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事実婚は家制度重視より、個人の自由を尊重する結婚制度。経済的精神的自立が大事。【夏目かをるの最強女になる!vol.48】

  • 2019.3.30
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「事実婚」のメリット・デメリットを考察する上で、とても参考になるのは、18年7月、AV男優と事実婚を発表したブロガーで作家のはあちゅうさんのケースです。

法律婚ではなく事実婚を選んだはあちゅうさんと、他にカップルの事例を参考にすると、見えてくるのは、「個人の自由の尊重」と合わせ鏡のような「家制度を重視する法律婚」。

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はあちゅうさんが指摘する事実婚のメリット、デメリット

はあちゅうさんが事実婚を選んだ理由を、ネットのインタビューからピックアップしてみましょう。

・結婚によって姓を変えると、クレジットカード、パスポート、住民票などなど、もろもろの変更手続きが大変。

・フリーランスのため、特に取引先に振り込み先の変更などをしてもらうのも、時間やお金がかかる。

・結婚にまつわるお得な制度(扶養控除、財産分与、生まれた子供は手続きなく認知されるど)は必要ない

※法律婚のメリットとしては、税金の配偶者控除などがあるものの、給与所得が年間103万円以内でないと扶養控除は受けられません。また、年間130万円以上所得があると、社会保険被扶養者から外れるので、自分で申告をして税金を払っているフリーランスには法律婚のメリットである扶養控除は必要なしです。

・子供が生まれたら認知手続きをとればいいと思っている。

・特殊な仕事をしている彼を家族と認めることで、妹から自分の縁談に支障があるかもしれないと言われた(家族からの不満)

・彼の両親に会っていない(相手の家族との関係を深める必要がない)

彼の仕事が特殊だからという理由で、家族から認められることが難しいというのは、悲しいことですが、でもそれは結婚が「家制度」に深く関わるから、悲しいのであって、両方の家族との関係を築いていく“結婚”にこだわらなければ、全く気にしなくてもいいのです。血のつながった家族ですら、「世間に対して誇れない」という理由で疎遠になることもありますからね。

「事実婚は「家制度」「戸籍」とは関係がないので、本人同士の意志さえあればいいのかなと思っている」と、はあちゅうさんも発言しています。

「愛している」を重視したアラフォー女性の事実婚

またアラフォー女性Aさん(40歳)は、5歳年下の彼と「事実婚」を選択しました。

その理由を次のように述べます。

「彼と出会ったのは、今から10年前。30歳の時、つきあった直後に彼がマンションに転がりこんできて、そのまま同棲。当時彼は肉体労働をやっていて、私はSEでした。収入も私の方がはるかに上で、彼と結婚するという気はなかったですね」

その後Aさんはデザイナー会社の役員に。結婚はAさんが35歳、彼が30歳の時に互いの両親から催促されたそうです。

「収入の格差があっても、私は平気だと思いました。でも彼にはそれが許せないみたいで。それだったら、このまま同棲して、妊娠したらデキ婚ということで入籍すればいいと思ったんです」

あくまでもナチュラルな流れで結婚をしたいと思ったAさん。ところが彼に、ある出来事が起こります。

「人間関係でつまずいてしまって。それから派遣に登録して、転々と働く場所を変えています。彼が目指した収入の格差が狭まるどころか、ますます広がっていきました」

いろいろなことが重なり、それがストレスになって、とうとう彼がEDになってしまったそうです。

「そのことを彼は認めません。だから病院にもいきません。私も40歳になって、出産のラストチャンスだと思っていますが、不妊治療のことも彼と相談できません」

でも彼を愛しているから、別れられないとAさん。

「うちの両親が、職を転々としている彼に不信感を抱くようになったので、正月帰省もここ2年ぐらいしていません。でもそれでいいと思っています。彼が少し前向きになってくれて、EDの治療を受けてくれたらと。でも最近はもう、子供を願う気持ちより、彼が元の明るさを取り戻してくれたらと思っています」

彼には、自分はいつも彼の味方であることをわかってもらいたいという理由もあって、Aさんは同棲ではなく「事実婚」であると周囲に話しています。

「家とか、戸籍とか、関係ないです。彼は私の家族。それだけです」

住民票を一緒にすると、自治体から「家族」とみなされる事実婚

「事実婚」というのは、「法律婚をしていないが夫婦である」こと。

Aさんは同居していて住民票が一緒の夫婦にしたいと彼と相談。最初は彼が「世帯主を決めたくない」と住民票を別にしたいと言ったそうです。

「前向きな事実婚にしたいとお願いしたら、住民票を一緒にすることを承諾してくれました。私が彼の一番の味方だということがさらに伝わったみたいです」

事実婚のカップルは、住民票が一緒、別々、さらに週末だけ一緒、あるいは通い婚という形をとっているといいます。

ただ住民票を同じにすると、住んでいる自治体からは家族として扱われるそうです。

「彼と家族になることによって、私たちの関係も変化すると思います」(Aさん)。

「恋愛と結婚は一緒である」を選ぶなら、事実婚?

「恋愛と結婚は別」といわれますが、でも恋愛結婚は、いつの時代でも女性が憧れるもの。家制度に縛られて、自由に恋愛結婚ができない状況にあるなら、「事実婚」を選ぶというのもありです。入籍しなくても、住民票を一緒にすることによって、自治体からのサービスを受けられますからね。

ただし事実婚を選べる人は、経済的にも精神的にも自立していることが大事な条件です。パートナーの収入をあてにしない経済力を持ち、いざとなったら一人でも生きていける精神的な強さをもっている人なら、事実婚で幸せになれますね。

あなたが望む結婚が、事実婚に相応しいかどうかをしっかり考えて、またパートナーと話し合いながら、判断することが大事です。

(夏目かをる)

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