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結婚しない選択、本当に大丈夫?独身で迎える老後のお金の問題をFPが解説

  • 2019.4.4
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こんにちは、婚活FP山本です。最近では、したくてもできない婚活難民もよく聞く一方、当初から「結婚なんかしない」と考えている声もよく聞きます。

結婚は相手あっての物種ですから、できるか否かは結果論です。ただ、FPとして先々を見据えるプロから言わせれば、できるなら結婚はした方が無難といえます。

そこで今回は、結婚しない選択について、特に老後を焦点にしてお伝えします。あなたの人生に、お役立て下さいませ。

結婚しない人、できない人の割合は約20%

まずは結婚しない人、できない人について統計を通してお伝えします。50歳までに一度も結婚したことのない人の割合を「生涯未婚率」といいますが、国立社会保障・人口問題研究所の2019年「50歳時の未婚割合」によると、女性は14.06%というのが結果です。

ちなみに男性は23.37%となっています。同調査の約半世紀前(1960年)の結果では、女性の生涯未婚率は1.88%、男性は1.26%でしたから、いかに未婚率が上がってきたかが分かる結果です。男女を平均すれば、大体20%程度の人は結婚していない事になりますね。

およそ5人に1人が結婚していない……逆にいえば5人に4人が結婚しているため、まだ結婚する方が「普通」かもしれません。ひとまず、この実情は知っておきましょう。

生涯未婚率は今後も増える予測アリ

先ほどの調査では将来の予測推計も発表されています。それによると、そう遠くない未来の2025年には、生涯未婚率は男性で28.5%、女性で20.8%となる見込みです。その先も生涯未婚率は増加する一途となっています。ますます、結婚する人は減っていくようです。

結婚しない人、できない人にとっては「仲間が増えていく」訳ですから、むしろ嬉しい結果かもしれませんね。少なくとも、これも一つの実情として、しっかり受け入れましょう。

結婚しない理由は「適当な異性と巡り合わない」

次は結婚しない、できない理由に関する統計をお伝えします。先ほどと同じく、国立社会保障・人口問題研究所の2015年「出生動向基本調査」によると、男女共に結婚できない最たる理由は「適当な相手にめぐり合わない」が結果です。実によく聞く理由かもしれませんね。

ただし「結婚したくてもできない」場合は、「結婚資金」が一番の理由に挙がっています。そもそも適当な交際相手と出会えない、仮に出会えても今度はお金がない……少なくとも、結婚に前向きな人の苦しみが伝わってきそうな結果といえるかもしれません。

そして、こういった問題を解消しきれなかった約2割の人が、本当に結婚できない人生を歩むところに繋がっているのが現実です。あなたの人生に結婚はあるでしょうか。

言い訳を続けたらどうなるかを考えよう

交際相手と出会えない、お金がない……他にも「結婚できない理由」を挙げだしたらキリがないのが現実です。そして「だから結婚できなくても仕方ない」と、自分を納得させるのは簡単な時代ともいえます。ただ、その先に幸せな人生は待っていてくれるのでしょうか。

少なくとも、結婚したい上でできない理由があるなら「問題解決のための努力」は大切です。出会いに出かける、収入を増やす……思いついたところから始めていきましょう。

未婚が増加=結婚しないでも大丈夫…ではない

今度は結婚しない人にありがちで、少し危険なポイントをお伝えします。先ほど触れた通り、結婚しない・できない人が増えているのは確かな事実です。ただ、だからといって「結婚しないでも大丈夫」と簡単に考えてしまうのは危険といえます。気持ちは分かりますけどね。

またこういう人は、婚活の苦しみや既婚者のグチなどを聞くたびに、さらに「結婚(婚活)しなくて正解だった」と考えがちです。同じく未婚の友人などと話が合えば、尚更でしょう。

結婚は「いつでもできる」ものでもない

結婚する、しないを選べるのは「モテるうち、若いうち」だけです。そう遠くない未来では「結婚したくてもできない」状況に変わります。そして、このような状況に陥れば結婚したいと心変わりしても、強制的に未婚の人生しか選べなくなってしまうのが現実です。

少なくとも「今は」結婚しない、したくない気持ちは本当でしょう。しかしその選択は、後々の人生にも大きく影響してきます。「そこまで考えてなかった」と過去を後悔しても、老いてしまえば手遅れです。そして多くの未婚者からは、実際に後悔している声もよく聞きます。

結婚するもしないも含めて、どう生きるかは本人の自由です。ただ、結婚するしないの選択も、一種の後戻りできない決断になりますから、慎重に考えることを強くお勧めします。

結婚しない最大のデメリットこそが「老後」

そして、結婚しないデメリットについてです。現役中は実感できませんが、結婚しない選択は老後にこそ分かります。あるいは定年後と言えるかもしれません。この点について、ほとんどの独身者は想像すらできないことが多いのですが、考えたことはあるでしょうか。

根拠としては実にシンプルですが、結婚していれば年金は2倍(2人分)です。未婚なら、当然に一人分しか貰えません。そして、一人分では日常生活すら困難であり、しかも年金は減額傾向です。2人分でも安泰ではありませんが……この点、どう対処するつもりですか。

「死ぬまで働く」にも、実際は80歳程度が限度です。「しっかり貯金しておく」のも、定年には間に合わない事が基本となります。このお金の問題を、しっかり考えてみましょう。

なお、老後のための貯金を詳しく知りたい人は以下記事も参考にどうぞ。

結婚しないメリットは「自由な現役生活」

結婚しないメリットは「自由気ままな(現役)生活」です。婚活や結婚で苦労している友人達を見るたびに、さぞ自分の選択が正しかったと感じることでしょう。特に現在は正社員として働き、今はお金の面で苦労がないのなら、尚更にその正しさを信じているハズです。

しかし結婚するメリット、結婚しないデメリットは「老後」にあります。そして結婚は、実質的に若いうちしかできません。今のあなたは、結婚をどのように考えますか。

結婚しないなら、代わりの老後対策が必須

最後は、結婚しないことへの対処法をお伝えします。途中でも触れた通り、結婚するしないは本人の自由です。ただその場合、老後破産の可能性が高いので、結婚に代わる老後対策が必要になります。そして結婚に代わる対策とは、簡単にいえば「定年後の収入源」です。

定年後の再雇用の厳しさを考えれば、普通に正社員を探す方法は楽観視すぎます。すると残るのは相続という例外を除けば、「独立または投資」でしょうか。どちらも相応に資金と経験が必要で、しかも結果は水物ですが、こういった方向性にしか希望がありません。

つまり、結婚しない選択をするなら、代わりに独立または投資を覚悟しなければならないのが実情です。結婚と比べてどちらがラクで確実か、少し考えてみるのはいかがですか。

大半は「未婚では生きていけない」現実

大手の会社員でも国家公務員でも、基本的に勤め人は「定年」を避けられません。定年後の正社員はほぼ無理で、勤めるなら食べるので精いっぱいのバイト、または派遣でしか勤め先が見つかりません。かといって独立や投資で成功できるのは、一握りの人だけです。

つまり大半の人にとっては「未婚では生きていけない」のが現実で、結婚は一種の生命線といえます。それでも、安易に結婚しない選択をしても良いものでしょうか……。

なお、もちろん結婚も「すれば良い」ものではなく、したらしたで別のお金問題が発生します。この点を知りたい方は以下記事も参考にどうぞ。

結婚しない、その先を見据えて考えよう

ある商品を買う、買わないとは違い、結婚するしないは先々の未来にまで大きく影響を及ぼし、しかも後戻りできない決断になります。今どうこうで考えれば、結婚しない方が正解かと考えやすいかもしれませんが、結婚しない場合の老後も視野に入れて判断しましょう。

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