ハリウッドスター不在時代に存在感を失わないベテラン俳優3選<ザテレビジョン シネマ部>

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
(c) Warner Bros. Entertainment Inc.

【写真を見る】ブラピが『スナッチ』で見せた肉体美!

のっけから極論を言うと、ハリウッドのスターシステムは崩壊した。華やかなハリウッド・スターを目当てに映画館に観客が押し寄せる――という時代は確かにあったのだが、21世紀のこの時代に“メガヒット間違いなしのマネーメイキングスター”という存在はもはや神話に近い。

しかし、スター不在と言われる時代にあってもなお、まだまだスターとしての存在感を失わず、それぞれのスター街道を突き進んでいるベテランたちがいる。WOWOWが「ハリウッド・スター特集」を開催するこの機会に、そんなスターたちの現在地を確認してみたい。

ルックス以上の“実力”を証明し続けてきたブラッド・ピット

『レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い』
(c) 1994 TriStar Pictures, Inc. All Rights Reserved.

さて、最初に取り上げるのはブラッド・ピット。筆者は仕事で多くのスターを肉眼で見てきたが、私見を述べるとブラッド・ピットが一番カッコいい。もちろんハンサムなのは誰もが知っているが、生身の立ち姿がとんでもなくカッコいいのだ。

正直ブラピのキャリアは、そのルックスによって見出され、ルックス以上のものを証明する闘いだったと言える。『レジェンド・オブ・フォール 果てしなき想い』('94)や『セブン・イヤーズ・イン・チベット』('97)ではあまりにも美貌が取り沙汰され、『スリーパーズ』('96)、『デビル』('97)といったドラマ作品で演技力をアピールし、ガイ・リッチー監督の『スナッチ』('00)では粗暴な汚れ役を喜々として演じて見せた。

【写真を見る】ブラピが『スナッチ』で見せた肉体美!
(c) 2000 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.

とびきりの異色作なのが、デヴィッド・フィンチャー監督によるヒューマン・ファンタジー『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』('08)。ブラピは老人の姿で生まれ、歳を取るにしたがって赤子に近づいていくという現実離れした人物を妙演。この作品で人生のあらゆる時代を演じたことで、ブラピは“美貌”という名のある種の呪いから解放されたのかもしれない。

『オーシャンズ11』
(c) Warner Bros. Entertainment Inc.

そして、そんな葛藤などどこ吹く風とばかりにリラックスした姿を見せてくれるのが「オーシャンズ」3部作('01~'07)。このシリーズはジョージ・クルーニーを筆頭にビッグ・スターが集結していて、ブラピは「いつも食べ物をパクついている有能な参謀」という役どころを力むことなく演じている。肩肘張らずに楽しんでいるだけで魅力的なスターのオーラを味わうには最高のシリーズではないだろうか。

演技力とスター性を両立させたデンゼル・ワシントン

『ザ・ハリケーン』
(C)1999 Beacon Communications, Lcc. All Rights Reserved.

アカデミー賞の常連として知られる名優デンゼル・ワシントンは、演技派としての評価と映画スターという看板を両立させてきた。映画界でブレイクするきっかけになったのは、南アフリカの人種差別問題を描いた『遠い夜明け』('87)で実在の革命家を演じたこと。その後は、冤罪で長年投獄された男に扮した『ザ・ハリケーン』('99)のような実話もので活躍する一方、潜水艦アクション『クリムゾン・タイド』('95)、ジュリア・ロバーツ共演のサスペンス『ペリカン文書』('93)などエンタメ系作品にも進出した。

『トレーニング デイ』
(c) Warner Bros. Entertainment Inc.

付いて回っていた真面目な優等生的イメージを打ち破ったのが、第74回アカデミー賞で主演男優賞にも輝いた『トレーニング デイ』('01)の悪徳刑事役。以降、『イコライザー』('14)、『イコライザー2』('18)では“怒らせたら絶対にダメ”な殺し屋役。『フライト』('12)ではアル中から抜け出せない旅客機パイロット役と、白黒が曖昧な役を見事に演じている。

『ローマンという名の男 信念の行方』
(c) 2017 Columbia Pictures Industries, Inc., CCP Inner City Film Holdings, LLC, Bron Creative Corp., Macro Content Fund I, LLC and IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.

第90回アカデミー賞主演男優賞候補になった『ローマンという名の男 信念の行方』('17)では体重を18kg増量して生真面目な弁護士に扮した。さすが演技派、そして映画スター。最もバランスがいい映画スターと言えるのではないか。

ジャンル映画道をひた走るニコラス・ケイジ

『マッド・ダディ』
(C)2017 Mom & Dad Productions, LLC

若くして演技力が認められ、アカデミー賞を受賞したにもかかわらず、近年はほぼ“B級”のアクション/SF/コメディ専門なのがニコラス・ケイジ、通称ニコケイ。ニコケイの代表作といえば第43回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールに輝いた『ワイルド・アット・ハート』('90)や前述のオスカー獲得作『リービング・ラスベガス』('95)ということになるが、我々の記憶に刻まれているのは、狂気の形相で楽しそうに血まみれになっているような、ブッ飛んだ姿ではないだろうか。

『ダークサイド 』
(C)2017 Motel Voyeur, LLC

『マッド・ダディ』('17)では謎のウイルスに侵されて、突然家族を惨殺しようとする家族思いのパパの役。『ダークサイド』('18)は、子供を亡くした夫婦がモーテル経営で心機一転を図るのだが、買ったモーテルはなんと「変態さんの館だった!」という背徳スリラー。『ヒューマン・ハンター』('17)は、管理社会の近未来を描いたディストピアSFと、とにかく“ジャンル映画”が多いのがニコケイの特徴だ。

『ヒューマン・ハンター』
(C)2017 HUMANITY PRODUCTIONS INC. HUMANITY WEST PRODUCTIONS INC.

巨匠フランシス・フォード・コッポラを叔父に持つ名門芸能一家の出身で、一時はハリウッドを担う演技派としての将来を嘱望されていたニコケイだが、私生活ではマンガやカンフー映画や怪獣映画、ロックンロールが大好きなボンクラ系。傍目には節操なくB級映画に出散らかしているようにも見えるが、本人にしてみれば存分に“自分らしさ”を発揮しているだけなのかもしれない。

文=村山章

KADOKAWA

1971年生まれ。雑誌、ウェブ、劇場パンフレット等に映画評やインタビュー記事を執筆。配信系作品のレビューサイト「ShortCuts」代表。(ザテレビジョン)

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