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投資信託とは何?意味や仕組み、メリットデメリットを簡単に解説

  • 2019.3.7
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投資信託とは金融商品の一種です。投資信託のことをファンドなどと呼んだりもします。元本は確保されていません。つまり、損をする可能性があります。

投資信託とファンド:広い意味では、ファンドとは運用する金融機関などを指す場合にも使われる。本記事ではファンドとは投資信託のことを指す。

損をする可能性:基本的にどの投資信託を選んでも、損をする可能性がある。何を選んでも、ずっと運用成績が良い、ということはない。

投資信託の大まかな仕組みを言葉で表すと、次のようなものです。 投資信託は、多数の投資家から資金を集め、第三者である専門家がその資金を運用・管理し、その運用による利益を出資割合に応じて投資家に還元する仕組みである。

出典:金融商品ガイドブック2018年度版 投資信託とは何かをかみ砕いて言いますと、「みんなから集めたお金をプロが運用する」わけですね。そして、景気が良かった場合などには、利益をくれることがある、というものです(分配金の設定がない投資信託もあります。この場合は最終的な売却差益が利益となります)。

投資信託とは?その意味をもう少しわかりやすく説明します

それでは、もう少しわかりやすく投資信託とは何か、について見てみましょう。

投資信託を大変に乱暴にイメージで表現しますと「大きな風呂敷」のようなものです。

投資信託とは「大きな風呂敷」ですから、いろいろなものを包むことができます。

日本国内の二千社程度の株式や、日本国内の1万種類程度の債券すらも投資信託という「大きな風呂敷」に入れることができます。

一例ですが、日本国内の株式を入れた投資信託なら「国内株式の投資信託」と呼ばれます。また、日本国内の債券を入れた投資信託なら「国内債券の投資信託」と呼ばれます。

株式と債券:どちらも私たちが購入することで、いわゆる「会社にお金を働きに出す」ことができる仕組み。一般的に投資の「伝統的資産」とは株式と債券の2種類を指すことが多い。その他の「代替資産」には不動産・金(ゴールド)・商品(石油や大豆)などがある。

筆者はしばしば「株式と投資信託とは違うものですよね?」という質問をいただきますが、このように、同じものもありますし違うものもあります。まだ少しわかりづらいですね。さらにかみ砕いていきましょう。

投資信託とは?何でも入れられる便利な風呂敷

このように投資信託という「大きな風呂敷」には、たくさんの金融商品を入れられます。

そのため、「投資信託とは?」という質問には色々な答え方をすることができます。つまり、投資信託を購入することで、株式投資もできれば、債券投資もできる、さらには金投資や不動産投資できる、ということになります。もちろん、海外の株式・債券・不動産などにも投資ができます。

また、種類も様々なモノがあります。ほんの少しですが、一例を挙げてみましょう。

※表は筆者作成

名称 中身・スタイル・特徴

インデックス型投資信託 市場の平均に連動することを目指すもの

アクティブ型投資信託 市場の平均を超えることを目指すもの

ターゲットイヤー型投資信託 退職時期などに合わせて運用が変化するもの

バランス型投資信託 国内外の株式・債券など複数の「資産群」が入っているもの

毎月分配型投資信託 分配金と呼ばれるお金が毎月受け取れるもの

上場投資信託(ETF) 株式市場に上場している投資信託

不動産投資信託 少額から不動産投資ができるもの

ファンド・オブ・ファンズ 複数の投資信託を組み入れた投資信託

このように、たくさんの種類があり、その他にもたくさんあります。現在国内で流通している投資信託は5千本とも6千本ともいわれています。ただ、これらのたくさんの種類を把握・理解する必要はありません。重要なところだけ押さえておけば十分です。

投資信託の仕組みをわかりやすく図解で解説します

まず、上記の図で左端にいるのが私たちです。

私たちは証券会社などを通して、投資信託を購入することができます。電卓を持っているのが証券会社の人です。

真ん中の黄色い袋のイメージが投資信託です。投資信託とは風呂敷のようなものですので、中には国内外の株式や債券などを入れることができます。大きな黄色の袋のところにいる人たちが投資信託を管理・運用・販売などする人たちです。

そして、前述のように、その種類はたくさんあります。

私たちが投資信託を購入するということは、私たちのお金が投資信託という「大きな風呂敷」の中身の株式や債券を通じて、世界中の会社などで働くことも意味しています。

投資信託のメリット・デメリットをわかりやすく解説

ここまでで、ザックリと投資信託とはなにか?が見えてきました。ここからは、投資信託のメリット・デメリットについてわかりやすく見てみましょう。

投資信託のメリット「分散」とその意味をわかりやすく説明します

投資信託のメリットをわかりやすく言うと「分散投資がしやすい」ところです。

分散投資と言いますと、有名すぎる格言の一つに「卵を一つのカゴに盛るな」というものがあります。どういうことでしょうか。

これは、「大切な卵を一つのカゴに盛っていると、卵を落とした場合、多数の卵が割れてしまって大変だから、カゴを分けましょう」という意味合いです。

お金に置き換えますと、こうなります。

「資産を分散して投資していないと、金融危機時などで暴落した場合には、(慌てて売却した場合)大損してしまって大変だから、投資対象を分散しましょう」ということになります。

これが一般的な分散投資のイメージです。

投資信託で簡単にできる、分散投資とは?

上記のような事態を避けるためには、分散投資が必要です。つまり、投資対象を分けるのです。これは現代ポートフォリオ理論でも重要な考え方です。

現代ポートフォリオ理論:1952年ハリー・マーコウィッツ。同氏は1990年「資産運用の安全性を高めるための一般理論形成」においてノーベル経済学賞を受賞。

もう少し、踏み込んで説明しますと、投資対象を分散すると、リスク(値動きの幅)が小さくなります。少しむつかしいように感じますが、これは「少し良いこと」を意味しています。これは、特別な分析や経験がなくても、誰にでも起こる現象です。

大切なことですので、もう一度言います。誰でも、投資対象を分散することで「少し良いこと」が起こるのです。

いくらで買える?投資信託を使えば、2億円かかる株式投資も100円程度からできる

つまり、投資をする上では、株式や債券を一種類だけに集中して買うと、「卵を一つのカゴに盛った状態」になるので、あまり合理的とは言えません。そこで、分散投資が必要です。

そして、上記のように、分散すると誰でもリスク(値動きの幅)が小さくなる、という「少し良いこと」が起こるので、できるだけ分散投資をした方が良いことになります。

ただ、私たち個人が株式を千社・二千社買うとなると、とても大変です。

仮に一社平均十万円とした場合、一億円・二億円が必要です。そんな大金はありません。さらに海外にまで分散投資をしようとしてはより大変です。

そこで便利なのが投資信託です。風呂敷ですから、千社・二千社など簡単に入れられます。

そして、基本的に1万円程度で買えます。証券会社によっては、百円から買えます

今では本当に、数百円あれば、誰でも世界中に合理的な分散投資ができる時代になっているのです。このように便利ですので、「もう一つの年金」とも呼ばれるiDeCo(イデコ)や、つみたてNISAでも、投資信託が運用商品として採用されています(つまり、個別の株式や債券は買えません)。

投資信託のメリットは、少額で誰でも分散投資ができること。つまり、リスクを抑えた運用がしやすい、ということ。

投資信託のデメリットである手数料(コスト)とその意味を説明します

そんな分散投資に向いている投資信託ですが、当然ながらデメリットがあります。それは、手数料(コスト)が高いものがあるということです。わかりやすく見てみましょう。

投資信託のデメリットのコストとは?

投資信託のデメリットの手数料(コスト)は、大きく3種類が挙げられます。

  1. 買う時
  2. 持っている間
  3. 売る時

基本的にこの3種類の手数料(コスト)がかかります。もう少し詳しく見てみましょう。

投資信託を買う時にかかる購入時手数料の意味を説明します

まず、買う時にかかるお金(手数料)です。購入時手数料

ただ、この購入時手数料には運用成績との相関性はありません。つまり、どれだけたくさんの購入時手数料を支払っても、運用成績は良くなりません

単純に、その手数料(コスト)の金額分だけ目減りした資産で運用が始まるだけです(ただし、金融機関は儲かります)。

例えば、購入時手数料が3%で投資額が100万円なら、3万円が引かれて、97万円から始まる、というイメージです。私たちには何のメリットもありません。まったく同じ中身の投資信託で購入時手数料が無料(ノーロードともいう)のものがあることが一般的ですので、そちらから選ぶ方が賢明です。

購入時手数料:現在では無料(ノーロード)の投資信託が販売されている。選ぶ場合は無料の中から選ぶことが重要。

投資信託を持っている間にかかる信託報酬の意味を説明します

次は投資信託を持っている間にかかる、信託報酬と呼ばれるものです。

上の図解で言いますと、風呂敷袋の下の人たちの手間賃のようなものです。投資信託(ファンド)を運用する人たちはボランティア活動ではありませんので、お給料が必要です。そのため、投資信託を持っている間には、この信託報酬と呼ばれるものが毎日かかります。

年率1.5%などで表記されていますが、毎日引かれます

例えば(現実には値動きは毎日変わりますが)ずっと元本が100万円の投資信託があるとして、それを持っていれば、年間1.5%の信託報酬なら、1万五千円÷365日=一日あたり40円くらいが引かれるイメージです(現実とは異なります、あくまでも直感的なイメージとしてお考え下さい)。

ただ、現実には引かれた後の金額が表示されているので、投資家の中には引かれていることを知らない人もいます。また、「信託報酬を○○円もらいました」という旨のお知らせも来ません。基本的に、「買う時」の選ぶ際にチラッと目にするだけです。そのため、軽く扱われてしまうこともあります。

しかし、信託報酬が高いと、それだけ確実に実質運用成果が押し下げられます。長期投資では数百万円も手数料(コスト)だけでかかることが現実にあります。

そして、こちらの信託報酬も運用成績との相関性はありません。たくさんの信託報酬を支払っても、特に良いことは起こりません。私たちが損をしやすいだけです。

そのため、信託報酬は0.3%以下から選ぶようにしましょう(より低い方が良いです)。

信託報酬:単純にマイナスに作用するだけなので、0.3%以下から選ぶ。例えば運用成績が平均・年2%の投資信託があっても、信託報酬が年1.5%なら、2―1.5=0.5%の実質運用成果になるだけ。そして、信託報酬が年0.1%なら、2―0.1=1.9%になるだけ。合理的に考えるなら、低い方が良い。

投資信託を手放すときにかかる「信託財産留保額」の意味を説明します

最後に、投資信託を手放すときにかかる手数料(コスト)について見てみましょう。

それは信託財産留保額と呼ばれます。

冒頭で投資信託は「みんなでお金を出し合う仕組み」というお話をしました。ということは、見方を変えれば、途中で抜けられると困るという一面もあることになります。そこで信託財産留保額がかかることがあります。

日常生活で例えるなら「職場のみんなで忘年会を予約したけど、当日参加できないメンバーがいるとお店が困る。だから、途中で抜ける場合は、ある程度のキャンセル料を支払わないといけない」そんなイメージが近いかもしれません。

ただ、やはりこの信託財産留保額もただの手数料(コスト)です。運用成績向上には寄与しません

また、信託財産留保額の設定がない投資信託がやはり多くあります。飲食店の予約でいうと、キャンセル料金なし、というイメージです。

当然ながら、信託財産留保額も「ない」方が良いです

信託財産留保額:信託財産留保額の設定が「ない」方から選ぶ

投資信託のメリットの分散投資とデメリットである手数料(コスト)に対する合理的な考え方

少しむつかしくなったかもしれませんので、投資信託のメリットの「分散」とデメリットである手数料(コスト)について、おさらいします。※表は筆者作成

内容 理由

メリット 分散投資がしやすい 分散すると「リスク(値動きの幅)」が下がるというちょっと良いことが誰にでも起こる

投資信託なら、数百円で世界中に分散投資が誰にでも可能

デメリット 手数料(コスト)が高いものがある 手数料(コスト)と運用成績(世界の景気など)には相関性がない

手数料(コスト)が高いと、その分だけ運用成績が確実に押し下げられる

このような内容でした。

ついつい、投資経験が浅いうちは「誰かに高い手数料(コスト)を支払って、運用を任せると良いことが起こりそう」と勘違いを起こしそうになります。

しかし、合理的に投資を考えてみますと、そのように「手数料をかければ運用成績が上がる」ということは起こりません

手数料(コスト)は純粋に運用成績を押し下げるだけのもの

手数料(コスト)は純粋に「運用成績を押し下げるだけのもの」です。そして、分散投資は理論的に正しいことです。そうである以上、投資信託は分散投資の重要な選択肢です。だからこそ、手数料(コスト)には厳しい目を向けていかなくてはいけないのではないでしょうか。

投資信託のデメリットは手数料(コスト)が高いものがあること。手数料(コスト)は、理論上、運用成績を押し下げるだけの存在。

投資信託とは?:まとめ

  • 投資信託とは、複数の金融商品が入った金融商品
  • 投資信託のメリットは分散投資が容易な点
  • 投資信託のデメリットはコストが高いものがある点

本記事では、投資信託とは?に焦点を当てて記しました。

投資信託の本数が国内だけで六千本くらいありますが、途方に暮れることはありません。今回の手数料(コスト)のポイントなど、一つ一つ抑えていけば、本当に驚くほど合理的な投資対象の本数は絞られてきます。

大切な資産運用だからこそ、合理的な投資対象がどのようなものなのかを理論的に把握しておくと良いのではないでしょうか。

投資信託は分散投資に適しているが、手数料(コスト)の高いものには気を付ける

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