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【女子のばんそうこう】「いい人止まり」の男子は、幸せの原石。

  • 2019.4.5
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後輩ユウキ君(仮名)の話をします。

彼は穏やかでとても優しい男子でした。会社でも年上には可愛がられ、同期や年下には慕われていました。部下を抱える立場になってからも、会議で部下にアドバイスをした後で「あゆみさん…俺、強く言い過ぎましたかね」と気にしていて、私なぞ「えっ…あれで強く言ったうちに入るなら私なんてヤクザだよ…アンタ優しすぎかよ!!」とのけぞったくらいです。 そんな「すごくいいヤツ」な彼の悩みは、長いこと彼女ができないことでした。その理由は、サシ飲みした時、彼が私にこぼした言葉がすべてです。

「いわゆる『いい人』止まりなんですよ俺…こっちがいいなと思ってアプローチしても、恋愛に発展しないんです」

何しろ同僚女子たちでゆく海外旅行に声がかかり、毎年たった1人だけメンバー入りする男です。うらやましいようでうらやましくない。女子にとっては安心安全この上ない存在なのでしょう。いわゆるイケメンというわけでなはく、オスオスしいわけでもなく、トークに長けているわけでもなく、むしろ「関西人なのに面白くない!」なんてムチャを言われてしまうタイプのユウキ君でした。

「気持ちは分かる。特に20代の今、君みたいな『いい人』は絶対的に不利だと思う。だけど心配すんな。ユウキ君の人としての優しさと誠実さは、間違いなくかけがえのない美点だから。そのことに、女たちがいつか必ず気づくから。焦らなくて大丈夫、モテ期は来る!」ずいぶん年上の私は、相談を受けた時そんなふうに彼を励ましました。フォローではなく、本心からそう思ってたから。

数年後。そう、数年かかったけれども、ユウキ君にはやっと彼女ができました。彼はわざわざその子を私に紹介してくれたんですが、彼女はこんなふうに言っていました。
「今まで恋愛で当たり前だと思ってた辛いこととか我慢しなくちゃいけないことが、何もないんです。こんなに穏やかな恋愛ってあるんだなあって…
ああ、これはきっと続くな…と私はホッとしました。
その後しばらくしてユウキ君に会った時、「最近彼女の好きな○○(某人気アーティスト)の曲を聴くようになったら彼らが好きになっちゃいまして…」と照れくさそうに笑っていました。その次に会った時は、彼が少し前からハマッていたマラソンを彼女もやるようになり、今度一緒に大会に出るのだと教えてくれました。
そこから彼らが結婚するまで、あまり時間はかかりませんでした。いま、彼らは彼女の実家の近くに家を買い、子供も生まれて幸せに暮らしています。

「いい人」って、確かにちょっと物足りないです。
気の利いたトークもない。華もない。フェロモンもない。サプライズもあまりない。人畜無害。「私のこといちいち気にしないで、男らしくガンガン行ってよ!」とも思ったりする。
だけど彼らは、本当に得がたい長所を持っているのです。地味で「いい人止まり」の男子こそ、あなたと幸せな日々を一緒におくれるひと、かもしれないのです。

激流のような恋ではなく、長く続けたい、結婚まで見据えたい、という関係を作りたい場合、条件として求めた方がいいのは絶対的に「人に優しいかかどうか」だと私は思います(「女に」じゃないよ、「人に」だよ)。

結婚はときめきだけでは続きません。それはすぐに「生活」そのものになってゆきます。そして自分たちも身内も、若くて健康なままではいられません。出産、子育て、親の衰え、互いの病気…あらゆる不測の事態は確実にやってくるわけです。
そんな時に「人に優しい」「相手の痛みが分かる」「身内への気づかいがある」というのは、ものっっっっすごくプラスなのですよ。例えば育児でヘトヘトなあなたに「あー疲れた!俺のメシは?」と言う人なのか「体調大丈夫?俺やろうか?」と言う人なのか、この違いはデカいのです。

そう、長い目で見たら面白い、かっこいい、物知り、強い、オシャレ…そんなものはぶっちゃけどうでもいい。それより「優しい」が最強なのです。
もちろん結婚してから学んで良く変わる人もいるけれど、最初からその「優しさ」を持っているなら苦労してあーだこーだすり合わせる必要がない分、夫婦間のストレスがずっと少ない気がします。

今すでにもてはやされている華やかな長所の方が確かにメリットも魅力も感じやすい。しかし、地味だけど稀有な長所を持った「いい素材」を大切にして「いい男」に育ててゆくのもまた、最高なんじゃないかと私は思います。 「優しさ、真面目さ、誠実さ」という土壌からは、後からいくらでも大きな花が咲くはず。その気になればルックスも、面白さも、共通の趣味も、どんどん咲いてゆくかもしれない。だから皆さん、あなたの近くのユウキ君を、どうかスルーしないようにして下さい。

今日のおたより

★あゆみさん、こんにちは
初めてメッセージをさせて頂きます、花と申します。毎回更新を楽しみにしております。
私は、商社に勤めており、割と男社会の中で、以前は秘書等をしていて俗に言う「いい女の子」という価値観を期待されて、あまり違和感もなく体現していました。ですが、2年前、今後のキャリアを見据え、社内試験を経て総合職に転換し、男女(おとこおんな)にならず、媚びず、しなやかな女性でありたいと思い、いつもあゆみさんの力強いメッセージに励まされ、勇気を頂いています。特に、年末の「後ろに引き戻す黒い手をふりほどけ」は、疲れた時に何度も読んでおります。 最近は、仕事が忙しさから、恋人と別れてしまう悲しい事もありましたが、まだまだこれから、自分らしく好きなことをどんどんやって行きたいと思います!
これからも、私たち女子へのあたたかいメッセージ、傷ついた時はばんそうこう、よろしくお願い致します!また良い恋が出来たら報告させてください。(花 33歳)

◎花さんこんにちは!おたよりありがとうございます!何度も読んで頂いてるとのこと、とても嬉しいです!
秘書からの総合職への転換…素晴らしいですね。もちろん秘書というのも大切で立派なお仕事ですが、「いい女の子」を体現し続けることへの違和感や将来的な不安があったら、チェンジをしたいですよね。まだまだ男性的価値観が跋扈している社会ではありますが、女だからどう、というよりも、花さんが花さんらしく仕事ができることを心から願っています!キャリアチェンジ、これまでの恋人との別れ…大変だけどこれはもう「新生・花」への華麗な幕開け、新しいチャンスとの出会い大キャンペーン!ってことですよ。いいなあ!めちゃくちゃワクワクして毎日を過ごして下さいね。そして膝こぞうをすりむきそうになったらいつでもここに遊びに来て下さい!(あゆみ)

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