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エディ・スリマンが手掛けた初「セリーヌ」店舗 ウッドや溶岩石を使用

  • 2019.2.19
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「セリーヌ(CELINE)」は2月18日、ニューヨーク・マディソンアベニューの旗艦店をアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターを務めるエディ・スリマン(Hedi Slimane)のコンセプトに基づいてリニューアルオープンした。同様に、25日から3月上旬にかけてニューヨーク・ソーホー、東京、パリの既存店が改装オープンし、年内にはロサンゼルス、ロンドン、ミラノ、上海、北京がそれに続く予定だ。

セヴリーヌ・メルル(Severine Merle)=セリーヌ最高経営責任者(CEO)によれば、旗艦店と大型店の多くはメンズとウィメンズの両方を取り扱うが、メンズに特化するパリの旗艦店など、いくつかの店舗は男女いずれかのみになるという。「『セリーヌ』は高い認知度があるブランドだが、大型店がない。ブランドイメージと顧客層を維持するためには販路を厳しく管理する必要があり、店舗に注力しようと考えた。そのため、メンズはもちろん、最近力を入れているウィメンズの両方を取りそろえる旗艦店を主要な都市にオープンする必要があった。それに加えて、非常に限定的な卸先でも製品を販売する」と述べた。

「セリーヌ」は現在、世界中で新規出店や改装を急ピッチで進めているが、これは同ブランドを擁するLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)による期待値の高さを反映している。ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMH会長兼CEOは1月の決算発表の会見で、エディが率いる「セリーヌ」は正しい方向に進んでおり、売上高も数年以内には現在の倍である20億ユーロ(約2500億円)に達するだろうと語っている。

「サンローラン(SAINT LAURENT)」時代には、白と黒の大理石を多用したショップ作りをしていたエディだが、「セリーヌ」では木製の柱や家具など暖かみのある要素も取り入れられている。広さはおよそ465平方メートル。床にはグレーのなめらかな溶岩石であるバサルティナが、壁には白い花崗岩が使用されているが、これは1950年代の建築様式である“ブルータリズム”を21世紀風に再解釈したものだという。店内にはイギリス人アーティストのジェームズ・バームフォース(James Balmforth)による彫刻や、メキシコ人アーティストのホセ・ダヴィラ(Jose Davila)の作品が置かれているが、マネキンは設置されておらず、ウエアは天井からぶら下がっている長方形の枠にかけられる。メインとなるのは、2019年春夏コレクションのショーに登場した作品や、同コレクションで発表されたアメリカ人アーティストのクリスチャン・マークレー(Christian Marclay)とのコラボ製品だ。なお、ハンドバッグは入り口近くの棚に置かれ、シューズは店内奥の壁一面を使って陳列されるという。

ニューヨーク・マディソン店のリニューアルオープンにあたり、特別なイベントは予定されていない。メルルCEOは、「世界中で行われているリニューアルプロジェクトでは、特定のイベントではなく、グローバルなコミュニケーションを綿密に取ることに集中してきた。リニューアル後の店舗は、デジタルな手法も使用しながら、『セリーヌ』の世界観をより総合的かつ誠実に伝えるものとなっている」と説明した。

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