1. トップ
  2. 長い旅を続けてきて良かった!小野大輔&山寺宏一が語る「宇宙戦艦ヤマト2202」最終章

長い旅を続けてきて良かった!小野大輔&山寺宏一が語る「宇宙戦艦ヤマト2202」最終章

  • 2019.3.5
  • 284 views
「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」古代進役の小野大輔とアベルト・デスラー役の山寺宏一
KADOKAWA

3月1日より映画「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章『新星篇』」が公開された。

不朽の名作「宇宙戦艦ヤマト」をリメイクし、2012年から2014年にわたって劇場上映からTV放送まで展開した「宇宙戦艦ヤマト2199」。「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」はその続編となる完全新作シリーズで、2017年公開の第一章「嚆矢篇」から始まり、第七章となる本作「新星篇」でいよいよ完結する。

今回は、古代進役の小野大輔とアベルト・デスラー役の山寺宏一にインタビュー。ついに最終章を迎えた現在の心境や、自身の役柄への思い、共演者とのエピソードなどを聞いた。

「収録中はいつもヤマトの中にいるような感覚がありました」(小野)

――前作「宇宙戦艦ヤマト2199」(以下「2199」)から始まり、本作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」(以下「2202」)まで演じ終えた、現在の心境をお聞かせください。

小野大輔:「2199」の時は1年半以上、今回の「2202」では2年以上、旅をしてきました。いつも同じスタジオで収録していたんですけど、その雰囲気が本当にヤマトの艦内みたいで、一緒に旅をしてきたことを実感しています。

最後の収録が終わった時は、ここまで一緒にたどり着いたみんなに「お疲れさま」と言いたい気持ちでいっぱいでした。ブースからだと、調整室にいる監督たちは第一艦橋にいる艦長に見えるんですよ。

山寺宏一:あのガラスの感じがね(笑)。

小野:本当に似ていて。だから、いつもヤマトの中にいるような感覚がありました。それと、役者さんはベテランから若手まで老若男女が参加されていて、世代に関係なくみんなが同じ気持ちで作品に情熱を注いでいました。それは艦長としてとてもうれしかったですし、クルーたちを誇りに思いました。

山寺:こんなに長いスパンで収録して、いろいろな世代の人たちが出ている作品は他にないですよね。他のシリーズものとは一線を画す特別な作品でした。しかも、デスラーは毎回出ている役ではないので、ものすごい緊張感がありました。

決して殺伐とした空気のスタジオではないんですけど、最後の最後まで一言を発するたびに緊張が走っていました。今はまだ「終わったんだ」という実感はなくて、この先も旅が続くんじゃないかという気が勝手にしています。

「僕はまだ老若の若ですから(笑)」(山寺)

――さまざまな作品に出演されている山寺さんでも緊張されるんですね。

山寺:僕はまだ老若の若ですから(笑)。「ヤマト」の現場は、ベテランだけじゃなくて声優業界を引っ張っているような世代から、キラキラした若手まで、いろんな人が参加されているので。

小野:緊張されていたんですね。

山寺:いや、大変でしたよ(笑)。「2199」の時は、ガミラス側とヤマト側で別々に録ることが多かったので、1人の時間もあったんですけど、「2202」は皆さんと一緒の収録だったので。他の現場では中心にいるような人たちが端っこにいたりしてね。

小野:そうですね。「あなたがそこに座ったら若手が座るとこないですよー!」って場面もありました(笑)。

山寺:僕もどうしたらいいかなと思って、さり気なく小野くんの隣に座ることが多かったですね。

小野:ご本人はこうおっしゃっていますけど、山寺さんがいらっしゃる時は、場の空気がとても華やかになるなと思っていました。

山寺:あら、うれしいですね。小野くんがそう言っていたと大きく書いておいてください(笑)。

小野:(大塚)芳忠さんや麦人さんたちはとても気さくな方で、気軽に話していただけるんですけど。僕らからしてみると大先輩なので。

山寺:まぁ、ジジィたちがね(笑)。

小野:そんなこと言ってないですから(笑)。本当にすごい方たちばかりなので、どうやってコミュニケーションを取ったらいいのかと、実は座長として悩んだりもしていました。

山寺:そうなんだ。でも、とてもいい雰囲気でしたよ。

小野:山寺さんが僕の近くに座ってくださった時に、もう一段現場の空気が上がったような気がしたんですよね。

「今回の古代は、中間管理職的な位置からの始まり」(小野)

――好敵手と呼ばれる古代とデスラーですが、今回の「2202」での長い旅を経て、それぞれご自身が演じられているキャラクターについての印象は変わりましたか?

小野大輔:「2202」の始まりが「2199」の3年後ということで、古代は新しい役職に就き、責任も増えました。今回の古代は言ってしまえば、中間管理職的な位置にいるところから始まります。「2199」からの成長という意味では、ちゃんと周りが見えるようになったのかなと思います。

旧作からずっと受け継いでいるのは、自分一人の気持ちで突っ走っていくというところですね。それは、彼の良いところでもあるし、ちょっとした弱点でもあります。真っすぐな部分、その熱量は変わっていないんですけど、「2199」から「2202」になって、改めて艦長代理として、そして最終的には艦長として、ヤマトクルーのみんなを見つめています。

その全てのクルーたちの想いを背負いながら、「2202」では選択を迫られ続ける。そしてその都度必ず、彼なりの答えを出してきました。演じ手としても、一人の男としても、とても尊敬するし憧れる部分ですね。強くなったなと思います。

山寺宏一:今回の「2202」で過去が明らかになって、そんなことがあったのかとビックリしました(笑)。デスラーは生まれながらにしてカリスマ性があり、目的のためには手段を選ばない冷徹な人物として歩んできたのかと思っていたら、そうじゃないことが分かって。

改めて「2199」を振り返って、大丈夫だったのかなと思ったんですけど、その時はそのことを知らないですからね(笑)。そもそも旧作にはない話なんですけど、その時の自分に教えてあげたいなと思いました(笑)。

あの時は、ガミラスを救うため、スターシャのために自分を律して、という気持ちで演じていましたけど、さらに深い想いを抱えていたとは。母、そして兄…多くのことを、スターシャ以外にそんなものまで抱えていたことを知って、本当にお疲れさまと言ってあげたいですね。

最初は古代のことなんて何とも思っていなくて、最後にしてやられたという想いを引きずって、「2202」ではついにテレサの前で対峙します。その影響を今回の第七章でも強く感じるんじゃないかと思います。デスラーの中で、古代は好敵手を超えた存在になるのかなという気がしています。

「第六章のエンディングテーマを僕が歌ってもいいのかなと(笑)」(山寺)

小野:僕からすると、デスラーはバックボーンが見えなくて、「2199」ではずっと怖かったです。

山寺:確かにね(笑)。スターシャの前だけでは少し人間味が見えるけど、全て見透かしている感じだったからね。

小野:だから古代からすると、戦う以前の問題というか。得体が知れないけど、でも何か信念を持って動いているから、とにかく怖かったんですよ。本当に文字通りカリスマ、理屈抜きに怖い。

ずっとその気持ちがあったので、「2202」はすごくうれしかったですね。ズォーダーが「人間である」というセリフを言うんですけど、それを聞いてデスラーも人間なんだなと思いました。ちょっと好きになってしまいました。

山寺:「2199」の最後は、自分を見失うほどムキになってしまうデスラーの姿がありましたけど、そのヤマトの戦い方、古代たちの姿を見て変わっていったんでしょうね。

いつも全てを見透かして、「さぁ、どうする」と試しながら、本当は自分がどうするべきかという答えを探そうとしていたんじゃないかと、「2202」をやっていて思いました。

だから、キーマンにヤマトはどんな艦だったかと聞いて、それを否定しながらも、そこから自分自身の生き方への影響を受けていたんだと思います。それも“大いなる和”の一つですからね。

小野:デスラーが自分もその中にいることに気付いているのが、感動的でした。あえて誰とも心を通じ合わせない孤高の存在かと思っていたんですけど。

山寺:だから、第六章のエンディングテーマ「大いなる和」を僕が歌ってもいいのかなと思いましたよ(笑)。デスラーとして歌っているわけじゃないけど大丈夫かなって。この第七章を見ていただければ、その部分も分かっていただけるんじゃないかと思います。

「壮大なだけじゃなく、人々の琴線に触れる人間ドラマもしっかりと描かれている」(山寺)

――改めて、「ヤマト」の魅力はどこにあると思いますか?

小野大輔:普遍的なテーマを描いているなといつも思っています。歌が全てを説明してくれているので、「ヤマト」を知らない人も、イスカンダルに行って帰って来るお話だということは知っています。それは、日本人なら誰しもが知っている桃太郎や浦島太郎のような昔話の域ですよね。

その中に日本人が思う美しさや尊さ、男の子が見て血湧き肉躍るようなSF作品としてのエンターテインメント、好きなものが全部入っている気がします。だから、時代を経てこうやってまた新たに作られたとしても、今の時代に生きる人にも共感しながら楽しんでもらえる作品になっているんだと思います。

山寺宏一:おっしゃる通りですね。これから全部こうやって答えようかな(笑)。

小野:それはズルいですよ(笑)。

山寺:たぶん、一つの要素だけじゃこんなに長いことみんなに愛されていないと思うので、いろんなことが詰まっているのは間違いないです。その中でまず一つは、壮大であるということですね。さらに、壮大なだけじゃなくて、人々の琴線に触れる人間ドラマもしっかりと描かれています。

僕が中学1年生の時、小学生向けの作品が多かったので、もうアニメは卒業かなと思っていたら、初代の「宇宙戦艦ヤマト」の放送が始まったんですけど、これほど地球規模の危機を繰り返す作品があるのかと驚いて、どハマりしたことを覚えています。それが今や全宇宙の規模になっていますけどね(笑)。

絶対無理だという危機を何とかみんなで乗り越えるエンターテインメントの王道を、これだけの壮大さで体現してみせたアニメは「ヤマト」が初めてでした。オリジナルの意志をもとに、新しいスタッフたちがリスペクトしながら愛を持って、より豊かで新しい物語にして語り続けていますよね。

小野:本当にずっとピンチですよね(笑)。ピンチを脱しても、またピンチになりますから。

山寺:そう考えると大変だね(笑)。「2199」の時はもう少し息抜きの回があったように思うけど、「2202」はほとんどなかったんじゃない?

小野:そう言われるとそうですね。

山寺:今回はズォーダーとガトランティスがとんでもないからね。また、ズォーダーを演じていた手塚(秀彰)さんの声が怖いよね(笑)。

小野:ずっと勝てる気がしなかったですよ(笑)。

山寺:手塚さんご本人はすごく柔らかい方なのに、いざしゃべると怖くてね(笑)。

小野:そういう危機を一人の力じゃなくて、何とかしてみんなの力で乗り越えていくから見ている方も共感するし、この作品に魅力を感じるんだと思います。

「ラストは、みんな明るくてすがすがしい表情をしていたんですよ」(小野)

――2年以上に渡る「2202」の最後の収録を終えた時は、どのようなお気持ちでしたか?

山寺:僕は途中から参加しているというのもあるので、これは小野くんが代表して答えます(笑)。

小野:みんなとてもすがすがしい顔をしていました。詳しくは言えないんですけど、とてもいい終わり方をしています。

第七章のあおり文句にもあるように、誰しもが想像できないようなラストを迎えています。ファンのみなさんは、「2202」はどうやって終わるのかといろいろな想像をしていると思います。もちろん僕らキャストも想像していたんですけど、その答えは、シリーズ構成の福井(晴敏)さんの頭の中にしかないので、とにかくやるだけだと思って臨んでいました。

そのラストは思った通りのものではないかもしれないですけど、ここまで関わり続けてきて良かったなと、僕は思えたんですね。それで、スタジオを見回してみると、みんながニコニコしていたんですよ。大きな役目を終えてホッとして、ドッと疲れているというよりは、明るくてすがすがしい表情をしていて。

僕はその光景を見られたことが、座長としてすごく幸せでした。長い旅を続けてきて良かったなと思いました。さすがに、もっと旅したいって人はいませんでしたけどね(笑)。

製作発表会の時に、福井さんが「希望のない物語は描きません」とおっしゃっていた通りだと思いました。これまですごくつらかったんですけど、このラストにたどり着けて良かったですね。見てくださる方にもそう思ってもらえればいいなと思います。(ザテレビジョン)

元記事で読む
の記事をもっとみる