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なかなか踏ん切りがつかなかった卒乳は、とあるアクシデントで…【劔樹人の「育児は、遠い日の花火ではない」 第8話】

  • 2019.5.20
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皆さま、ごきげんいかがですか。

男の墓場プロダクションの劔樹人と申します。

普段はマンガを描いたり、バンドをやったり、ハロー!プロジェクトの応援をしたりしながら、家のことや育児を主に担当する主夫として生活しています。

今回は、偶然できたわが家の卒乳時のお話です。

■突然訪れた卒乳のきっかけ



その頃はまだ寒い次期だったので、娘は1歳を過ぎたくらいだっただろうか。

まだ寝かしつけの時の添い寝授乳も日々の習慣であったが、娘は歯も生えてきたので、虫歯にさせないためにはそろそろ卒乳をしたい頃合いだった。

見た感じはすっごい強そうなくせにもともと体力のない妻は、出産後風邪ばかりひき、抵抗力は一層落ちている様子だった。

おっぱいを作ることははとてもエネルギーが要るという。これは明らかにひとつの要因である。

卒乳の機運は高まっている。

本当はすぐにでもしたい。

そんな話にはなるものの、おっぱいを飲むわが子のかわいさに、妻もなかなか踏ん切りがつかない様子もあった。

そんな時、妻が高熱で寝込んだ。



インフルエンザだった。



■妻を隔離して迎えた夜

娘は感染していないため、妻は寝室に隔離し、われわれはリビングで寝ることにした。

タミフルが処方されているため、どちらにしても母乳はあげられない。

「これは卒乳のいい機会かもしれない。ま、つるちゃんは大変だろうけど…」

確かに、娘の面倒はしばらく私一人のワンオペになる。

とはいえ、日頃から娘と多くの時間を過ごしているのは私の方だ。

妻が出張でいない夜にも慣れているし、ミルクでの寝かしつけもよくあることなので、そこまで深刻な事態ではないんじゃないかと思った。



1日目の夜。



娘はママを激しく求めた。

隣の部屋にママがいることもわかっている。

いつもと違う部屋で寝かされるのも違和感があったのかもしれない。

とりあえず、リビングで危険がないよう、私は余ったマットレスでバリケードを作り、娘を寝かしつけた。

2日目の夜。



やはり、ママが恋しいしおっぱいも欲しい。

妻の熱はいまだに高い。これは長い戦いになるかもしれないと思った。

そして3日目の夜。



娘は、おっぱいのことなどすっかりどうでもよくなっていた。

私にとってこの数日間のワンオペは大変だったような気もするが、正直あまり覚えていない。

とにかく、インフルにかこつけたら、卒乳はあっさり成功した。それだけははっきり記憶に残っている。

卒乳すると、程なくして妻のおっぱいは出なくなった。

長い育児の旅の、ひとつの終わりを感じた。

(劔樹人)

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