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石本藤雄の自然美と琳派が、京都・細見美術館で競演。

  • 2019.3.18
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石本藤雄を知っているだろうか?人気テキスタイルブランド「マリメッコ」に在籍した32年間で400点を超えるテキスタイルデザインを生み出し、現在は老舗陶器メーカー「アラビア」のアート部門で陶芸家として活動中。日本人でありながら、フィンランドデザインを牽引しているアーティストだ。その石本の、マリメッコ時代のファブリックから新作陶器までが展示される『石本藤雄展 マリメッコの花から陶の実へ』が、京都・細見美術館で開催されている。

マリメッコのテキスタイルデザイナーになってすぐの1975年にデザインされた『オンニ(幸せ)』。マリメッコの提案により、今春リプロダクションされた。

本展は、石本の地元である愛媛を皮切りに、京都、東京を巡るうちの第二弾。いちばんの見どころは、細見美術館が誇る日本でも有数の琳派コレクションと石本作品の大胆な取り合わせだ。可憐な撫子が咲き誇る『撫子図屏風』は、故郷の草むらに寝転んだ記憶を元にした『レポ(休息)』のファブリックと。鈴木其一の『桜下花雛図』には、雛人形に見立てた小さな『蜜柑』のオブジェをふたつ。まるまる太ったアヒルを描いた鈴木其一の『水辺家鴨図屏風』の前には、福々しく艶やかな『冬瓜』のオブジェを転がして。「琳派との対話」とタイトルにあるように、まさに作品同士が響き合うような展示に引き込まれる。

また、マリメッコ時代の厳選したファブリックのインスタレーションや、デザインの基になった原画を展示するほか、関連企画として、館内の茶室での特別展示や茶会、京町家を改装した宿泊施設「京の温所岡崎」にて石本作品を身近に鑑賞できる特別宿泊プランなども。見るものを優しくあたたかな気持ちで満たす石本藤雄の世界を、春の京都で存分に楽しもう。

鈴木其一『水辺家鴨図屛風』江戸後期細見美術館蔵

上の琳派の作品の前に展示したのがこちらの『冬瓜』。愛知県の田舎の温泉地で、床の間の正月飾りとして置かれていた冬瓜がインスピレーション源。©Chikako Harada/Fujiwo Ishimoto

2017年春、故郷の愛媛県砥部町を訪れた際に、野原にいっぱい咲いていた越年草、オオイヌノフグリをモチーフにした3×2mの新作『オオイヌノフグリ』。©Chikako Harada/Fujiwo Ishimoto

デフォルメが得意な中村芳中の作品の前には、愛らしいレリーフ「赤白花」を展示している。中村芳中『立葵図扇面』江戸後期細見美術館蔵

学生時代に、琳派を代表する俵屋宗達の作品に衝撃を受け、自分自身の美をどう表現するか考えるきっかけになったという石本。今回の展示について「琳派の人たちの植物に対する見方など、僕自身、新しい発見があった」と話す。

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