緑豊かな和風庭園の奥に遠慮がちにかかる白い暖簾が目印の「茶房花鈴」は、気づかずにいると通り過ぎてしまうほどまわりの風景に溶け込む一軒家の甘味処。各地から取り寄せた材料でつくる温かいみたらし団子が人気です。のんびりとした北鎌倉の風情を味わいながら、一息入れられてはいかがでしょうか。
北鎌倉とハワイを結ぶスローな時間
店の名前はオーナーが挙式をあげたハワイのカウアイ島にある地名「ハナレイ」からつけられました。静かな時間の流れる雰囲気が気に入って、その後も何度か訪れた思い出の土地です。
そんな空気感は北鎌倉とも共通していて、ゆったりとした時間を過ごしてほしいという思いが込められています。
ゆったりとした和カフェに心もほっこり
眺めのいいガラス張りのカウンターは開放感がいっぱい。北鎌倉の自然を身近に感じられます。入り口の見た目以上に奥行きがあり、奥に進むとソファー席が広がります。時間のゆるすかぎり、ゆったりとくつろいでいたくなりますね。
時折、緑の向こうには電車が行きかいます。通り過ぎる電車をただ眺めるのは、意外と日常ではないのではないでしょうか。こうした光景も旅行気分を盛り上げてくれますよ。
モチモチのお団子は手づくりの本格派
人気のお団子は、みたらし団子発祥の地とされる京都下賀茂神社の由緒正しいスタイル。一串に5個並ぶ団子は人間の五体を表し、1個目と2個目には首にあたるため少し間隔をあけています。
羅臼昆布でとった出汁に喜界島の黒糖をあわせて煮詰めて作ったタレを、焼き上がりにたっぷりとかけて仕上げます。タレをスプーンですくって、風味豊かな甘みをお団子によく絡ませていただきましょう。串からはずしやすくなるよう、黒文字つきです。
注文を受けてから焼きはじめるお団子は、国産の上新粉を水で練り蒸した後、ついて作ります。モチモチの食感を出すため、水の分量は最小限に。そのためかなりの力作業となり、専門のスタッフがこなします。
はずせない抹茶のスイーツ
ほどよい甘さの小豆あんと白玉に、冷たい抹茶の風味がよくあう「抹茶白玉」。ひんやりとしたやさしい味わいのデザートは涼感が漂い、さっぱりとした後味が人気。さわやかな彩りの中に金沢から取り寄せる金箔が華やかさを演出します。
いつものコーヒーをより風流に
お茶席でいただくお薄をイメージした「おうす風コーヒー」は、抹茶を立てるように茶筅でコーヒーとミルクを合わせるオリジナル。表面にはラテのような細かい泡の層があるのもお薄のようです。
抹茶茶碗でいただきますが細かい作法を気にする必要はなく、求肥をこし餡で包んだあんころもち(おおかねもち)と和三盆をいただきながら和風な気分を満喫できますよ。
気楽に立ちよりたい甘味処
甘味のほかに鴨肉の燻製や玉子焼きの入った2段弁当も用意され、みたらし団子(1本につき+150円)を付けることもできます。ランチに立ちよるのもいいですね。