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心うきうき、ギャラリー・ラファイエット・シャンゼリゼ。

  • 2019.4.8
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かつてヴァージン・メガストアがあったシャンゼリゼ大通り60番地。3月28日以来、飲み込まれるように次々と大勢がこの建物に入っていく。というのも、ギャラリー・ラファイエットがそこにオープンしたからだ。いまのところ、買い物というより見学に来る、という人が多いのかもしれないけれど、吹き抜けを活用した快適空間には年代も趣味も異なる人々を興奮させるポジティブな雰囲気が満ちている。ここで繰り広げられる光景は見ているだけでも、とてもエキサイティング。

ギャラリー・ラファイエットといっても、デパートというより巨大なコンセプトストアといっていいだろう。扱うブランド数は650。オープニングのゲストとして、3階から吹き抜け空間に飛び出すように設置された6つのガラスのボックス内で“ビーチ”をテーマにシャネルのポップアップショップが4月21日まで開催中だ。

アトリウム。

4月21日まで開催のシャネルのポップアップ。

売り場総面積が6,600平米あるという館内4フロアを簡単に紹介しよう。大通りからトンネルを通り、最初に行き着くのは地上階(0)のアトリウム。現在は、トンネルから出た瞬間、シャネルのマネキンたちが並ぶエッフェル塔のディスプレーに圧倒される。奥がビューティの売り場だ。パフュームキャンドル、香水も充実。ここから大階段で、あるいはエスカレーターで上階へと。

シャンゼリゼ大通りからのトンネル。

奥、一段下がったスペースでもビューティのお買い物!

ニッチなブランドに力を入れていて、たとえば、これまではオンラインだけの販売だったRoujeも入手できる。

床、柱、階段……大理石が見事な1階から興奮が始まる。

2階(+1)は靴、バッグなどアクセサリーも含めた、レディースとメンズのカジュアル系モードフロア。回遊するようにブランドごとのラックを見て回れる。

人が行列を作っているのは、Jacqumusのシモン・ポルト・ジャックムスとキャヴィア・カスピアのコラボレーションによるカフェCitron(シトロン)だ。レモンという意味で、南仏を彷彿させる内装、ユニフォーム、メニュー……。ジャックムスはプロヴァンス地方で過ごした幼少期の記憶をたよりに、初のアーティスティック・ディレクター役を見事にこなし、シャンゼリゼ大通りにいながら地中海地方で寛いでいるような気にさせるカフェを仕上げたのだ。朝から夜まで、食事にティータイムにと何度も通いたくなりそう。

プレタの売り場。

バッグ売り場。従来のデパートとは一線を画す、ゆったりとしたディスプレーだ。©Delfino Sistro Legnani e Marco Cappelletti

明るく気持ちのよい2階のカフェCitron。3階からもアクセスできる。

3階(+2)はリュクスなフロア。グッチ、サンローランといった名だたるハイブランドが窓側に勢ぞろいしている。建物内側が、ポップアップが開催される6つの宙に浮くボックスで、建築的にも面白い。この建物は銀行のために1933年に建築されたもので、今回デンマークの建築家ビャルケ・インゲルスがアールデコ建築の要素を保全しながら、いまに蘇らせたのだ。そぞろ歩きをしながら買い物ができる売り場の配置などはデュオのM/Mが手がけている。新しいロゴも彼らの仕事だ。

ハイブランドが並ぶフロア。7月にはレストランもオープンする。毎週金曜の16〜21時はSecret Boardroomと名付けられたスペースで、セレブのヘアアーティストとして有名なメゾン・ジョン・ノレによるドライ・スタイリングを!要予約。

3階にはDover Street Marketのジュエリー売り場がある。販売されているのは、Comme des Garçons、Sophie Bille Brahe、Shihara、Dauphin、Delfina Delettrez、Selim Mouzanarなど。

アトリウムに向かって張り出す、3階のポップアップ用のボックス。

クーポールの下、6つのガラスのボックスが宙に浮く様は見ていて飽きない。©Delfino Sistro Legnani e Marco Cappelletti

M/M によるロゴ。

地下1階(0)はフードコートで、半分が食事系、半分がスイーツにスペースが2分割されているのがおもしろい。どちらも屋台風のスタンドで購入し、空間中央に置かれた大テーブルで食べるという仕組みである。Maisie Caféもあり、ベジタリアンにも配慮。エピスリー、ワインセラーもあるので、ホテルで食べるあれこれも調達できるし、お土産品も見つけられる。

19世紀のパリ、自由に商品を手にとって買い物ができる新しい形式の商店として劇場空間のような“デパート”が生まれた時、作家エミール・ゾラは“女性たちの幸福”という名前のデパートを舞台に、『ボヌール・デ・ダム百貨店』という小説を発表した。テクノロジーをサービスにも活用し、ギャラリー・ラファイエット・シャンゼリゼは21世紀の新しい消費の場として、女性だけに限らず、来店者すべてに幸せを約束してくれる。世界で最も美しいと形容されるシャンゼリゼ大通り。昨年末から毎週土曜に行われる“黄色いベスト”のデモが美しさにダメージを与えたけれど、3月末からこの大通りではデモが禁止されることになったのは何よりだ。

Galeries Lafayette Champs-Elysées60, avenue des Champs-Elysées75008 Paris営)10:30〜24:00(日 〜21:00)無休www.galerieslafayettechampselysees.com

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