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風呂のお湯は捨てちゃダメ? 自衛隊員が語る“防災の心得”

  • 2019.3.10
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普段の生活の中で災害にあったら…。今話題の「自衛隊防災BOOK」からシチュエーション別のテクニックをご紹介します! 教えてくれたのは現役自衛官の林田賢明さんです。

地震発生時に役立つライフハック

災害発生直後=発災時にどんな初動対応をとるかで、その後の被害の大きさが変わってきます。普段の生活でよくあるシチュエーション別に、テクニックを習得しましょう。

【1】入浴中だったら

お風呂場には着替えと携帯を持っていく習慣を身につけて。

裸ということもあり、入浴中の地震は焦りが倍増。揺れを感じたら、閉じ込められないよう迅速にドアを開け、強い揺れがおさまってから服を着て、安全な場所への避難を。焦って転倒したり、鏡の破片などで負傷しないように、お風呂場でこそ冷静な行動を心がけて。

自衛官の自宅ではお風呂の水を空にしない人が多いらしい

浴槽にためた水は、断水時のトイレ用水や洗濯水、火災発生時の消火水にも利用可能。このため、入浴直後に栓を抜くのではなく、次にお風呂を掃除する直前までためた状態をキープして。また、浴槽がないタイプのお部屋に住んでいる人は、使用済みペットボトルに水道水を入れてストックしておくだけでも。

【ひとことアドバイス】お風呂場にも、そのまま外出できる着替えを1セット用意しておくと、いざという時に安心です!

【2】睡眠中だったら

真っ先に足元をガードし、ドアを開けて出口の確保を。

緊急地震速報が入ったり強い揺れを感じたら、真っ先にスリッパや靴を履き、窓ガラスの破片などから足元を守って。その後、素早く寝室のドアを開けて出口を確保しましょう。揺れで家が歪み、ドアが開かなくなる可能性があるので、迅速な対応が重要です。

【ひとことアドバイス】もしもに備え、ベッド付近にはスリッパ、懐中電灯、笛の3点セットのご用意をおすすめします!

【3】料理中だったら

ガスコンロの火を消すのは激しい揺れがおさまってから。

火を消そうと、慌てて熱湯や揚げ油の入った鍋に近づくのは危険。最近のコンロは揺れを感知して自動消火する機能が付いたものもあるので、まずは自宅のコンロの確認を。また、出火時に安全に取りに行けるよう、火元から2~3歩離れた場所に消火器を常備して。

【ひとことアドバイス】女性でも簡単に使用できる、スプレータイプの簡易消火具も売られているので、チェックを!

【4】スーパー、コンビニにいたら

陳列棚から離れ、店員さんの指示に従い非常口から避難を。

倒れた陳列棚の下敷きとなって圧迫死する可能性もあるので、陳列棚からは素早く離れましょう。周りを見ずに慌てて外に飛び出すのは、殺到した客同士による将棋倒しの可能性があり逆に危険なので、店員さんの指示に従って非常口からの避難を。

【ひとことアドバイス】天井から吊るされた標示板が落下する恐れもあるので、上への意識も忘れないようにしましょう!

【5】街中を歩行中だったら

落下物がないか頭上の危険を確認しながら安全な場所へ。

街中での地震は、落下物から身を守ろうと、つい体をかがめて下を向いてしまいがち。でもそれでは、看板や窓ガラスの破片などの落下物からの危険を回避することができません。身を守るためにも、まずは上を確認しながら安全な場所へ移動しましょう。

【ひとことアドバイス】荷物が多い日ほど、両手がふさがらないように、バッグはショルダーかリュックタイプに!

【6】電車に乗っていたら

飛ばされないように両足もしっかり踏ん張って。

大地震が発生すると、電車は自動停車します。その際の急ブレーキで飛ばされないようにするために、立っている場合には両手それぞれでつり革につかまりましょう。両足もしっかりと踏ん張ることで、安定感がアップします。

飛ばされてきた人との衝突にも注意が必要。

座っている場合には、乗っている車両内で進行方向に近いポールに両手でつかまると、急ブレーキ時に飛ばされる心配も減る。視線は進行方向の逆に向け、飛んでくるものや人を避けましょう。さらに、バッグを膝上に置くとエアバッグの効果も。

【ひとことアドバイス】自分が飛ばされないようにするのはもちろん、網棚からの落下物にも気をつけましょう!

「自衛隊防災BOOK」マガジンハウス

林田賢明さん 陸上幕僚監部人事教育部募集・援護課3等陸佐。募集広報係長として採用や広報を担当。自衛官募集の一環でスタートした動画サイト「自衛隊ライフハックチャンネル」は、防災、日常生活、ダイエットなど、私たちの生活に欠かせない役立つ情報が満載!“平和を仕事にする”というスローガンにピンときた方は、自衛官を目指すという道もアリ。性別や運動神経は関係ないそう。

※『anan』2019年3月13日号より。写真・中島慶子 イラスト・柏原昇店 取材、文・辻岡直美 協力・自衛隊/防衛省 博報堂 ADBAKA 濱田恵理

(by anan編集部)

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