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FPが解説!投資信託の税金はいくらかかる?どうやって払う?

  • 2019.5.8
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本記事では、投資信託の税金について解説します。税金と聞くと難しい印象をいだきます。ですが、ポイントを抑えればとても簡単です。また、税金がかからないようして、より有利に資産運用を行う方法についても紹介します。

本記事では初心者の方にわかりやすいように、極力簡単な表現でお伝えしていきます。

投資信託の収益にかかる税金はいくら?

まずは、投資信託の税金の基本からです。税金は投資信託から生じる「利益」に対して20.315%かかります。別の言い方にしますと、損をしたときには税金がからない、ということです。

税金は基本的に、投資信託で利益が出たときに20.315%かかる。

税金がかかる投資信託の利益ってなに?2種類の利益【譲渡益(キャピタルゲイン)と分配金(インカムゲイン)】

その投資信託から生じる利益は、大きく二種類に分けられます。

  1. 投資信託を売って儲かった時
  2. 投資信託を持っていて普通分配金が入ってきた時

少し詳しく見てみましょう。

①投資信託を売って儲かるとは?投資信託のキャピタルゲイン(売却差益)に税金がかかる

この場合は、五千円が売却差益、つまり利益です。そのため、この五千円に20.315%の税金がかかります。

この売却差益のことをキャピタルゲインや譲渡益とも呼ぶこともあります。先に触れましたが、損をしたときには税金は発生しません。つまり、「高く買って、安く売った」時には税金が発生しません。

投資信託を買った時よりも高い値段で売ると、売却差益が生じる。これは利益なので税金が20.315%かかる。

②持っていて分配金が入ってきた時とは?インカムゲイン(分配金)に税金がかかる

この普通分配金のように、持っている間に入ってくる利益をインカムゲインと呼ぶこともあります。

投資信託の普通分配金は利益なので税金が20.315%かかる。

投資信託から出るお金であっても税金がかからない特別分配金(元本払戻金)とは?

ちなみに、投資信託の分配金には特別分配金(元本払戻金)というのもありますが、こちらには税金がかかりません。

それは、特別分配金(元本払戻金)とは利益ではない

図はタコが自分の足を食べて、次第に体が小さくなるイメージです。正式な用語ではありませんが、特別分配金(元本払戻金)はタコ足配当などとも呼ばれます。

しばしば「分配金が多い方がお得だろう・毎月または隔月などで分配金が出る方がお得な気がする」というのは、単純に誤解です。

なぜそうなのか?につきましては、以下の記事に詳しく解説がしてあります。ご興味のある方はご覧いただければ幸いです。

投資信託の特別分配金(元本払戻金)は利益ではないので税金はかからない

投資信託にかかる税金の計算式は?どうやって出すの?

おさらいです。税金は利益に対して20.315%かかります。ですから、税金を求める基本的な計算式は「利益×20.315%=税金」です。

でも、これだけだとちょっと具体的な金額がイメージしにくいですね。一例を交えながら見てみましょう。

利益×20.315%=税金

投資信託にかかる税金の計算式一例
売却差益の場合

例えば、投資信託の売却差益が百万円だったとします。この場合の税金はいくらでしょうか?

  • 百万円の利益×20.315%=20万3150円

つまり、投資信託で百万円の売却差益が出た場合は、20万3150円を税金として納めることになります。

普通分配金の場合

普通分配金が十万円出たとします。この場合の税金はいくらでしょうか?

  • 十万円の利益×20.315%=およそ2万315円となります。

つまり、投資信託で十万円の普通分配金が出た場合は、およそ2万315円を税金として納めることになります。

あれ?投資信託の収益にかかる税金っていつ引かれているの?

とはいえ、投資信託で資産運用をされている方のほとんどは「税金を支払った感覚がない」のではないでしょうか。

じつは、証券会社などに投資用の口座を開いた際に、「特定口座 源泉徴収あり」を選択しておくと、納税・確定申告を証券会社側が自動的に行ってくれます。

源泉徴収とは?:さっくり言うと、「税金を天引きします」ということです。

そのため「税金を支払った感覚がない」かと思います。

特定口座・一般口座、源泉徴収あり・なしとかって何のこと?

証券会社などで口座を開く際に、選択肢は基本的に三つあります。

  1. 特定口座(源泉徴収あり)
  2. 特定口座(源泉徴収なし)
  3. 一般口座

一般的には1の特定口座(源泉徴収あり)を選択することが多いかと思います。1の特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、基本的に投資家は何もしなくてもかまいません。

上記3種類以外にも、iDeCo(イデコ)やつみたてニーサの口座があります。後述します。

投資信託の収益にかかる税金、年間ではいくら?40年間やったらどうなる?一例を交えて考察

それでは、より具体的に1年間や長期分散投資で40年間など投資をしたら、どのくらいの税金がかかるのか、見てみましょう。

投資資金1千万円、平均リターン5%の投資信託の場合、1年間でいくら税金がかかるのか?

仮に投資資金1千万円で投資信託を購入し、平均利益が5%だったとします。現実には価格が変動しますが、解説のため、簡略化しています。

この場合の税金はいくらでしょうか?(手数料無視)

  1. 1千万円×5%の利益=50万円の利益
  2. 50万円の利益×20.315%の税率=10万1575円が税金

中々大きな金額です。

仮に40年間行ったら、投資信託での税金はいくらかかるのか?

上記の条件で、仮に40年間続いた場合の税金は合計でいくらでしょうか?年間で10万1575円の税金×40年間=406万3000円の税金となり、非常に大きな額となります。

投資信託に税金がかからないようにする方法

できれば、上記のような高額の税金がかからない方が嬉しいのが心情です。

現在では、特定口座・一般口座以外にも、税制上優遇されているiDeCo(イデコ)やつみたてニーサの口座などがあります。

特に、iDeCo(イデコ)では、利益に対してかかる税金以外にも、所得税控除というものがあり、現状での口座の中では最も節税効果が高いと考えられます

iDeCo(イデコ)と節税に関してご興味のある方は、下記の関連記事をご覧いただければ幸いです。

投資信託の利益から収めた税金はどこへ向かう?

どうしても効率的な資産運用を考えた場合には、税金が少し邪魔な存在となりがちです。そのため本記事では、税金について、ネガティブな意見が主体となってしまいました。

ただ、税金は富の再分配の仕組みとしては必要な存在です。

投資で大きく利益を得た人は、より多くの税金を支払います。そしてそのお金は社会に還元されます。

誰でも、橋や道路・トンネルを無料で利用できますし。警察や消防も無料で利用できます。学校や病院だって税金で建てられているものがあります。誰しも税金の恩恵を受けています。

投資信託の利益にかかる税金の中身は?所得税と住民税と復興特別所得税

税金とは、いわばこの社会の利用料金のようなものかもしれません。前述のように投資信託からの利益には20.315%がかかります。その内訳は次のようになっています。

投資信託の利益での税金には、復興特別所得税も入っている

2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興には膨大なお金がかかります。そのため、現在では、復興特別所得税というものが、投資信託の利益にもかかります。

資産運用とは直接的には関係はありませんが、投資で利益を得て、税金を納めるという意義を考えると、投資というものがまた少し違う見方もできるかもしれません。

投資信託と税金まとめ

  • 投資信託の利益に対する税金は基本的に20.315%がかかる
  • 効率の良い投資を考える場合は、税制上優遇されているiDeCo(イデコ)やつみたてニーサを優先的に使う方が良い
  • 税金は社会の役に立つものだし、投資家にとっては利益が出ている状態なので基本的に良い

本記事では、投資信託にかかる税金について考察しました。

長期での資産形成では、いかに税金を非課税にし、そのお金を再投資に回せるかということも重要なポイントです。

本記事が皆様の資産運用の一助になれば幸いです。

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