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忙しくても、早食いをしてはいけない理由とは?

  • 2019.4.9
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短時間で食事を済ませる習慣がついていませんか?リゾットを慌ててかき込んでいる時に、身体の中では何が起きているのだろうか。

早食いによる影響のひとつに、腹痛がある。photo:GETTY IMAGES

朝食でも、昼食でも、夕食でも、いつもきっかり15分で食事を平らげているあなた。これはいい習慣とはいえない。こうした食べ方があなたの身体に負担をかけているかもしれないのだ。早食いをすると身体の中でどんなことが起きるのかを知っておこう。

腹部の膨満感

食事にかかる時間とは関係なく、「身体が満腹感を得るにはおよそ30分が必要です。このメカニズムの主役は、小腸から分泌されるホルモン。ホルモンが生成されることで、脳内の満腹感を司る視床下部にメッセージが送られます」と、栄養生理学者のジル・ミチューは説明する。ゆえに、10分で食事を終えると、満腹を感じるまでまだ残り20分もある。その結果、食べ続けてしまうというわけだ。

胃がキリキリ……

腹痛も、早食いが原因で起こる症状のひとつ。「消化は咀嚼の段階からすでに始まっています」と栄養士のレティシア・スイサは指摘する。つまりよく噛まずに食べると、食べ物が十分に砕かれていない状態で胃に到達するため、胃はより多くのエネルギーを使わなければならない。こうした余計な負担が腹痛につながる。腹痛で不快な思いをしないためには、休みをはさみながら食べるといい。「会話をしたりまだお腹が空いているかを確かめながら、食べてみてはどうでしょうか」と彼女はアドバイスする。

強い倦怠感

昼休みの後、コンピューターの前でまぶたが重くなる。ぼんやりして、PC画面に映るのスイーツ占いなどで気を紛らわしたくなる。これは一般的に「食後の倦怠感」と呼ばれる現象だ。クラブサンドウィッチを一気に食べてしまったのがいけない。「身体は消化のために、膨大なエネルギーを必要とします。食事後にだるくなるのはそのため。慌てて食べると、食べ物が胃に到達した時にペースト状ではなく塊のままなので、食べ物を体内に取り込むために、さらに多くのエネルギーが必要になります。その結果、どっと疲れてしまうのです」と、栄養士のスイサは説明する。

気分障害

栄養生理学者のミチューによれば、生活の質は、普段の食事の内容はもちろんだが、摂取の仕方にも直接左右されるという。「人体のニューロンの10%は腸に存在しており、これが消化のカギを握っています。腸が脳に直結していることは疑いようがありません。食べるスピードが速すぎると、腸はそれに気づいて、脳にメッセージを送ります。脳がそれに反応し、気分が乱れてしまうのです」と解説する。その証拠に、きちんとした食事をゆっくり取った後は、落ち着いた気分になる。「食べ方は私たちに決定的な影響を与えています。このステップを決して軽く見てはいけません」とミチューは強調する。

体重増加

食べ始めてから満腹感を感じるまでの平均時間はおよそ30分。先ほど確認したように、食べるのが速すぎるとなかなか満腹感が得られないため、食べ続けてしまう。こうしたことを続けていれば、そのうちお腹周りがふっくら。「料理をきちんと味わうために、最初のひと口から最後のひと口まで20分はかけていただきたい」と栄養士のスイサは言う。

また、食事の最初にはスープや生野菜を食べるのがいいようだ。「どちらもカロリーは低いですが、食べ始めれば満腹感を生み出すプロセスが始動します。次のメインディッシュを食べきる頃には、もうこれ以上は何も入らないという状態になっているでしょう。適正体重を維持するためのコツです」とミチューは言う。

腹ぺこの状態でテーブルにつかないこと、これも侮れないポイントだ。「あまりお腹が空いていると、5分で全部平らげることになりがちです。やや空腹を感じるくらいの状態で食事を始めるのが理想です」とスイサは指摘する。

早食いがどんな悪影響を及ぼすか、これでお分りいただけたはず。今日からランチを食べる時は、ゆっくり時間をかけて味わうようにしよう。

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