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ヨガ界のロックスター! クリシュナ・ダスが語る「幸福の創造」とは?【ny YOGA +life】

  • 2019.2.25
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Cover image by ny YOGA+life

クリシュナ・ダスとは何者か:キルタンとの出会いから世界的スターとして知られるまで

――クリシュナ・ダスはニューヨーク州ロングアイランド出身で、60年代後半世界中を旅した後、インドに暮らし、そこで彼のグルであり、マハラジ・ジとして知られるニーム・カロリ・ババと出会ったことでも有名だ。数年後、アメリカへ戻ったものの、グルの死そしてドラッグ使用により、しばらくの間は何も手につかない状態が続いた。その後、チャンティング(マントラを唱えること)との出会いにより、心の平和を見つけた。20年以上前、ニューヨーク市内のジヴァムクティヨガのスタジオで始まった小さなチャンティング・グループは、世界ツアーは満員御礼となり、そのアルバムはグラミー賞にノミネートされるまでになった。

クリシュナ・ダス(以下、K):正直に言うと数年前、キルタンとチャンティングはずっと避けていました。ヨガクラスには入っていましたが、ティーチャーがハルモニウム(マントラやキルタンに使用されるインド楽器)を奏で始めると「いやいや、チャンティングはやめて」と頭の中で叫んでいました。

――今でもティーチャーがハルモニウムを取り出すとそうつぶやいていますよね(笑)。
そういえば、One Track Heart(クリシュナ・ダスの仕事と日常に関するドキュメンタリー)を拝見しましたが、その内容には大変驚きました。私たちが情報発信していきたいこととあなたの活動にはいくつか共通点があると思っています。ヨガは苦手だし、瞑想も難しいと言う人には、キルタンとチャンティングという別の選択肢がありますよね。何もかもが初めてだと言う人に対して、キルタンをどのように説明していますか?

K:まず伝えたいのは、私たちが抱えるたいていの痛みや悩みというのは自分の感情が作り出しているということです。痛みや悩みは、あなたの心の状態が反映され、頭の中に沸き起こる感情全てに捕らわれていると引き起こされます。また強く願うことは現実化します。ですので、ヨガや本当の自分と向き合うことは、自分を見失い、混乱させる思考を取り去ることを意味するのです。

アーサナのプラクティスも良いですが、チャンティングは、ハートとマインドのアーサナのようなものになります。チャンティングは、不幸に感じてしまう根本的な原因をより直接的に探り、もっと幸せに平和に、より良く生きられるようアプローチします。普段ナンセンスだと思っている物事の根底にこそ、真の幸せが存在すると言われています。「きっと大丈夫」と思えるその感情こそ、私たちが本当に自然な状態なのです。それは近代社会に暮らす私たちが失ってしまった感覚と言えるでしょう。

インドでは神の名前を音楽やマントラの中で繰り返して唱えますが、必須ではありません。例えば、私にとって神という言葉はしっくりきませんし、気持ちよく感じません。神というのは、とても西洋風の言葉ですし、天から雷を投げる大男を彷彿とさせ、正直好きではありません。インドを訪れ、本当に神のような人々や神とは何かを理解している人々に出会ったとき、心から幸せを感じ、我が家で寛ぐような気持ちになりました。これまでの人生でいつも思考や感情を決定づけてきた善と悪を判断するものがそこには全く存在しませんでした。

――それはどうしてですか?

物事は変化し続ける。クリシュナ・ダスが語る本質とは

K:私たちはそのようにプログラムされているのです(笑)。この世界では自然なことです。この世において、全てのことは少なすぎるか多すぎるかなのです。それはどうしてかって? なぜなら、私たちは喜びと痛みばかりに注目し、本当の幸せと向き合っていないからです。そして喜びと痛みはその特性上、常に変化したり、突然起こったりするのです。楽しいことや最初のうちだけ幸せに感じることは、別の形へと変容し、不幸を運んでくるのです。

痛みに関しても、たいてい姿を変えて現れます。心と感覚の世界、または思考と感覚の世界の本質というのは、常に変化し、永続的ではないということです。西欧文化で育った私たちにとって、この世の中に別の生き方があるということを実感するのは、大変困難です。五感や思考によって、人生の中に別の価値が存在することを理解するのは難しいかもしれません。アサーナをとれば、それらに触れることができるでしょう。マインドを静め、深く集中できるようになると、思考のプロセスから離れて体に集中し、体で起こるたくさんのことが見えてきます。体中に注意を行き渡らせることを想像してみてください。生命の源、善悪の源、平和と喜びと幸福、本当の満足−これらが私たちなのです。ですから、私たちがチャントをするときは、本質的に私たちの中に存在する名前を唱えます。平和です。幸福です。大丈夫。ひどく失敗しただけです…とか(笑)

――チャントを始める前に「哀れな自分の身を救ってあげましょう(save your miserable ass)」(笑)と発言していると伺いましたが、素敵ですね、私は好きです。どうしてそう言うようになったのですか? 今も続けていますか?

哀れな自分とは誰のこと?

K:もちろん、今も続けていますよ、それですっかり尻も大きくなりましたし(笑)評判も良いです。その発言は世界中の人々はもちろん、多くの人を含んでいます。ですから、チャントをするとすぐに実感を得られますが、同時にその他の人々も何らかを得ていることを感じています。チャンティングや音楽、そして特殊な音によるチャンティングを通じて、彼らに与えることで、私たちはそれぞれの人間がより深くに到達できる環境を創造しています。これらの音は自分たちの中から出すため、自分たちを自分自身のあるべき場所へ戻す力を持っています。それはまさに私たちが求めている場所を意味します。

私たちが行っていることは、チャンティングやプラクティスを通じて、もっと上手く思考を受け流し、より深い部分に自分たちを到達できる可能性を向上させることです。ほんの少しの練習であっても、少しずつ時間をかけて行えば、凝り固まった思考から解放されます。私たちは様々なレベルにおいて、外見が自分の中身だと思うようにプログラムされているため、時間がかかりますし、自分と向き合うのには深いプロセスが必要となります。

――チャントをしている時、あなた自身がエネルギーを発しているというより、むしろエネルギーがあなたの中に入っていくようで全く疲れる様子がないですね。

誰が為にクリシュナは歌う?

K:私が歌う時、その部屋にいる人々に向かって歌っているのではありません。私自身のプラクティスをしているのです。目さえも開けませんし、そこにいる人々が踊ったり、ジャンプしたりしている姿を目にすることはありません。ただ目を閉じ、プラクティスに集中しているので目を開けることさえも忘れてしまいます。部屋にいる人々ではなく、私自身とそのプレゼンス(存在感)なのです。

ですから、誰かが自分から何かを奪うなんて気分は全くありませんし、自分のプレゼンスにただ没入し、心の奥深くにあるたくさんの感情に気づくことができます。誰かを楽しませようなんていう思いはありませんし、誰かに経験や何かを与えたいとも思っていません。私は歌い、そして家に帰るのです。人々を巧みに操ろうとなんてしません、だからこそとてもパワフルなのかもしれませんね。

もし私が人々を操ろうとしたならば、皆さんどこかへ逃げたくなるでしょう。また、巧みに操られたいという人がいるかもしれませんが、そういった人はむしろ操られることが好きなので、突然現れては私の周りを付きまとうでしょう。人それぞれ自由ですし、私はいつでもオープンですので、いつでも来てください、そしていつでも去ってください。それがあなたであり、あなたの中身なのですから。ときに偉大な聖人があなたとは何かを少しだけ垣間見るチャンスを与え、自分の道を歩み続ける勇気をくれます。しかしそれ以外において、誰もあなたに与えることはできません。

――この世に他にも聖人が存在すると思われますか?

クリシュナ・ダスにとっての「創造」とは

K:もし聖人が存在しなかったら、私たちもこの世に存在しません。いつも聖人は存在します。私たちにその姿を見せようと見せまいと…現れるかどうかにも理由があります。いつも私たちのそばにいて、動き回っています。起こる全てのことに理由があり、彼らは起こらなければいけないことを引き起こすのです。出来事はあなたが起こしているのではありません。

あなたがすべきことは、心の中にある願いをしっかりと理解することです。それを信頼し、それに従い、そしてあなたが本当に切望していることを実現するためにあなたができることをするのです。チャンティングは願いを表現するだけでなく、願いの成就でもあるのです。

――あなたにとって「創造」とは何を意味しますか?

K:全ての創造はなんらかの意志からできています。多くの人が人生を幸せにする方法について議論を交わし、「自分で幸福と不幸を作っている」と述べていますが、そうではありません。カルマによって私たちの目の前で、人生はやがて進んで行きます。過去の行動全ては自分自身の行動によるものです。いわば、全ての行動がカルマを作り、全てのカルマが行動を作るのです。私たちが「幸せを創造する」したいのであれば…私たちのできる限り最善の方法で、私たちの人生に突然起こることや立ちはだかること、例えば、仕事、義務、自己責任などに真摯に向き合うことが重要です。人それぞれ、内容もタイミングも相手も異なるでしょう。「最高」だと一言にいっても、今日と明日は違います。しかし、違うからこそ美しいのです。

人生で起こる全てのことは自分自身のカルマが作り出しているという考え方があります。波のように寄せては返し、砂浜にいる私たちに向かって押し寄せてくるのです。私たちに見えるのは波ですが、そこに来るまでどれだけ長い道のりを辿ったのか、そもそもその波をもたらした動きは何なのかを私たちは知りません。幸せが波の下にあると分かっていたら、波が増えて欲しくないものです。本来、波が寄せても自分たちの元をやがて過ぎ去っていくことを許したいものです。しかし、その波に逆らうとその瞬間にもっとカルマを作ってしまうのです。創造という考えは大変興味深いですね。 創造について話すときは、自分たち人間は、常に内側からと外側からの刺激の両方にさらされ、対応しなければいけないことを認識すべきです。

もし幸せを創造したいのであれば、行動よりももっと深いレベルの場所で自分たちを見つめる努力が必要です。その場所からは、信じられないほどの愛と思いやりと優しさの空間が生まれます…。ボタンを押したり、何かを作ったり、精神修行したりするのとは全く異なります。しかしながら、ワークしたり、座ってプラクティスしたりすることも必要です。そのようにして、私たちが持っている思考や感情や反応の周りに空間を作り出すのです。自分が望む人生を創造するためには、意志と願いと強さを持ち、揺るがない自分になるための練習を重ね、同じ過ちを繰り返さないことです。

インタビューに答えてくれたのは…クリシュナ・ダスさん
1947年ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。60年代後半アメリカ中を旅して過ごし、その後1970年8月にインドへ渡り、ラムダスのグルNKB(マハラジと呼ばれている)と出会う。ニーム・カロリ・ババに出会い、クリシュナ・ダスと名付けられ、信愛のヨガ、ハートのヨガであるバクティヨガの練習としてマントラ・チャンティングを開始。インドのマハラジのもとで2年半過ごした後、アメリカに帰国。1994年からNYのヨガスタジオでチャンティングを始め、増え続けるヨガオーディエンスに伴って世界中の人々と共に歌うように。2012年『Live Anada』はグラミー賞ベスト・ニューエージ部門にノミネート。キルタンを世界に広め続けている。プロフィール出典:YOGA SPOT

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ny YOGA +life/「Krishna Das on saints, creating happiness, and saving your own ass…」

by ny YOGA+life
Translated by Hanae Yamaguchi

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