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成田空港「SC売上高」が急伸 18年度は15%増1432億円

  • 2019.5.27
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成田国際空港(以下、成田空港)の2019年3月期のリテール事業の売上高が、前期比15%増の1432億円になった。訪日客の増加を追い風に、17年から18年にかけて積極的に改装したことが実を結び、わずか1年間で売上高が186億円も上乗せされた。東京五輪・パラリンピックを見据えて、今期(20年3月期)も約70店舗の改装・入れ替えを実施する。

成田空港を利用する訪日外国人旅行者数は15年3月期に初めて1000万人を超えて以降、加速度的に増え続け、当期(19年3月期)は1773万人に達した。主に中国系(中国、香港、台湾)の旅行客の増加とその旺盛な消費意欲によって高額品が活発に売れている。ここに照準をあわせて、当期は第1ターミナルの出国エリア内に、免税ブランドブティックとして4月にレザーグッズを中心にした「グッチ(GUCCI)」、6月には時計やジュエリーをそろえた「グッチ」をオープンした。また第2ターミナルの国際線到着エリアの免税店では、従来の酒、たばこに加えて11月から外国製香水の扱いを始めている。

日本の玄関である成田空港は「日本最大のショッピングセンター(SC)」としての顔を持つ。三菱地所サイモンの御殿場プレミアムアウトレット(静岡県)、三井不動産のラゾーナ川崎プラザ(神奈川県)、ららぽーとTOKYO-BAY(千葉県)などの大型SCに比べて店舗面積は小さいが、免税店や免税ブランドブティックの客単価が非常に高いため、売上高はそれらを凌駕する。

成田空港にとってリテール事業は今や経営の屋台骨だ。民営化初年度の05年3月期は、航空会社からの離発着料など航空系収入が66%、リテール事業のテナント賃料を中心にした非航空系収入が34%だった。現在はこれが逆転し、当期は非航空系収入が58%に達した。営業利益558億円のうち299億円をリテール事業で稼ぐ収益構造になっている。

成田空港は22年3月期を最終年度とした中期経営計画を4月に発表した。空港利用者の増加を見込んで、第2ターミナルの出国エリアで免税ブランドブティックを集めた「ナリタ5番街」の増床、LCC(格安航空会社)の第3ターミナルの商業空間整備などに80億円を投じる。リテール事業の売上高は1650億円を目指す。

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