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憲法とは何かを改めて考えるために観てほしい『誰がために憲法はある』【今月のプロ押し映画!】

  • 2019.5.10
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憲法とは何かを改めて考えるために観てほしい『誰がために憲法はある』【今月のプロ押し映画!】
2019.05.10 17:00
擬人化された「憲法くん」を女優・渡辺美佐子が朗読するシーンから始まる今作は、途中、日本を代表するベテラン女優たちがワイフワークとして続けてきた朗読劇の公演を追い、最後はまた渡辺による日本国憲法前文の朗読で終わる。戦争とは? 憲法とは?  改憲論争が続く今、改めて自分の意見を導き出すためにも、風化しつつある過去の記憶としっかり向き合うことが大切だと感じさせてくれる。

(C)「誰がために憲法はある」製作運動体

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日本国憲法を擬人化した松元ヒロ原作の一人芝居「憲法くん」を原案にしたこのドキュメンタリーは、今年87歳になる女優、渡辺美佐子が「憲法くん」を演じながら、日本国憲法前文を朗読する姿で始まる。さらにカメラは、渡辺をはじめ、高田敏江、寺田路恵、大原ますみ、岩本多代、日色ともゑ、長内美那子ら日本の映画、演劇、テレビを支えてきたベテラン女優たちが長年全国各地で続けてきた、広島、長崎の被爆者たちの手記をもとにした朗読劇「夏の雲は忘れない」の公演を追っていく。戦争の悲劇を実体験として知る名女優たちがライフワークとして語り続ける反戦と平和、護憲への想いは力強く、圧倒的な説得力がある。映画はラストに再び渡辺が日本国憲法前文をしっかりと朗読して終わる。改めて噛み締める日本国憲法前文は下手なドラマを圧倒する迫力があり、驚くほど感動的だ。これほど作品の意図や作り手たちの目的意識が明確な潔い映画も珍しい。各方面で憲法改正が取りざたされるなか、憲法とは何かを改めて考えるためにも、すべての日本人にとって今、必見の傑作である。



『誰がために憲法はある』公開中
http://www.tagatame-kenpou.com/


配給:太秦株式会社

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