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ゴシック美の傑作 ──ノートルダム大聖堂とファッション、映画。

  • 2019.4.19
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ゴシック美の傑作 ──ノートルダム大聖堂とファッション、映画。
2019.04.19 20:10
4月15日、世界中に衝撃をもたらしたノートルダム大聖堂の大規模火災。この12世紀のゴシック建築の傑作は、数多くのファッションストーリーや映画の舞台としても有名だった。その再建復興を願い、今一度美しい佇まいを振り返ってみよう。

パリのシンボル。

【全9カット】ノートルダム大聖堂の写真をもっと見る。


ノートルダム大聖堂は800年も前からパリのシテ島に存在しており、約200年の建設期間を経て今のストラクチャーが完成された。その圧倒的なゴシック建築を訪れる人は年間1300万人を超えており、それはエッフェル塔を凌ぐフランス随一の観光スポットだった。しかし予期せぬ火災により、わずか2時間でその歴史的建造物はかつてとはかけ離れた姿となってしまった。


4月15日の夜に突如、大聖堂を襲った黄色い煙。二つの塔は崩れなかったものの、屋根の上から天に向けてそびえ立つViollet-le-Ducの尖塔は滅び落ちてしまった。また、木材を複雑に組み合わせた「森」と呼ばれる屋根裏の骨組みも、この火災により失われた。

ファッションや映画にも欠かせない存在。


ノートルダム大聖堂は、パリが誇るフォトジェニックスポットとして数々のファッションストーリーにも登場している。上の写真は1955年のアメリカ版『VOGUE』に掲載されたブライダルショットだ。フランス人クチュリエ、Jacques Griffeによる可憐なウェデイングドレスを、後ろにそびえ立つ大聖堂がさらにロマンティックに演出している。


また、ノートルダム大聖堂を語るのに欠かせないのが、ヴィクトル・ユーゴーの小説『ノートルダムのせむし男』だ。1996年にディズニーによるアニメ映画「ノートルダムの鐘」でも一躍有名となったストーリーだが、1956年、イタリア人女優のジーナ・ロロブリジーダを主演に迎えて同名映画も制作されている。


こちらは、アラン・ドロンの元恋人であり、フランス映画界のスターだった女優ロミー・シュナイダーの若き姿を捉えた一枚。映画『ボッカチオ'70』(1962年)の公開を記念し、セーヌ川で行われた船上パーティーの背景に映るのは、美しい様式を保つノートルダム大聖堂だ。


観光スポットとしてだけでなく、VOGUEのファッションストーリーや映画の舞台としても私たちを魅了しつづけた大聖堂。今回の悲劇でかつての魅力を失うことになってしまうかもしれないが、再びゴシック建築物の代名詞に返り咲くことを願うばかりだ。

Lifted from VOGUE PARIS

Text: Mannon Garrigues

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