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喪失感は自分を愛するチャンス。映画『はじまりのうた』に学ぶ“失恋の乗り越え方”

  • 2019.5.17
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【うるおい女子の映画鑑賞】 第63回『はじまりのうた』(2013・米)

「女性」の視点で映画をみることは、たとえ生物学的に女性じゃなくても日常では出会わない感情が起動して、肌ツヤも心の健康状態もよくなるというもの。そんな視点から今回は“失恋”にフォーカスを当てたキーラ・ナイトレイ主演のラブロマンス『はじまりのうた』(2013・米)を紹介します。Maroon5のアダム・レヴィーンがキーラの彼氏役で映画初出演を飾ったのも見どころの作品です。

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ストーリー

グレタ(キーラ・ナイトレイ)は恋人のデイヴ(アダム・レヴィーン)とともにニューヨークへやってきました。彼と共作した曲が映画の挿入歌に採用、見事ヒットしたことで、レコード会社から豪邸を用意されたふたりはしあわせの絶頂にいます。しかし、レコード会社の希望はデイヴをソロ歌手としてアルバム制作をすること。一躍スターとなったデイヴは、ツアーやレコーディングで目まぐるしい生活を送りふたりはすれ違い、さらには彼の浮気が発覚。グレタは荷物をまとめて家を飛び出し、同郷のミュージシャン友達の家へと転がり込みます。

失意の中にいるグレタは、友人に促されて小さなバーで自作の曲を披露することに。観客の反応は今ひとつだったにも関わらず、音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)から契約を持ちかけられます。ところが、かつてはグラミーを受賞するほどの名プロデューサーだったダンですが、ここ数年は不遇な境遇にあり、妻子とも別居、ついには創業者である会社も解雇されてしまう状況。互いに深い喪失感のうちにいるグレタとダン。彼らにはデモテープをつくる資金もありませんでしたが、ニューヨークの街中でゲリラ演奏をして録音したものをアルバムにしようと計画します。

復縁は“アリ”なのか“ナシ”なのか。答えは自分次第

グレタはデイヴのインスピレーションであり、彼に曲を提供するほどの才能の持ち主です。彼女は自分にとても正直に生きていて、それは彼女が作る曲にも反映されています。なので、グレタがデイヴにプレゼントしたバラード曲が、ポップにアレンジされてまったく別の曲になっていることを彼女は受け入れられません。一方デイヴは、売れる曲、ライヴで盛り上がる曲に迎合することに何の抵抗も感じておらず、グレタは「彼が変わってしまったのだ」と感じます。

ニューヨークへ来て、音楽も容姿も変わってしまった彼。さらには浮気も発覚しグレタは別れを決意します。しかし、一緒に夢を追いかけて、濃密な時間を過ごしてきた彼との別れが受け入れられず、グレタは苦しみ続けます。そして彼女は、彼への思いとこれからの決意を思いを込めた歌を作ります。そして、連日ニューヨークの街で仲間たちと自分の音楽をかき鳴らしていくことで、どんどん”今の自分”にフォーカスがあたっていきます。すると、「自分がどうしたいか」、「自分はどういう人間なのか」、「どういう音楽を歌いたいのか」ということが自ずとクリアになってきました。

そして、彼と過ごした過去、彼といるときの自分、そういったものが頭の中から振り払われて来たときに、グレタはデイヴと再会します。そこで、彼女は自分なりに答えを出します。忘れられない元カレとの復縁が“アリ”なのか“ナシ”なのか。過去にとらわれず“今”に焦点が当たった日々を送るグレタには、その答えを出すのは難しくありませんでした。

失恋すると「彼は変わってしまったのか」もしくは「元々そうなるべき人だったのか」と考え込んでしまいがちですが、重要なのは“彼”ではなく“自分”です。孤独になればこそ改めて自分と人生にじっくりと向き合えるものですし、失恋は人間として成長するチャンスということを優しく音楽で包み込んで教えてくれる作品ですので、ぜひ週末のひととき鑑賞してみてくださいね。<text:kanacasper(カナキャスパ)>

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