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「ダブレット」井野将之らが織物デザインに挑戦 「フリッツ・ハンセン」の椅子に張り込む

  • 2019.3.28
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京都・西陣を発祥とする1843年創業の老舗織物メーカー、川島織物セルコンは、青木明子「アキコアオキ(AKIKOAOKI)」デザイナー、井野将之「ダブレット(DOUBLET)」デザイナー、堀内太郎「タロウホリウチ(TARO HORIUCHI)」デザイナーの3人に織物のデザインを依頼し、デンマークの家具メーカー「フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)」の代表作エッグチェアに用いる企画を実施した。それらの作品を展示する「織物屋の試み展―ファッションデザイナー編」を「フリッツ・ハンセン」青山本店で開催中だ。

引箔(ひきばく)とビロード織を使用して花柄をデザインした青木明子デザイナーは、「川島織物セルコンの工場で見つけたビロード織を使用して、鏡のような生地を作りたいと思った。すばらしい匠の技により、新しいことに挑戦できた」と語る。また、レンチキュラーシートを引箔で織り込み、自身のブランドでも使用している“見る角度で変化がある”生地の織物バージョンに挑戦した井野将之デザイナーは、「見ただけでは座り心地が想像できない、だまし絵のような柄の椅子にしたかった。それを実現した川島織物セルコンの技術力は半端ない」。そして、川島織物セルコンの資料館で見つけた緞帳の下絵をインスピレーション源とした堀内太郎デザイナーは、「昔の緞帳の制作工程で職人が描いた下絵に美しさを感じた。このプロジェクトでいろいろな発見があった」とコメントした。

川島織物セルコンの山口進社長は同プロジェクトの目的について、「これまで当社は受注業務が中心だったが、未来を考えたとき、自社が主導して新しいモノを作り、発信していかなくてはいけないと思った。当社の強みである長年培ってきた伝統の技術力をどのように発展させていくかが課題だ。そこで、これまで経験がないことをやろうと考えたとき、当社と接点がなかった次代を担う新進ファッションデザイナーと組むとどんな新しいものが生まれるか興味を持った。制作過程でいただいた無理難題は、当社のこれからの発展につながるだろう」と話した。

また同社は、織物の未来と100年後の企業像を考える活動の1つとして、4月9日から14日までイタリアで行われる「ミラノデザインウィーク2019」に初出展する。琳派の画家である神坂雪佳の作品「百花」を題材とした織物を、グラフィックデザイナーの廣村正彰によるインスタレーションで表現する。

■織物屋の試み展 – ファッションデザイナー編 –
日時:3月28日~4月7日
開催場所:フリッツ・ハンセン青山本店
(東京都港区北青山3-10-11 B1 & 1F)

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