の舞台では、ドラマティックな“静”の物語を演じてみせた。

白濱亜嵐ALAN SHIRAHAMAEXILE、GENERATIONSのパフォーマー。日本テレビ系ドラマ「シュガーレス」でテレビドラマ初主演。映画『ひるなかの流星』(2017年)、『ウタモノガタリ -CINEMA FIGHTERS project-』の中の安藤桃子監督『アエイオウ』で主演を務め、フジテレビ系ドラマ『小説王』にも出演。DJとしても活動。7月〜9月にGENERATIONSのニューシングルが3カ月連続リリース。8月〜12月、GENERATIONS初の5大ドームツアー『少年クロニクル』を開催。https://m.tribe-m.jp/artist/index/37

takumi_saitoh_portrait180915.jpeg

TAKUMI SAITOH移動映画館プロジェクト「cinéma bird」主宰。監督作『blank13』(18年)が国内外の映画祭で8冠獲得。昨年12月、パリ・ルーヴルでのアート展『Salon des Beaux Arts 2018』にて写真作品『守破離』が銅賞を受賞。NHK大河ドラマ「いだてん」第2部に出演。企画・プロデュース・主演を務める『MANRIKI』が11月29日公開予定。www.b-b-h.jp/saitohtakumi

元記事で読む
の記事をもっとみる