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Official髭男dism「今みたいな曲調をやるバンドになるとは思ってなかった」【新曲「Pretender」ロングインタビュー 】

  • 2019.5.16
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最初はもっと幅広く、いろんな曲調がありました

【写真を見る】“山陰人気No.1ピアノPOPバンド”Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)の愛称は「ヒゲダン」。しかし、メンバーの口元に髭は…?

5月15日にメジャー第2弾シングルとなる「Pretender」をリリースしたOfficial髭男dism。

映画『コンフィデンスマンJP』の主題歌でもある「Pretender」。同曲の聞きどころの前に、まずはその独特なバンド名の由来から彼らの軌跡を辿ってみたい。

――まず、この変なバンド名について訊いてもいいですか?

藤原聡(以下▼藤原):あははは(笑)。変なって! いきなり随分じゃないですか!

小笹大輔(以下▼小笹):間違いない! 変ですもんね。素直なご意見だと思います(笑)。

藤原:ご説明しますね。僕が島根大学の学生だった頃の話なんですけど、ベースの楢崎くんが先輩で、ドラムの松浦くんが後輩で。そこで一緒にバンドを始めたわけです。ギターの小笹くんは隣の学校だったんですけど、島根ってそんなにライヴハウスないから、バンドやっていたら自然と顔を合わせるようになるし友達になるんですよ。それで知り合いになって、一緒にバンドをやることになり、現メンバーになったんです。で、問題のバンド名なんですが、楢崎くんがバンド名を考えてたときに、誰だか分からないんですけど髭もじゃのギタリストのポスターを見たらしくて、その瞬間に「Official髭男dism」っていうバンド名が丸ごと降ってきたみたいなんですよね。それで、そのままそれがバンド名になりました!

――それで良かったんですか??

藤原:よか…った。まぁ、良かったですね(笑)。

小笹:うん、良かった良かった(笑)。

――でも、バンド名だけ聞いたら、こういう心地良いロックをやってるバンドだとは思えないですけどね(笑)

小笹:ですね、たしかに。じつは、僕らも今みたいな曲調をやるバンドになるとは最初思ってなかったんですよ。でも、4人で一緒に音を出していくうちに、だんだん今の楽曲スタイルがバンドの個性になっていったんです。最初はもっと幅広く、いろんな曲調がありましたからね。

2012年6月7日に島根大学と松江高専の卒業生で結成されており、「山陰発ピアノPOPバンド」の異名をもつ
撮影=カノウリョウマ / ヘアメイク =チチイカツキ

ちょっと悪いことしてる自分、みたいなのに酔ってたというか(笑)

――それぞれの音楽ルーツを聞いてもいいですか?

松浦匡希(以下▼松浦):僕は、小学生の頃からORANGE RANGEをホームセンターで買ったCDウォークマンで聴いていたんです。ランドセルの中にいつもCDウォークマンが入っていて。ちょっと悪いことしてる自分、みたいなのに酔ってたというか(笑)。そのあたりから音楽には興味があったんですけど、中学の頃に、ギターをやってる友達がいて、その子に“ドラムやってみない?”って誘われて、やり始めたんですよ。最初は友達の家にあるデッカイ缶みたいなのをドラムに見立てて叩いてたんですけどね(笑)。そこで興味を持って、雑誌の裏に載ってたやっすい楽器屋さんでドラムを買って、本格的に始めたんです。その頃はレミオロメンとかASIAN KUNG-FU GENERATIONとかの邦楽の歌モノロックをコピーしてましたね。

楢崎誠(以下▼楢崎):僕が音楽を始めたきっかけは、中学の音楽の授業で、何の楽器を使ってもいいから発表会で何か披露して下さいって言われて、友達と一緒にアコースティックで弾き語りをしたんです。そしたら、なんかそれが思いのほか好評で。“いいじゃん! やるじゃん!”って言われて、ちょっといい気分になったんです(笑)。そのあと高校に上がってから、その弾き語りをした友達と一緒にバンドをやることにしたんですけど、ソイツのほうがギターが上手かったんで、僕はベースをやることにしたんです。吹奏楽も並行してやっていたので譜面が読める様にもなって。大学に行ってからいろんなバンドのコピーをし始めて、幅広いジャンルの音楽に触れて行くことになったんです。そこからはすごく雑食になって、いろんな人から勧めてもらうもの全部聴いてましたね。

パンクにハマり、学校行かずにずっとギター弾いてました

小笹:僕はHi-STANDARDとかTOTALFATとかが大好きで。兄がパンク世代でギターをしていたのもあって、教えてもらったのがきっかけだったんです。学校行かずにずっとギター弾いてました。もともと何となく惹かれていた音楽は、松任谷由実さんとかKANさんなどのJ-POPだったんですけど、自分で能動的に音楽を聴くようになってからは、青春パンクが流行っていた頃でもあったので、ロードオブメジャーとかMONGOL800とか、175R、太陽族とか好きで聴いてましたね。もともと素養はあったんでしょうね(笑)、そこで兄の影響がさらに入ってきて、パンクロックにハマったって感じですね。

藤原:僕が楽器を始めたのは物心ついた頃からピアノ教室に通わされていたってとこからでしたね。自分がやりたかったというより、ご褒美にゲームを買ってもらえるというのに釣られてやっていた感じだったんですけど(笑)。でも小学校の頃にドラムに出逢って、なんて素晴らしい楽器なんだ! と思ってからは完全にドラムにハマり。まぁ、そんな中でもピアノは続けていたんですけどね。高校3年の頃にマイケル・ジャクソンが亡くなって、映画を観て初めてそこで、こんなにもグレイテストショーマンが居たんだ! だって思って感銘を受け、それと同時期にONE OK ROCKの「完全感覚Dreamer」を聴き、前から気にはなっていたんですけど、完全に、このバンドはヤバイぞと思ってハマり散らしまして、そこからボーカリストに目覚め始めたわけです。大学の頃にバンドを組んだときはドラムとして始めたんですけど、ボーカル欲求が収まらず、歌いたい! 曲が作りたい! と思うようになって今に至るんです!

――なるほど。藤原さんの声ってすごく歌モノに合う声をしていますよね。新曲の「Pretender」はバラードですが、本当に引き込まれる声質だなと思ったので。

藤原:ありがとうございます!

楢崎:カッコイイ声してますよね。

藤原聡(Vo/Pf)
撮影=カノウリョウマ / ヘアメイク =チチイカツキ

自分は相手のことを恋人だと思っているかもしれないけど、相手は・・・

――「Pretender(プリテンダー)」とは、偽善者という意味もありますが、この曲に込めた想いとは?

藤原:偽善者というのが悪い意味なのか良い意味なのかは、聴き手に任せたいですね。この曲を作ったのは、もちろん映画のことを考えながらではあったんですが、自分の実体験ではないけど、自分の価値観の中から生まれてきたものではありますね。“分かる〜”って感じが欲しかったというか。映画『コンフィデンスマンJP』が、ストーリー的に詐欺師のお話だったりもするんです。恋愛を使ってうまく騙して行くというか。本当に恋心を抱いたとしても、その恋は成就することはない、結ばれることはないことは分かって詐欺をしていくわけで。騙されているほうは騙されているとは思っていないわけで。そこの脆さたるや。風前の灯というか。自分は相手のことを恋人だと思っているかもしれないけど、相手は詐欺の獲物でしかないわけですからね。その関係性に名前を付けるのは本当に難しいなと。その関係性を周りは何というか分からないけど、ただただ、目の前に居る君は綺麗だってことだけは分かるから。っていう想いなんです。

――心の表情が素晴らしく描かれていますよね。藤原さんが仰るように、“自分の実体験ではないけど、自分の価値観の中から生まれてきたもの”であり、誰もが胸を打たれる表現だなと。

藤原:ありがとうございます!

――“もっと違う出逢い方をしていたら”って思うことって、本当に誰しもが感じたことがある想いでもありますからね。

一同:(深く頷きながら)ありますあります!

藤原:恋愛に限ったことではなく思うときもありますからね。

楢崎:たしかに、全体を通して聴くと恋愛なんだけど、バース バースで切り取って聴くと、もっと大きく人生について当てはめて聴けるのかなとも思うよね。

藤原聡(ボーカル&ピアノ)、小笹大輔(ギター)、楢崎誠(ベース&サックス)、松浦匡希(ドラム)の4人で構成
撮影=カノウリョウマ / ヘアメイク =チチイカツキ

(取材・文=武市尚子)

【後編】「聴いてくれる人の人生に寄り添ってくれたら良いな」に続く(ザテレビジョン)

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