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弘中綾香の「純度100%」~第4回~

  • 2019.6.14
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ひろなかあやか…勤務地、六本木。職業、アナウンサー。テレビという華やかな世界に身を置き、日々働きながら感じる喜怒哀楽の数々を、自分自身の言葉で書き綴る本連載。第4回は大好きな「アイドルちゃん」について。

「アイドルちゃんに生かされる」

先日、雑誌のインタビューを受けた。そこで「あなたにとってのヒーローはどんな人ですか?」という質問があった。私が答えに詰まっていると、インタビュアーさんが「憧れている人とか、将来こうなりたいと思っている先輩とか」「その人の本は絶対読んでいる、など無いですか?」と重ねて聞いてくれた。
私はそのとき、思いつかなかったわけではなくて、ある答えが浮かんでいたのだけれど、言うことが恥ずかしくて口ごもっていた。すると「無理に見つけなくて大丈夫ですよ」という編集の方のひと言で、その質問は無しになった。何だかそのときはちょっと安心したのだが、後になってちゃんと答えればよかったと申し訳なく思った。

言えなかった答え…私にとってのヒーローは、「アイドル」です。なぜそう正直にインタビューで答えられなかったかというと、「アイドルになりたかったけれどなれなかったから、アイドル的立ち位置を目指しているイタイアナウンサー」と思われそうで、まだ少しだけ残っている私の中の自意識がブレーキを踏んだのだ。あさましい人間でごめんなさい!

アイドルになりたい!のではなく、私は「アイドルに生かされている」側の人間だ。辛いとき、落ち込んだとき、ピンチのとき、いつも救ってくれるアイドルは私にとってヒーロー(私は女の子のアイドルが好きなので、厳密にいうとヒロイン)。
私は嫌なことがあると、YouTubeでアイドルちゃんたちの動画を漁る。動画が始まって、彼女たちと目が合った瞬間、「可愛い!」というトキメキがとてつもない重力を伴ってバンっとやってくる。その威力はすさまじく、疲れとかモヤモヤとか、色々な負の感情を一気に頭から吹っ飛ばしてくれる。見ている間、頭の中をずっと「可愛い」で埋め尽くしてくれる。「可愛い」以外、言葉が出てこない。何も浮かばない。見終わると、どこかすっきりした気分になって自分の中の感情がリセットされる。よく眠れる気がする。
何か話していても頭のどこかで違うことを考えていたり、本当は違うのになと思ってしまったり、頭の中がごちゃごちゃして、自分の中で目に見えない沢山の葛藤があるとき、それをうまく発散できればいいのだけど、結局どんどんと積もり積もって、疲れてしまう。だから、そんな色々をすごい勢いで掃除してくれる「アイドル」という存在は尊い。

では、弘中がいま一番よく見ているアイドルを発表します。

まずは「IZ*ONE」という日韓合同のオーディションから生まれたグループ。みんなとんでもなく可愛い上に、足が長くて顔が小さくて、同じ人間なのか?と疑うくらい、スタイルが良い。ダンスも長い手足を活かして魅せるのが上手い。また、さすがのK-POP、フォーメーションがくるくる変わるのでまったく飽きない。パフォーマンスのクオリティが高くて、本当にずっと見ていられる。

そして「乃木坂46」。「乃木坂らしさ」が曲、ダンス、衣装、PV、あらゆる面で細部まで行き届いているという、コンセプチュアルな美しさ。ひとりひとりももちろん素敵で輝いているんだけど、束になったときの破壊力ね。そして、ちょっと困ったような、でも瞳の奥に強い力があるっていう表情も素敵。乃木坂ちゃんにしか出せない「憂い」にやられています。

アイドルちゃんたちがどんな努力をして、どんな苦労をしてステージに立っているか、業界にいる身として少しだけわかっているつもり。私が思う「可愛い」だって、彼女たちの努力の上に生まれているものなのだ。動画を見終えるたびにすっきりした心で、私も頑張ろう!と思える。

これで明日も生きていける。

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Hanako 編集部

第3回「初体験」はこちらから
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(次回は6月28日更新予定)

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