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夫の前では黙ってしまう…「夫婦なのに言いたいことが言えない」自分のせい? それとも…

  • 2019.5.16
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手厳しい妻、いわゆる鬼嫁を持つ夫は、はたから見ると「苦労してるなぁ」と思えるかもしれませんが、関係はいたって良好…というケースは珍しくないようです。それは「お互いに言いたいことが言えているから」かもしれませんね。

躊躇(ちゅうちょ)せず、言いたいことが言える妻がいる一方で、「夫に本音は言えない」という妻も少なくないようです。言いたいのに、グッとこらえてしまうのはなぜなのでしょうか?

今回は、「夫に言いたいことは言えないのはどうして?」、その理由について考えてみましょう。

■夫に「言いたいことが言えない」3つのシチュエーション

夫に言いたいことが言えないのは、どんなときでしょうか。具体的なシーンと、妻の心の声を思い浮かべながら、その理由も考えてみましょう。

1.「ほかの家事で忙しいから、夫にお風呂掃除だけ頼みたい。でも残業続きで疲れてるだろうし、頼んでも無理かも…」

ちょっとした家事のひとつなのに、夫に頼むことができない。これは過去に頼んだとき「疲れているのに…」と夫の機嫌が悪くなり、雰囲気が悪くなった経験があるからではないでしょうか。

2.「部屋の電気を消し忘れる夫。電気を消してと言いたいけれど、毎回つけっぱなしだから、しつこいかなとためらってしまう…」

電気を使うと電気代がかかる。節約、節電のためにも使用しないときは電気を消してほしい。論理的に説明できることを口にできないのは、夫から「うるさいな」「細かすぎるよ」といった言葉をかけられるのが怖いからでしょう。

3.「大音量でテレビを見る夫に、音を小さくしてと注意したい。しかし、機嫌が悪くなりそうで言えない…」

これは、テレビの音が大きいと感じているのはもしかしたら自分だけなのでは? 「音を小さくして」と頼むのは、自分の身勝手なのではないか? と自分に非があると思い込んでいるのかもしれません。

■どうして言いたいことが言えなくなったのでしょうか?

妻は、どうして夫に言いたいことが言えなくなったのでしょうか? 前述した「言えない」シチュエーションを突き詰めていくと、大きく分けて3つの理由が考えられます。

1.「過去の経験」が原因

例えば、昔お付き合いをしていた彼と別れてしまった原因が「自分のわがまま」だった場合。

「もう君に振り回されたくない」「好き勝手言われて、疲れ果てた…」と言われた経験が今の自分にも残っており、言いたいことがあっても「これは私の身勝手かも」と思ってしまうのかもしれません。

「嫌われたくない」「また別れを切り出されるかもしれない」と、夫にも口をつぐんでしまう、ということが考えられます。

2.「自分のせい」との思い込みが原因

言いたいことがあっても「私が頑張ればいいんだ」と、すべてを自分で引き受けてしまうタイプではありませんか?

「こんなふうに思うのは、私の頑張りが足らないからだよね」と自分を鼓舞したり、「こんなことが気になる私が悪いのかも」と反省したり…。なんでもかんでも自分のせいにしてしまって言えないのかもしれません。

3.男尊女卑の考え

「男性に何か言うなんて…」「家のことは女性がするもの」といった男尊女卑の考えが、知らず知らずのうちに自分の中に根付いているのかもしれません。その場合も言いたいことが言えないでしょう。

このようにさまざまな理由が考えられるのです。






■「言いたいことが言える」には練習が必要



言いたいことが言えないのは、ストレスが溜まるもの。いつか限界に達して爆発してしまうよりは、日頃から少しずつでも言えるようになりたいですよね。そのほうが、毎日を気持ちよく過ごせるはず。

でも、今まで言えなかった相手に、急に「今日から言おう!」というのは無茶な話です。では、どうすればいいのでしょうか。

おすすめなのは、「夫以外の相手で練習をしていく」ことです。その場合の練習相手にふさわしいのは、「その場限りの相手」や「押しが強めの知人」。

まず最初は、ショップや飲食店の店員さんなど「その場限りの相手」で試してみましょう。

洋服を試着して「いかがですか? お似合いですよ」と言われても「考えます」と断ってみる。ランチを食べにいったお店で「今日はこちらがおすすめです」と言われても、気分じゃないメニューなら「こっちでお願いします」と断ってみる。

ショップや飲食店の店員さんは、その場限りの相手なので、最も遠慮を感じにくいため「言いたいことを言う練習」のスタートには最適なのです。

次は、こちらの意見を聞かずに一方的に物事を指定してくる人や頼みごとが多い人、つまり「押しが強めの知人」で挑戦してみましょう。

「〇〇しない?」「〇〇やってもらえない?」などと言われたとき、今まではたいしたことじゃないと引き受けたり、OKしていたことを「今日は無理」「それはできないかな」「誰かのほかの人に頼んでもらえる?」など、勇気を出して断ってみてください。

少しずつ言いたいことを言えるよう練習していくことで、言いたいことを言う経験が増え言葉にする勇気や自信が持てるようになります。ではどんな相手を選び、どんな練習をすれば良いのか。次から説明していきましょう。

「強引で断りにくい」「主張しにくい空気がある」など相手にプレッシャーを与える押しの強いタイプの人は、実は断られ慣れており、何を言われても気にしないタイプが多いのです。そのため、「言いにくいことを言う」練習相手としてはぴったりなのです。

そうやって、「言いたいことを言う」経験値をあげていく必要があるでしょう。

■「夫の感情」に振り回されないために

練習をしてみると、相手から何かしらの反応があると思います。お店の店員さんはきっと笑顔のままだと思いますが、知人の場合は「え、なんで?」と驚かれたり、少し怒ったようなそぶりをすることもあるでしょう。

でも、その反応を見たからといって、あなたが悪いと思ったり、傷ついたりすることはありません。意識してほしいのは、相手の反応はあなたのせいではなく、あくまでも相手のもの、相手の感情というだけです。

あなたが何をどう伝えようと、どう感じるかは相手次第。どう思うかは相手の自由なのです。

すねたり、怒ったりといった反応もあれば、意外にも「あっ、そう?」とあっけなくやりとりが終わることもあるでしょう。「そうなんだ、分かった。急にごめんね!」など、予想とは違う反応が返ってくることもあるはずです。

断ってもいい。嫌だと言ってもいい。自分のせいではないと認識できる経験を積むことは、身近にいる夫に「言いたいことを言う」ための効果的な方法といえるでしょう。

ささいな経験も貴重な訓練の場となります。「自分の発言に対し、相手がどう感じるかは相手の問題。まずは伝えることが大切」という実感を少しずつ得ていくことで、夫へ言いたくても言えない苦しさから徐々に解放されるでしょう。


(佐藤栄子)

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