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「いつか一緒になりたい」という不倫相手の言葉、信じていいの?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2019.5.4
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょうさんにあなたのお悩み解決してもらいませんか?”にお悩みを送ってくれた方の中から、ピックアップしてひとみしょうさんが解決していきます。

〜「みぃちゃんさん 38歳」のお悩み〜

私は今、とても悩んでいることがあります。お付き合いをしている彼との事です。彼には奥さんと2歳になる子供がいます。私も結婚しておりましたが、お付き合いをする頃から元旦那さんとは別居をし、昨年5月に離婚をしました。彼との付き合いは2年半くらいになります。 いつか一緒になりたいっていう想いで、お互い一緒にいます。

でも、彼は、子供のために離婚はしないと思うんです。子供の行事にも夫婦で参加する、家族の行事もきちんとされてあります。奥さんとちゃんと向き合ってみたら?もう向き合えないの?と聞いたことも何度かありますが、向き合っても嫌な思いしかしないと言います。

私は、「いつか一緒になりたい」と彼に言われても、その想いを信じきることができず、今、このまま進んでよいのかとても悩んでいます。一緒になりたい、と思うなら、身辺整理をして迎えに来て欲しい、と言うのですが……。離れたくない、と言うばかりで。何度も別れ話をするのですが、結局、私も戻ってしまう弱いところがあります。

でも、なぜ彼はこんなに私を必要としてくれるのだろう、何が彼をこんなにしてるのだろう、と考えてしまいます。 私自身も結局は、離れたくないと言われ、元に戻ってしまい、でも、きつい思いをしてまで続ける必要ってあるのかなという思いがでてきてしまいます。こんな自分が嫌で、もし本当にいつか一緒に、と思ってくれていたら、と思うとこんな思いでいる自分にも嫌になってしまい、今はなぜか苦しい思いでいっぱいです。 私はこのまま進んでよいのかとても悩んでいます。本当にこのままでよいのでしょうか?

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

このままではマズイでしょうね。

<私は、「いつか一緒になりたい」と彼に言われても、その想いを信じきることができず、今、このまま進んでよいのかとても悩んでいます>ということは、つまり、みぃちゃんは直感で、「彼はわたしと再婚しないだろう」と感じているということですよね。往々にして、この手の直感は当たるので、彼はホントにあなたと再婚しないでしょうね。再婚する気などさらさらなく、あなたとの今の関係がベターだと思っているのでしょう。

自分好きか、そうではないか

ものすごく一面的なものの見方をご紹介します。以下に述べることは、一面的な見方すぎて正確ではないかもしれないのだけれど、でも「いろんな例外がある」としてしまうと、話が見えづらくなるので、誤解を恐れず大胆に述べます。

男の人にもいろんな人がいて、奥さんや子どもがいても、さらっと離婚して、不倫相手と結婚する人もいますね。そういう人は、僕が見る限り「自分好き」です。自分大好き人間です。それがいけない、ということではありません。ただ、一般的な基準をかなりオーバーして自分のことが大好きです。もちろん彼は、奥さんや(とくに)子どものことも大好きです。でもそれ以上に、自分のことが好きです。だから「さらっと」離婚して、不倫相手と再婚します。

他方、みぃちゃんの彼氏のように、「子どものため」を主張する男性は、ホントに子どものことが好きなんですね。自分のことより子どものことの方が好きなんです。奥さんのことが大嫌いでも、子どものことは大好きで、子どものことを思えば、絶対に離婚したくない。強盗に「この子の命とお前の命、どちらか片方だけを助けてやる」と言われたら、ホイホイと自分の命を捨て、子どもを助けるのが彼です。

なぜ彼はこんなに私を必要としてくれるのだろう?

もちろん、先に断ったように、上の話にはいろんな例外がありますよ。子どものことが大好きだから、こんなだらしない嫁と離婚して、新しい女性と子どもと暮らしたほうが「子どものため」と判断する「自分大好き男」もいます。

でも、みぃちゃんの彼は、そういう判断はしない。あくまでも、奥さんはイヤ、子どもは大好き、だから離婚しない、という方針の持ち主ですよね。

<なぜ彼はこんなに私を必要としてくれるのだろう>という質問の答えは、みぃちゃんが、彼にとって止まり木的な役回りになっているということだと僕は思います。イヤな奥さんがいて、でも子どもは超かわいくて、という男性って、落ち着ける場所というか、自分の男としての能力を認め受け入れてくれる女性がいないと、心とカラダがバラバラになりそうな気がしてくるんですね。気が狂いそうになる時がある。だから彼は、みぃちゃんに救いを求めているということです。

彼は子どもに救いを求めることだってできるけど、でも子どもによって得られる安らぎと、オトナの女性によって得られる安らぎって、また別だから。

恋愛がもつシビアな側面

総じて、みぃちゃんと彼との関係は、恋愛がもつシビアな側面が出ている関係だと思います。

たとえば、高校生の頃、男女でなんとなく惹かれあって付き合ったけど、なんとなく別れた、という人っていっぱいいるはずなんですね。

彼女の方は、彼のことが大好きだけど、でも彼とは進学する学校も、やりたい勉強も、将来の夢もちがっていることに一抹の不安を覚えている。一方、彼のほうは、それらの困難を乗り越えて、大学に進学しても彼女とずっと付き合っていたいと思っている。

結局、ふたりは、ベースの価値観がちがうという理由で別れる。声が枯れるほど好きと叫びたい気持ちがあるにもかかわらず別れる――。

恋愛における価値観は似ていても、恋愛を支える人生観がちがうと、ふたりは結ばれない。来世で一緒になろうと誓い合うしかない。こんな恋愛のシビアな面にぶつかってしまいましたね。

好きだけど別れた相手は、誰にとっても永遠だから

さて、どうすればいいのでしょうか。

僕にはよくわかりません。でも1つ言えることは、新しい恋に挑戦してみてはいかがでしょうか?ということです。

誰かに恋したら、わたしたちは、「なにがなんでも、彼と、自分の思い通りの関係にならないと気が済まない」と思いがちじゃないですか。それゆえ、みぃちゃんに彼と別れることをすすめるのは、気が引けるし、申し訳ないなと思います。

でも、恋愛を支えるベースの価値観がちがうというのは、「ちょっとちがう」のではなく「すごく大きな大問題」なわけですよ。今のみぃちゃんにとったら、認めたくない大問題かもしれない。もっと時間が経たないと、「彼はやっぱりちがう人だった」と納得できないことかもしれない。

誰にとっても別れはつらいけれど、今ふたりが出会って付き合っていることに意味があるのと同様、別れにも意味があります。その意味にみぃちゃんが気づく頃、あなたは他の誰かに恋してて、「彼、どこで何をしているのかわからないけど、元気でいてくれたらいいなあ」と思うでしょう。好きだけど別れた相手は、誰にとっても永遠だからです。

お互い、がんばって生きていきましょう。

(ひとみしょう/作家)

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