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上司や友人、ネットにも!人間関係のモンスター対処法

  • 2019.6.12
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人間関係の悩みの中でも厄介なのが、あらゆる場面で登場する“モンスター”。モンスターペアレントやモンスター上司、モンスタークレーマーという言葉を聞いたことがありませんか? さらに<twitter>などで毒を吐きまくるSNSトロール(荒らし)など、ネット上にもモンスターは存在。そこでビジネスや人間関係のコミュニケーション学を指導する、戸田久実さんにモンスターの対処法を伺いました。今日からできるメソッドなのでモンスター出現の際には即活用してみて!

切れない関係だからこそ厄介なモンスター

職場や友人など、切るに切れない関係上で発生してしまったモンスター。むやみに事を荒立てたくはないものの、モンスター化した相手からは素早くフェイドアウトしたいものです。モンスターから攻撃されたときは怒りや悲しみ、やるせない感情が生まれます。

モンスターを対処し、自分の感情と上手に付き合うための鍵を握るのが、「アンガーマネージメント」や「アサーティブコミュニケーション」。前者は1970年代に生まれた、怒りとうまく付き合うための心理教育・心理トレーニングのこと。後者は相手も自分も大切にした、誠実で対等、率直な自己表現の方法論です。このふたつに精通している戸田さんが、コミュニケーションの4つのコツを教えてくれました。

1.自分が思っている以上に、他者は理解できない

「日本では昔から、あうんの呼吸や以心伝心など『言わなくても分かるよね』というコミュニケーションが存在します。でも、こうした気持ちから誤解が生まれて怒りが発生し、モンスターに変身してしまうことが多いのです」と戸田さん。

「学生時代は比較的同じ環境の人間が集団を作りますが、オフィスでは世代や文化が違う人たちが共存しています。上司や後輩とは仕事をしてきた環境も考え方も異なって当然です。またSNS上での関係やママ友にしても、家族構成や収入などでも考え方が異なるものです。自分と同じ考え方だと思って接してしまうと、そこに違和感や居心地の悪さ、怒りなどが生じやすくなります。最初から『他者と自分は同じではない』『怒りを買うこともあれば、こちらが怒りに感じることもある』『いろんな人がいるのだから、当たり前』と理解することがまずは必要です」

2.マウンティングには動じないで、さらりと流す

「モンスター系の人の特徴として多いのが、マウンティング行動です。人よりも優位にたちたいと、『○○さんは余裕があっていいですよね。私なんていつも忙しくて、仕事の依頼が多くて困っちゃって』などのマウンティング発言をすることがあります」

「マウンティングをする人は、根底に劣等感がある人が多いのです。自信がないから人よりも優位に立ちたくて、こうした発言や行動に出てしまうことがあります。優越感に浸れば満足しますから、いちいち反応しないのが一番です。返事をするなら、『そうですね』『そうなんだ』と感情を出さずに淡々と答えて、別の話に早めに切り替えます。SNSなどでも同じように、過剰に反応しないほうがいいでしょう」

3.嫉妬心には少し弱みを見せ、相手を認めて軽く返す

「モンスターには攻撃的な人だけではなく、ネガティブ思考の人も少なくありません。『○○さんはいいな。どうせ私なんて…』『広い家でいいな~』など、やたらと妬みをぶちまけてくるケースもあります。真に受けると疲れるので、軽く流しましょう。『たまたまそう見えるだけで、本当はいろいろあるんですよ』と少し悩みも伝えつつ返したり、『え? 私から見たら、あなたのほうが羨ましいところたくさんあるよ』と相手を認める発言でさらりと返すのがいいでしょうね。細かく説明したり、真剣に返すと嫉妬心が大きくなるので、軽く返すのが基本です」

4.突然の怒り。窮地に立たされたら、まず逃げる!

「モンスターの場合、一方的に攻撃してくることが多々あります。でも、その怒りに対抗すると相手の感情を逆なですることに。理不尽でも、相手の感情に巻き込まれないことです。また、クレーマーなどの対処法にもなりますが、怒りが収まらない場合は『申し訳ありません。気をつけます』『すぐに戻ります』と言って、まずはその場を立ち去ることも大事です。時間が経つと冷静になることも多いので、時間稼ぎのために逃げるのもいいでしょう」

「その後に仕事であれば事情を説明し、友達であれば『さっきの件、ちょっとびっくりしたけど、どうしたの?』など、ひと呼吸置いてから冷静に訪ねてみても。相手と同じく、怒りに飲み込まれないことが、自分の気持ち守る上で重要です」

まずはこの4つのコツから実践して、人間関係の風通しをよくしてみて!

■お話を伺ったのは…

戸田久実さん

アドット・コミュニケーション代表取締役。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事。 「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修・講演を実施。指導人数は20万人に及ぶ。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会理事も務める。著書『〈イラスト&図解〉コミュニケーション大百科』(かんき出版)では、101のメソッドと343の使えるフレーズを紹介。戸田久実オフィシャルブログ/Twitter

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