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伝説の家政婦に学ぶ「簡単シンプルなのにおいしい」料理も子育てもあきらめないレシピ

  • 2019.3.25
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依頼者の家庭に出向き、冷蔵庫にある食材だけで、家族構成や好みに合わせて3時間で1週間分の作り置き。

その料理の腕と手際の良さで話題の、「予約が取れない伝説の家政婦」タサン志麻さんは、テレビや雑誌など幅広いメディアで活躍するほか、料理教室やレシピ開発も手がける、フランス人の夫と1歳の息子さん、2匹の猫と暮らすママです。

そんな志麻さんの新刊が、初のエッセイ付きレシピブック『厨房から台所へ 志麻さんの思い出レシピ31』(ダイヤモンド社)。フレンチの世界で長年シェフを務めていた志麻さんが、今の仕事をするにいたるまでどんなことを考え、どんな人生を送ってきたのか? 思い出のレシピとともに、幼少期から振り返る一冊です。

タサン志麻さん プロフィール


大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業し、ミシュランの三ツ星レストラン(ジョルジュ・ブラン)での研修を修了。その後、日本の有名フランス料理店等で15年働く。2015年にフリーランスの家政婦として独立。「予約が取れない伝説の家政婦」と呼ばれるようになる。2017年2月、『沸騰ワード10』(日本テレビ系)で一躍話題となり、2018年5月、NHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』でその仕事ぶりが放映され、クール最高視聴率を記録。現在も家庭に出向き、冷蔵庫にある食材で家族構成や好みにきめこまかく応じた料理に腕をふるうほか、「つくりおきマイスター養成講座」の講師や料理教室、食品メーカーのレシピ開発などでも活動。フランス人の夫と子どもと3人で暮らす。著書に、第5回「料理レシピ本大賞in Japan 2018」料理部門で「入賞」した処女作『志麻さんのプレミアムな作りおき』などがある。
【タサン志麻ホームページ】
https://shima.themedia.jp



■タサン志麻さん「フランス料理との出会い、妊娠を機に新しい世界へ」

海と山に囲まれた、自然豊かな山口県で生まれ育った志麻さんは、生活や遊びの中に自然と食べ物があったといいます。それがのちにフランスに惹かれていくことにつながったのだとか。



志麻さんのお母さまは、看護師として忙しく働きながらも、常に新しい料理に挑戦。子どもたちにも幼い頃から包丁を持たせ、志麻さんは料理やお菓子をつくることが自然と好きになっていったそう。



その後、料理人を目指して、調理師専門学校の門を叩きます。そのなかでフランス料理に興味を持ち、フランス・リヨンへ料理留学。



世界中から人が訪れる三ツ星レストランで修行し、帰国後も日本のフレンチの有名店で働いてきた志麻さん。フランスの家庭で過ごしたような、飾らないシンプルな料理と会話を楽しむ時間をつくるのがやりたかったことだと気付いたそう。

そして妊娠を機に、子どもが生まれてからも自分のペースで料理に関わり、今までの経験を生かせること、と考えついたのが家事代行の仕事でした。



器具や材料、道具などが揃っていない、さらには家族構成や環境も違う、さまざまな家庭で料理をすることは難しいこと。でも日々の食事にある背景をくみとり、食べる人に合わせて料理をつくるのは、自分の家族を思ってつくるのと同じ。だからこそ、志麻さんのレシピは忙しいママにも役立つものになっているのだと思います。





■シンプルで簡単なのにおいしい「フレンチ料理店で学んだコツ」

料理のタイミングを大切にし、仕上がりをイメージしてムダのない仕事をすること、きれいなキッチンを保つことなど、フレンチの名店で学んだことが今でも仕事のベースとなっているという志麻さん。



そのひとつが塩加減。同じ材料でも季節や産地によって変わるので、分量よりも感覚で覚えるそう。そのほか塩をするタイミング、洗いものの仕方や火加減なども、普段の料理づくりを段取りよくしてくれるポイントです。



シンプルなレシピで美味しくするコツも数多く紹介。材料が少なくても、手間がかかっていなくても、材料の上手な使い方や盛り付け方などを教えてくれているのもうれしいところ。ポイントを押さえて、手をかけるところはていねいにするのが大切なのだそう。


フランスでは、小さいときから野菜のピュレやポタージュを食べているからか、野菜嫌いの子どもは日本に比べて少なく感じるという志麻さん。野菜嫌いの子どもには、じっくり煮込んでくさみを消すのもポイントだそう。


またしっかり煮込んでいる料理は、冷凍にも向いていて作り方も簡単。実は、野菜を切って肉を焼き、ワインやコンソメを入れて火にかけるだけのフランス料理は、コトコト煮込んでいる間に子どもと遊んだり、家事もこなせるというのも目からウロコです。

簡単だけど手抜きではない。段取りよく、できるだけ簡単においしいものがつくれたら、料理は楽しいと思えるといいます。





■子どもを子ども扱いしない「志麻さんの子育て」


日本で出会ったフランス人の男性と結婚した志麻さん。子どもを子ども扱いせず、一人の人間として接する。そんなご両親の教育がフランスの子育てに似ているところがあったため、フランスの文化を違和感なく受け入れられたといいます。

息子さんは生まれたときから一人で寝かせて、大人の時間をしっかりつくることで、ストレスなく子育てができているそう。



志麻さんは、子どもにも大人が食べておいしい料理を食べさせたいと、離乳食もフランス流に野菜のピュレからスタート。大人の分と別々につくることはせず、塩分は控えめにしながらも、一緒に食べるようにしていたそう。

例えば、ステーキの付け合わせにもよく使われるじゃがいものピュレは、肉巻きやサラダに変えると子どもが食べやすい料理になるほか、グラタンやサラダなど、さまざまな料理にもアレンジが可能です。



仕事での葛藤や悲しい流産など、これまでの人生を包み隠さず綴っている志麻さん。本書には志麻さんの人生が、思い出のレシピとともにぎゅっと詰まっています。

また料理で失敗したときのカバーの仕方や、あるもので代用する方法など、志麻さんのお仕事ならではのアイデアも満載。日々の食事作りのヒントにもなる、忙しいママも必読の一冊です。

参考図書:
『厨房から台所へ 志麻さんの思い出レシピ31』(ダイヤモンド社)


伝説の家政婦・志麻さん初の書きおろし料理エッセイレシピ本! 母の餃子、おばあちゃんのお煮しめ、フランスのママン直伝のキッシュ、
三ツ星フレンチレストランのまかない料理(ゆで鶏のシュープレームソース)、つくりおきの人気レシピ、初恋の人へ送ったスイーツ…あの志麻さんのルーツとなったレシピを初公開した一冊。


(赤木真弓)

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