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【スノードロップの花言葉】誤解されやすい花の本当の意味を解説

  • 2019.3.11
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スノードロップの花や花言葉を大特集!

スノードロップは普段あまり見かけることがないですが、良いものから悪いものまで色んな逸話がある花なんですよ。

なんだかミステリアスなスノードロップに興味が出てきませんか?今回はそんなスノードロップについてご紹介します。

スノードロップについて

スノードロップとはヒガンバナ科という単子葉植物に分類され、学名はガランツス・ニヴァリスでガランサス属に属しています。

約15cmの華奢な茎に、一輪の下向きの白い花を咲かせます。まるで、雪のしずくの耳飾りのようでとても可憐な印象ですね。

スノードロップの花は3枚ずつの外側の花被と短い内側の花被から構成されていて、これを六弁花と言います。夜は花びらを開けて、昼間に溜めておいた温かい空気を保存するように花弁を閉じるんですよ。

スノードロップの有毒部分

スノードロップの有毒部分は球根で、有毒成分のガランタミンは同じヒガンバナ科の植物のスイセンにも含まれています。中毒症状はめまい、嘔吐、下痢です。

スノードロップの文化

スノードロップは南ヨーロッパのカフカス地方原産です。カフカス地方は黒海とカスピ海に囲まれ、カフカス山脈がそびえ立つ晴天が多い乾燥した国なのですよ。

日本へは、明治時代末期から大正時代初期に渡ってきました。スノードロップは純潔の象徴で昔から修道院でよく育てられ、跡地でも生えているのを見られることも多いです。

2月2日に行われる聖燭祭という奉献の日にスノードロップを祭壇で撒くのが習わしで、イギリスでは聖燭祭のスノードロップをボウルいっぱいに持ち帰ると、家が清められるという言い伝えがあります。

春の訪れを告げるスノードロップ

スノードロップが咲く時期は2月~3月で早春の花です。

スノードロップが咲き始めるということは、冬が終わり春がもうすぐということです。

間違われがちなスノーフレーク

スノーフレークはスノードロップと同じヒガンバナ科。

地中海沿岸地方原産で、3~5月のスノーフレークの時期の終わりに咲き始めます。

見た目はスノードロップと非常に似ていますが、より丸みを帯びていて、花びらの先がフリルのようになっているのがスノーフレークです。

和名は「大待雪草」、別名は「鈴蘭水仙」です。1月23日、1月28日、2月17日、4月16日、12月19日の誕生花。花言葉は「純潔」「純粋」「汚れなき心」です。

アダムとイブの伝説

キリスト教の聖典とされる旧約聖書にもスノードロップは登場します。

最初の人類であるアダムとイヴ。禁断の木の実を食べて楽園を追放され、初めて迎えた地上の冬の寒さに凍えていたのを慰めるために、天使が「もうすぐ春がくるから、絶望してはいけません。」と降る雪を全てスノードロップに変えたと言われています。

そして春が訪れたことから、スノードロップは希望を連想させる花になりました。

ルーマニアのマルティショール

マルティショールとは、毎年3月1日にあるルーマニアの伝統的なお祭りです。

男性が気になる女性に対してちょっとした贈り物をするイベントがあるのですよ。そのちょっとした贈り物に、スノードロップのモチーフがついたカードが人気です。

ドイツの良い言い伝え

ドイツの昔話でこんなものがあります。

遠い昔雪は無色なのでした。雪はそれを悲しみ、色とりどりの花々に「どうか無色の私に色を分けてください」と頼みましたが、分けてくれるような優しい花は一輪もいませんでした。

そこにスノードロップが現れ白い色を分けてあげたのです。雪はそのお礼にスノードロップを春一番に最も美しく咲くようにしたのでした。

スコットランドの良い言い伝え

スコットランドでは、スノードロップは春を告げる花として国民から愛されています。

男性は年が明ける前にスノードロップを見つけると、次の年には幸せが訪れると言われています。

スノードロップの名前の由来

名前の由来は耳飾りから?

「Snow Drop」を直訳する「雪のしずく」ですよね。

16~17世紀のヨーロッパの女性の間でよく身に着けられていた、「ドロップ」という涙滴型の真珠のイヤリングに似ていたことから呼ばれるようになりました。

学名の由来はギリシア語に由来する

学名のガランサス(Galanthus)というのは、ギリシア語で乳を指す「Gala」と花を指す「Anthos」を合わせたもので乳の花という意味になります。

種小名のニヴァリス(Nivalis)はラテン語で雪を指すNivisを語源としていて、「雪の中や近くに成長する」という意味があります。

日本での別名

スノードロップの日本での別名は「待雪草」「雪の花」という美しい名前があります。スノードロップの清らかできれいな姿にぴったりの別名です。

スノードロップの特徴

スノードロップの園芸分類は球根、草花。形態は多年植物という複数年に渡って個体として生存する種類です。

秋になると地中に根を伸ばし、だんだん寒くなってくると芽を出す準備を始めていきます。

そして早春になるときれいな花を咲かせるんですよ。耐寒性は極めて強く、夏は休眠に入ります。

スノードロップは家庭でも栽培しやすい

スノードロップは一度植え付けると、手入れも少なく済み育てやすい植物です。種から育てる方法もありますが、年単位で時間がかかってしまうので球根からの栽培をおすすめします。

球根を植える時期は秋です。球根は傷が少なく、重く中身の詰まったものが良いのでそのようなものを見極めて選んでくださいね。

水やりは土の表面が乾かないようにたっぷりと与えてあげてください。

スノードロップを育てるポイント

スノードロップは日当たりの良いところで育てましょう。しかし、暑いと弱ってしまうので直射日光は避けてくださいね。

また、土は水はけが良い有機物が豊富な用土なら更に良いです。土の表面が乾かないようにたっぷり水を与えてあげてください。

冬は休眠中ですが、球根が悪くならないようにときどき水やりをするのも忘れずに。

育てる上で気を付けること

スノードロップを育てる上で一番注意を払わなければならないのが病気です。

特になりやすいものが「灰色かび病」です。湿気の多い梅雨時によく発症し、葉や茎が灰色に腐ってしまいます。予防法は葉や茎を避けて水やりをすることと、鉢植えなら風通しの良いところに置くことです。

また、傷んだところには病原菌が残っているかもしれないのでこまめに摘むことをおすすめします。

花言葉とは何なのか

花言葉はどうしてできたのか

花言葉の発祥は諸説ありますが、17世紀のトルコだと言われています。

トルコでは恋人へのプレゼントの花に自分の思いを込めて贈る習わしがあり、それが広まったのだそうです。

そしてその国々独自の花言葉が生まれました。

日本においての花言葉

花言葉は海外発祥なので、それが渡ってきたのは近代化を推進した19世紀末の明治時代初期だとされています。

当初は海外の花言葉をそのまま使用していましたが、花言葉が大衆にだんだん認知されていくと、日本人独自の花言葉ができていきました。

スノードロップの花言葉とは?

スノードロップの全体の花言葉は「希望」と「慰め」です。

アダムとイヴの伝説からきていて、天使が舞い散る雪をスノードロップに変えて「希望」を持たせたことと、寒い冬を超えたらもうすぐ暖かい春がくるからと「慰め」たからこの花言葉になったのです。

これは由来は定かではない花言葉なのですが、「初恋のまなざし」というものがあります。スノードロップの花が下を向いている見た目から、照れているのを連想させるからではないでしょうか?

スノードロップの怖い言い伝え

女性が摘むと不幸が訪れる?

女性が2月14日以前にスノードロップを摘むと不幸が訪れる。特に、結婚を望む女性にその不幸が強く起こるとされています。

スノードロップは死の象徴?

スノードロップを家に持ち込むと不幸に見舞われるといわれ、イギリスの農村部ではその言い伝えが根強く残って忌み嫌われています。

修道女の霊が現れる?

スノードロップは修道院の庭によく植えられ聖燭祭で使われたことから、スノードロップが咲く修道院やその跡地などに修道女の幽霊が現れるという噂です。

魔除けに使われるスノードロップ

イギリスでは、「Snowdrops wear shrouds(スノードロップは死装束をまとっている)」という言い伝えがあり、「死」を連想させることから嫌煙されています。

しかし、雌のスノードロップには魔力が宿るといわれており、魔除けに使われることもあります。

スノードロップを贈る際に知っておきたいこと

実はもうひとつの花言葉があった

実は、スノードロップの花言葉のひとつに「あなたの死を望みます」があります。

恋人が死んでいるのを見つけたケルマという人物が、死者の傷の上にスノードロップを置くと身体が雪のしずくになったという言い伝えから、「死」を強く連想させるようになってしまいました。

この伝説のお陰で、スノードロップを異性に送ると「あなたの死んでいるところが見たい」という意味にとらえられてしまいます。

花言葉の通り贈り物としては控えておいた方が無難でしょう。

それでも渡したい場合はカードを添えて

それでもスノードロップを贈りたいという方は、メッセージカードを一筆添えてみることをおすすめします。

スノードロップの花言葉のマイナスイメージを払拭するような、粋な言葉を書いてプレゼントしましょう。

スノードロップの花言葉まとめ

スノードロップの花や花言葉などをご紹介しました。人類の誕生から関係している花ということが分かりましたね。

スノードロップという一つの花なのに、「死」を連想させたり、希望の象徴だったりと二面性が感じられます。

しかし、可憐で儚げな姿はどのような人でも惹きつける魅力があります。

是非、お花屋さんを訪れた際はスノードロップを探してみてくださいね。

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