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妊娠するとシミが濃くなったり増えたりするのはなぜ?【女医に訊く#57】

  • 2019.4.17
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「妊娠したらシミが濃くなった」「肝斑ができた!」「わきの下が黒くなった」という噂を聞いたことはありませんか? 妊娠すると本当にシミが増えたり体が黒ずんだりするのでしょうか? 噂の真相と原因について、皮膚科専門医の慶田朋子先生にうかがいました。

妊娠すると急にシミだらけになったり、体のあちこちが黒ずむって本当?

「妊娠すると肝斑が目立ってくることが多いですね」と語るのは、皮膚科専門医の慶田朋子先生。肝斑(かんぱん)とは、目の周囲を除いた頬の高い位置や額などに左右対称で現れる、灰色がかった淡褐色のシミのこと。更年期過ぎると、薄くなる方が多いのが特徴です。

「妊娠中は肝斑だけでなく、シミやそばかすが増えやすくなったり、ホクロが大きくなったりすることもあります。また、もともと色素が濃いところ、乳首や乳輪、わきの下、外陰部、正中線なども黒っぽくなります」(慶田先生)

どうしてシミやそばかすが増えたり、体のあちこちが黒ずむの?

もともと女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は卵巣から分泌されていますが、妊娠すると胎盤でも作られるようになり、その分泌量は出産までひたすら増えていきます。この増え続けるエストロゲンとプロゲステロンは、メラノサイトを活性化し、メラニン色素の生成を促すと考えられています。その結果、シミやそばかすができやすくなったり、乳首や乳輪、わきの下などが黒ずんだりします。

「肝斑の人たちの皮膚を調べると、メラノサイトが通常よりも高いレベルでメラニンを産生していることがわかります。肝斑に関しては、妊娠中期以降の方が酷くなる印象ですね」(慶田先生)

先生によると、肝斑が悪化するきっかけの多くは紫外線。「日焼け止めの外用を徹底させると、肝斑の発生率が何もしないグループより優位に低い」という臨床試験データもあるそうですから、メラノサイトが活性化している妊娠中は、普段以上に紫外線に注意しましょう。

妊娠中はストレスでもシミが増える!

皮膚に紫外線が当たると、肌の奥にあるメラノサイトという細胞がメラニンという黒い色素をつくり、紫外線が皮膚の奥深くまで侵入するのを防ごうとします。この防御反応は紫外線以外の外的刺激にもみられ、こすったり、叩いたり、火傷をしたりした炎症の後にも、その防御反応としてシミが増えてしまうことがあります。

「同じような防御反応は、妊娠中に受けるストレスに対しても起こります。妊娠している人としていない人では、メラノサイトの数は一緒なのですが、妊娠している人のメラノサイトはサイズが大きくなっていて、メラニンをたくさんつくっています」(慶田先生)

妊娠中は赤ちゃんという異物をおなかに抱えているというストレスがあるうえ、ホルモンのダイナミックな変動もあり、免疫バランスも大きく変化します。また、赤ちゃんに栄養を取られるだけではなく、赤ちゃんの排泄物=毒素を自分の肝臓で分解しなくてはならず、お母さんには大きなストレスがかかるのです。

「赤ちゃんはおしっこをしませんから、赤ちゃんの毒素は血液を通してお母さんの肝臓に運ばれます。そのため循環血漿量が増えて体もむくみやすくなりますし、肝臓にも大きな負担がかかるのです」と慶田先生。

赤ちゃんのためにもメラノサイトを活性化させないためにも、妊娠中はできるだけ体を休めて、ストレスを溜め込まないようにしましょう。

皮膚科専門医

慶田朋子先生

銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。東京女子医科大学医学部医学科卒業後、東京女子医科大学病院、聖母会聖母病院などを経て、2006年、有楽町西武ケイスキンクリニック開設。2011年、西武有楽町店閉店に伴い、銀座ケイスキンクリニックとしてリニューアルオープン。最新マシンと高い注射注入技術で叶える、切らないリバースエイジングに好評を博している。著書に『365日のスキンケア』(池田書店)など。
■銀座ケイスキンクリニック

文/清瀧流美 撮影/黒石あみ

 

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