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シェフが夢見るグルメ大国、最旬レストラン4軒。【ラスベガスの今】

  • 2019.4.5
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シェフが夢見るグルメ大国、最旬レストラン4軒。【ラスベガスの今】
2019.04.05 08:00
砂漠に囲まれたこの街が、実はグルメ大国だということはあまり知られていないかもしれない。ショウビズの街の名に恥じない、エンターテインメント性あふれるプレゼテーションから、ファームトゥーテーブルは当たり前、オーシャントゥーテーブルを実現するなど、壮大な取り組みがそこかしこで行われている。

次の料理長は誰? 毒舌シェフの人気TV番組をそのまま再現。


スコットランド出身の星付きシェフ、ゴードン・ラムゼイ。イギリスでの人気はもとより、アメリカでもラスベガスだけで5店舗を持つ、世界的なセレブリティシェフの一人だ。


「ヘルズキッチン」は、イギリスからアメリカへと渡った同名の人気のテレビ番組をモチーフにしたレストラン。ゴードン・ラムゼイの元に集められた若手シェフが毎週課題を与えられ、審査によって脱落者が決められていく。そして最後に残った勝者に、レストランの料理長のポストが用意される。18年1月にオープンしたこのレストランの料理長を務めているのが、最新シーズンの勝者だ。一度は食べてみたいと思わせる番組中の勝者の料理と、監修を務めるゴードン・ラムゼイの絶大な人気も相まって、連日列ができるほどの人気だ。


まるでスタジオセットのような広いフロアは、300席を超える。メニューは一年ごとに変わるシェフの得意ジャンルにより変化していく。現在の勝者であるシェル・トリブルシェフは、ダラス出身。自身の家庭料理をベースにし、メキシコ料理の影響の強いテキサス州らしい、スパイス使いが特徴的だ。また、ゴードン・ラムゼイのシグニチャーであり、イギリスの伝統料理「ビーフウェリントン」、牛肉のパイ包みは必ずオーダーしたい。イギリスの伝統的なお菓子、トフィーを使った「スティッキートフィープディング」は、彼の数ある他店舗でも定番のメニューだ。


さらに、テレビ番組さながらの派手なプレゼンテーションも楽しみのひとつだ。ウィスキーがスモーク立ち込めるガラスケースに入れられてサーブされたり、カクテルには毒舌で有名なゴードン・ラムゼイの番組中の名言が書かれた紙が添えられていたり、食事の楽しみが倍増する仕掛けがたくさん用意されている。番組やシェフのキャラクターを知っている人はもちろん、知らずに訪れてもエンターテインメント性は抜群。シェフの交代によるメニューの変化も楽しめるだろう。

ヘルズ キッチン(Gordon Ramsay Hell’s Kitchen)
Caesars Palace,  3570 Las Vegas Blvd,  South Las Vegas, NV 89109
https://www.caesars.com/caesars-palace/restaurants/hells-kitchen#.XGE-xc_7Q0R

「料理の鉄人」でお馴染み、 圧倒的人気を誇る日本のセレブシェフ。


世界で最も有名な和食料理人の一人である、森本正治もここラスベガスに店に構えている。名前を聞いて、まずテレビ番組「料理の鉄人」を思い起こす人が多いだろう。ロバート・デ・ニーロらが経営する「NOBU」ので腕をふるっていたことでも有名だ。放送中のアメリカ版「アイアン シェフ」にも、和の鉄人として名を連ね、アメリカでの和食料理人としての知名度は群を抜いている。現在NYを拠点に活躍し、全世界に店舗をもつが、アメリカで唯一の鉄板焼き店がラスベガスのMGMグランド内にある「Morimoto」だ。


森田恭通の写真が飾られた店内は、バースペースの他、寿司カウンター、フロア、そして鉄板焼きカウンターと使い勝手の良いスペースに分かれている。店内奥にある鉄板焼きスペースは、鉄板の周りをぐるりと囲むように席がつくられ、料理人の手もとが目の前で堪能できる特等席だ。


メニューは森本シェフらしい、工夫を凝らした創作和食。前菜の「ツナタルタル」から、テレビ番組のように華やかなプレゼンテーションで提供される。こだわりは見た目だけではなく、小さなヘラでトロと薬味をすくい取り、少量ずつ口にすると、日本産マグロの滑らかさをより味濃く感じることができる。


食材は世界各国から調達しているが和牛人気はここラスベガスでも健在。店内にはサシの入った肉が置かれた肉用保管庫もある。「宮崎牛のステーキ」は、素材と火加減が物を言うシンプルなメニューだ。


ほかに、耐熱用フィルムに包んで旨味を逃さず調理する和風ブイヤベースや、鉄板でつくるミニすき焼き、鰤を乗せたビビンパ、またデザートには自分でクリームを注入するドーナツなど、最後まで驚きの連続だ。ラスベガスで味わうことで、鉄板焼きが和食の一大エンターテインメントであることを感じさせられる。

モリモト(Morimoto)

MGM Grand, 3799 South Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89109 
https://www.mgmgrand.com/en/restaurants/morimoto.html

セレブシェフのパイオニアは、進化し続けるアカデミーシェフ。


ラスベガスの象徴でもある、ベラージオの噴水ショーを眺める一等席に、18年5月にオープンしたレストランが「スパーゴ」。その名を聞いてピンときたかもしれない、それもそのはず、80年代にアメリカで“セレブリティシェフ”の分野を築いた、オーストリア出身のウルフギャング・パックスによるビバリーヒルズの有名店「スパーゴ」の待望の新店だ。


ラスベガスの新店舗でも、サンタモニカのファーマーズマーケットで仕入れた素材を使った野菜や、ナチュラルミート、フレッシュなシーフードなどを使用した、モダンカリフォルニア料理を受け継いだ。素材を生かし、ヘルシー志向の高いカリフォルニアの空気を感じるメニューが揃う。


シグニチャーメニューの一つが、竃で焼いたピザ。ふんわり軽い食感のピザ生地に、スモークサーモンやサワークリーム、ディルなどをトッピングした。またトリュフがたっぷりかかったハンドメイドのパスタなど、本格的なモダンイタリアンが味わえる。他にも、豪快な地鶏のローストやわらかなラムチョップのほか、オーストリア名物シュニッツェル(カツレツ)も外せない。


目にも美しい料理が続くが、そのなかでも「ザ・ストロベリー」は、特にフォトジェニック! キューブ型にチョコレートコーティングされたイチゴの中は、イチゴのムースとコンフィチュールがたっぷり詰められ、酸味と甘みがミックスした繊細な味わいだ。


ウルフギャング・パックは、アカデミー賞授賞式のディナー総責任者であることでも広く知られている。いわゆるアメリカ的なイタリアンとは全く別物であり、伝統的なイタリアンとも異なる素材合わせには、嬉しい驚きがある。ハリウッド最高峰のセレブが食すメニューを、一度は味わってみたい。

スパーゴ(Spago)

Bellagio, 3600 South Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89109 
https://www.bellagio.com/en/restaurants/spago-by-wolfgang-puck.html

夢心地なショーを見ながら、砂漠の真ん中で絶品シーフード。


フレッシュなシーフードは海辺の町で、なんて思い込みはこのダイナミックな街には不要。ホテルウィン内にある「レイクサイド」では、砂漠に囲まれた内陸地ラスベガスで、絶品のロブスターからオイスターまで、何だってフレッシュだ。


その理由は、ホテル専用の船をハワイ沖に所有し、驚くほどのインフラで24〜28時間以内に日々このレストランに届けられているから。メニューに並ぶ「スコティッシュブルーロブスター」や「キングクラブ」まで、新鮮なシーフードがチョイスできる。またシーサイドレストランのように、氷が敷き詰められたプレートにシュリンプやオイスターなどが並ぶ「シーシェルプラター」も。メニューには、「マヒマヒ」などのハワイ沖ならではの魚もある。


また、無料でショーが楽しめるのも人気のひとつだ。音楽と光、プロジェクションマッピング的な仕掛けを駆使したさまざまなショーが、30分ごとに始まる。見たことのない独創的な世界は、ラスベガスの「夢」がテーマ。砂漠の真ん中で絶品シーフードをいただき、ショーを見ながらラスベガスの夢に想いを馳せる……そんな夜はいかが?

レイクサイド(Lakeside)

Hotel Wynn, 3131 South  Las Vegas Blvd, Las Vegas, NV 89109
https://www.wynnlasvegas.com/Dining/FineDining/Lakeside


取材協力: ラスベガス観光局

Editor: Saori Asaka

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