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身近にひそむ被害の罠…今すぐ始めたい、2019 働く女子の防犯術

  • 2019.3.1
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通勤中、一人暮らしの家、何気なく使っているインターネット。普段はあまり意識していないかもしれないけれど、私たちの周りにはさまざまな犯罪のワナがひそんでいます。いざというときに後悔しないための、“働く女子の防犯対策”、考えてみませんか。

illustration:NAHO OGAWA

犯罪の標的にならないために、同僚や友人と普段から意識し合って

物騒な事件がつきない昨今、基本はやっぱり〝備えあれば憂い無し〞。とはいえ、何となく「私だけは大丈夫」と楽観している人や、「何を対策したらいいの?」と困っている人も多いのではないでしょうか。

ホームセキュリティーの「ALSOK」髙良千紘さんによると、日本で一番発生件数の多い犯罪は窃盗。中でも引ったくりは高齢者よりも、換金性の高いブランドバッグを持っている若い女性が狙われやすいそう。また、強姦事件は住宅内で発生するケースが約半数(※)。自分で自分の身を守る術を身につけないと、自宅に危険を呼び寄せてしまうことも。

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出典:シティリビングWeb

「犯罪は、①動機を持った犯人②格好の標的③監視者の不在の3要素が重なったときに起きやすい。防犯とは、その3要素が重ならないよう働きかけることです。『自分は大丈夫』と油断している人ほど〝格好の標的〞といえます。同僚や友人とお互い注意喚起しあって普段から意識できるといいですね」(髙良さん)。今回は、日々犯罪対策に取り組む防犯のプロに聞いた、働く女性が今日から始められる防犯術を紹介します。

(※)警視庁ホームページ「都内における性犯罪(強制性交等・強制わいせつ・痴漢)の発生状況(平成29年中)」より

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出典:シティリビングWeb
シティ読者の対策は?

「対策はバッチリ」と自信を持っていえるのはわずか3%。「あまりしていない」と答えた人が31.2% と一番多く、「ある程度している」「少しはしている」が続きます。シティ読者は防犯を気にはしているけど、実際の対策はそれほどできてない人が多いよう。

※アンケートは、1 月16日~29日シティリビングWeb で実施、有効回答数1789

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出典:シティリビングWeb

【Case sutudy 01】

自宅に入ろうと鍵を開けたら、後ろから見知らぬ男が!

女子会から帰宅。自宅のドアの前で鍵を開けようとした時、背後に人の気配が。あれ?さっきエレベーターで一つ下の階で降りた人?と、思ったら突然強引に部屋に入って来そうに。間一髪逃げ出したけど、いつ、どこから狙われていたの?

【こんなときどうする?】

集合住宅はエレベーターに注意! 防犯カメラのある道を選んで

犯罪の標的にされないためには、簡単に自宅を突きとめられないことが大切。夜道で歩きスマホなどをしないことや玄関を開ける前に周囲を警戒するのはもちろん、集合住宅に住む人は、エレベーターにも注意。見知らぬ人との同乗を避け、行き先ボタンを押すのはドアが閉まってからにしましょう。また、住人がエントランス以外から上の階に向かうことはまれ。上行きのエレベーターに途中から人が乗って来たら、その階で降りてしまうくらいでもいいですね。

犯罪を企む人間は証拠を残したくない意識が働くため、インターホンカメラは基本。自宅をいかにして開けないかが重要です。また、通勤時の対策としてはよく通る道の防犯カメラの取り付け状況をチェックして、なるべくカメラがある道やコンビニの近くを通るようにしましょう。いざという時にコンビニは避難所になります。

最近は簡単に取り付けられ、スマホで操作が可能な防犯カメラも2万円弱からあります。自宅へ侵入し待ち伏せする犯行の回避にも有効なんですよ。(髙良さん)

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出典:シティリビングWeb

【Case sutudy 02】

身に覚えのない操作が次々…、スマホが乗っ取られてるっ!?

最近、便利そうな節電アプリを見つけて早速ダウンロード。でも、それから身に覚えのない撮影写真があったり、アルバムの画像が勝手に削除されていることが。もしかして何かのウイルスに感染した? それともスマホの乗っ取り…?

【こんなときどうする?】

アプリのアクセス権限確認は必須! 自動アップデートにも注意

サイバー犯罪で気を付けたいのが「スマホの乗っ取り」。たとえば、本来位置情報を必要としないはずのアプリ(無料ゲームの攻略法紹介や省エネなどの便利機能)で、位置情報の同期可否を聞かれるなどがそのサイン。悪質な偽アプリの可能性があります。悪質アプリのダウンロードに伴うウイルス感染で、端末自体が乗っ取られる恐れも!

端末を乗っ取られると、盗撮や盗聴、位置情報や電話帳の漏えいなど、リモートで勝手にスマホを操作されてしまいます。端末乗っ取りの怖いところは、犯人がアクションを起こすまで被害に気づけないこと。ダウンロード時にアクセス権限を必ず確認するのはもちろん、一括アップデートの時に勝手に権限が変わっていることもあるので、できるだけ権限を確認しながらアップデートするようにしましょう。また、アンドロイドやiOS自体も日々セキュリティー強化を図っているので、こまめにアップロードし、最新の状態を保つことが大切です。(岩下さん)

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出典:シティリビングWeb

【Case sutudy 03】

不審な手紙やゴミの持ち去り…、誰かにストーカーされてるの?

数週間前から誰かがつけてくる気配が…。「気のせい」と自分に言い聞かせていたら、不審な手紙が届いたり、ゴミをあさられた形跡も。元彼とは円満に別れているし、思い当たる相手はなし。まだ警察に行くほどじゃないと思うけど、どうしたらいい?

【こんなときどうする?】

狙われ方は意外と〝アナログ〞 ためらわずに早い段階で通報を

面識のない相手が犯人のストーカー事件は、「通勤中に見て好意を抱いた」など、誰でもターゲットになる危険性があります。単純に駅から後をつけたり、郵便物を持っていかれたり、満員電車でのSNSをのぞかれたりと、アナログな方法で個人や自宅が特定されています。ストーカー事案には〝絶対的な対策〞はありません。その最中でしか取ることができない対策もあるので、早い段階でためらわずに警察に通報してください。

また、犯人が実は近くにいて(多いのは元交際相手)、被害者のカバンに入っていた自宅の鍵を盗み見てシリアルナンバーを控え、勝手に合鍵を作っていたという話も。交際解消後は自宅の鍵を取り替えたり、職場では鍵のかかる個人ロッカーで保管するなどの対応を。

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出典:シティリビングWeb

他にも、元交際相手が犯人の場合、別れた後にプライベート写真をウェブに流出させる犯行が最近増えています。女性として後々までダメージが残りますので、恋愛中でも「撮らせない勇気」をもってください。(飯山さん)

【Case sutudy 04】

宅配業者からSMS通知、その後、高額なカード請求が!

宅配業者からSMSへ不在通知が。記載されていたURLから開いた、宅配業者のウェブサイトと似た画面でアカウント情報を入力したら、後日クレジットカード会社からの利用明細に覚えのない高額の買い物記録。なぜ個人情報が漏れてるの?

【こんなときどうする?】

見分けが難しいフィッシング詐欺! 緊急性をあおるメールは危険度大

宅配会社や金融機関、オンラインショップなどのメールを装って偽サイトにアクセスさせ、個人情報を抜き取る「フィッシング詐欺」は、個人にとって一番脅威のサイバー犯罪。場合によっては偽サイトにアクセスしただけで、ウイルスに感染し情報を抜かれるケースもあります。

偽メールの内容は「注文内容ご確認(自動配信メール)」「再度アカウントの情報を入力してください。」「Re:ヴィスト修正」「キャリア決済が不正利用された可能性があります」など多岐に渡り、次々と新たな手口が生まれているため見分けるのが非常に困難。犯人は相手を動揺させることで正常な判断を妨害しようとするため、緊急性をあおるメールは危険性が高いと考えましょう。また、警視庁サイバーセキュリティ対策本部の公式ツイッター(@MPD_cybersec)では、危険な偽メールの情報をリアルタイムで発信しています。こうした情報にアンテナを張ることも大切です。(岩下さん)

話を聞いたのは…

警視庁ストーカー対策室長 飯山力雄さん

警視庁サイバーセキュリティ対策本部対策担当管理官 岩下英一さん

ALSOK HOME ALSOK 事業部 髙良千紘さん

【こちらも見過ごせない】

そのとき、一人だったらどうする? 災害時の最新対策

いつ起こるとも知れない地震災害。働く女性が特に知っておきたいのは、外出先で一人でいたときの対処法。危機管理教育研究所の危機管理アドバイザー・国崎信江さんに「そのとき、一人でいたら?」を想定した行動や必需品を聞きました。

▶まず、どう行動したらいい?

福岡西方沖地震のとき、ビル街では上から割れたガラスが降り注ぎ、たくさんの人がけがをしました。ますはカバンで頭を守り、飛来・落下物から身を守るため建物に逃げ込みましょう。外にいれば、ハンドルを取られた車が突っ込んでくる可能性も。倒壊の恐れがないとは言えませんが、建物内の方がリスクは少なくなります。ビルがなかったら開けたコインパーキングに逃げ込むのも手です。

▶揺れが少し落ち着いた後

帰るor 留まる、どっちがいいの?

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出典:シティリビングWeb

一人でいると不安が募り、会社や家に帰りたくなりますが、女性一人のときこそむやみに動かないのが大事です。昼間でもそれは同じ。災害時は人が全くいなくなるエリアが増え、そこで襲われてしまうケースが。まずは近くの避難所への移動に留めましょう。また、同じく一人でいる女性などに声を掛けて、仲間になると後々の助けに。避難所を検索できる防災アプリを入れておくといいですね。

▶カバンに入れておきたい必需品

外出中で一番リスクが高いのはエレベーターでの閉じ込め。カバンの中にはそれを想定したものを備えておいて。

□ 黒い大型のゴミ袋

給水袋としても使え、頭から被れば防寒や閉じ込められた中でトイレをするときの目隠しにも

□ ゼリー型飲料

水は重く、トイレが近くなることも。軽くするならゼリーで代用を

□ 簡易トイレ

□ 目薬、マスク、ウエットティッシュ粉じんから身を守る3点セット

□ あめやチョコレートなどのおかし

□ 携帯用バッテリー

□ ホイッスル

▶スマホに入れておきたいアプリ

●防災情報 全国避難所ガイド

GPSで今いる場所から一番近い避難所を示します

●goo 防災アプリ

登録したメールアドレスへの連絡や安否情報を一斉に送信できる他、防犯ブザーやライトなどのアプリもおすすめ

もっと詳しく知りたい人は、国崎さんが編集委員を務め、都内の区役所でもらえる「東京くらし防災」ハンドブックをチェックしてみて。

話を聞いたのは…

危機管理アドバイザー・国崎信江さん

危機管理教育研究所代表。女性、母としての視点から防災・防犯対策を提唱

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