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死亡保険金はどれくらい税金がかかる?計算方法や受取人についてご紹介

  • 2019.2.10
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生命保険に加入されていた方が亡くなられると、死亡保険金が保険会社から支払われます。この受け取った死亡保険金に対してどのような税金が、どれぐらいかかるのでしょうか?それぞれの税金に応じた計算方法や受取人の設定による違いについてわかりやすく説明していきたいと思います。

死亡保険金とは

まず死亡保険金とはどのようなものかについて確認していきましょう。

死亡保険金とは、加入していた生命保険において、保険をかけられていた人が死亡した時に支払われる金額のことです。具体的には、定期保険、終身保険、養老保険といった生命保険で死亡保険金が支払われます。

生命保険の契約形態によって税金が変わる
生命保険の契約形態は、契約者・被保険者・受取人の3つ

死亡保険金にどのような税金がかかるのかは、その生命保険の契約形態によって変わってきますので、整理しておきます。

生命保険は、契約者、被保険者、受取人の3人の関係で構成されます。この3人がそれぞれ誰なのかというのが契約形態ということです。

そしてこの3人の関係ですが、生命保険は取り扱われる金額が高額になることから、犯罪を防ぐ目的で家族以外の他人同士が同じ契約に入ることはできません。必然的に家族が亡くなったときの遺族の経済的保障を目的として死亡保険金を受け取ることになるのです。

  • 契約者:その生命保険の契約を保険会社と締結する人(保険料を支払う人)
  • 被保険者:保険をかけられている人
  • 受取人:死亡保険金を受け取る人
契約者

契約者は、生命保険の契約を締結した人ですから、通常はこの人が保険料を支払うことになります。たまに別の人が保険料を支払うことがありますが、その場合は保険料を実際に支払っている人を実質的な契約者として税金や課税を考えることになります。(この記事では契約者=保険料負担者を前提として話をすすめていきます。)

被保険者

被保険者は、保険をかけられている人で、この人が亡くなったときに死亡保険金が支払われるということになります。具体的には家族の収入を支えている働き手を被保険者とすることが多いです。

受取人

受取人は、言葉の通り死亡保険金を受け取る人です。被保険者が亡くなったあと、遺族として生活する人が受取人になることがほとんどです。

課税対象なの?

それでは、死亡保険金にかかる税金がどのようになるのかを具体的に確認していきましょう。

契約形態の3つの関係で整理すると以下の3通りとなります。ちなみに被保険者と受取人は一緒になることはありません(被保険者が死亡して受取人が死亡保険金を受け取ることになるため)。

  1. 契約者=被保険者が同じ場合:相続税が課税
  2. 契約者=受取人が同じ場合:所得税が課税
  3. 契約者、被保険者、受取人がいずれも異なる場合:贈与税が課税

上記の通りそれぞれの保険契約の契約形態によって相続税、所得税、贈与税の3種類に分かれることになります。図解すると以下の通りとなります。

どれくらいかかる?税金の計算

保険契約の形態によって相続税、所得税、贈与税という3種類に分かれることを確認してきました。ここからはその課税対象別に税金の計算について説明していきましょう。

相続税が課税される場合(非課税枠で実質無税も可能)

死亡保険金が相続税の対象となる場合を確認していきましょう。まず生命保険の死亡保険金には、法定相続人1人あたり500万円の非課税限度額があります。この500万円を超える部分が課税対象となります。

  • 非課税限度額=500万円×法定相続人の数
  • 課税金額=その相続人が受け取った金額 ー 非課税限度額×(その相続人が受け取った金額/全ての相続人が受け取った金額)
計算例は以下の通りです。

被相続人のAさんは契約者として保険料を支払い、自分を被保険者とした生命保険に加入していました。Aさんが亡くなって、死亡保険金6,000万円が受取人(複数の受取人)である妻のBさんと子のCさんに、それぞれ以下の通り支払われたとします。

  • 妻Bさん:4,500万円
  • 子Cさん:1,500万円

この場合、非課税限度額は500万円×2人=1,000万円ですから、二人が受け取った死亡保険金の課税価格は次の算式で計算します。

  • 妻Bさん 4,500万円 - 1,000万円×(4,500万円÷6,000万円)=3,750万円
  • 子Cさん 1,500万円 - 1,000万円×(1,500万円÷6,000万円)=1,250万円

上記の課税価格は、それ以外の相続財産と合算されて相続税が課税されます。

またこの計算例では課税価格がある前提としましたが、死亡保険金額を非課税限度額以内に設定することで、死亡保険金を合法的に無税にすることが可能です。詳しくは以下記事で説明していますが、相続税で受け取る死亡保険金に関する税金はほとんど心配しなくていいです。

所得税となる場合(一時所得の特別控除あり)

死亡保険金が所得税となる場合を確認しましょう。

死亡保険金を一括で受け取った場合は、所得税の中の一時所得として税額を計算することになります。(通常は受け取った年度に確定申告をする必要があります。)

  • 一時所得の金額 =死亡保険金額 - 支払い済の保険料合計 - 特別控除額(最高50万円)
  • 課税対象となる金額は上記の一時所得の金額に1/2を乗じた金額
計算例は以下の通りです。(他に一時所得となる金額がない前提です。)

Dさんは契約者として保険料を支払い、父親のEさんを被保険者として自分が受取人となった生命保険に加入していました。父親のEさんが亡くなってDさんは死亡保険金500万円を受け取りました。支払済みの保険料は300万円でした。

  • 一時所得の金額:500万円-300万円-50万円=150万円
  • 課税対象となる金額:150万円×1/2=75万円

なお死亡保険金を一括で受け取らずに、例えば10年間の年金形式で分割受け取りをするという死亡保険金の受け取り方もあります。 この場合は先程の一括で受け取った場合の一時所得とは異なり、公的年金以外の雑所得という区分で税金を計算することになります。年金でもらう場合は源泉徴収されることになりますので注意が必要です。

贈与税が課税される場合

死亡保険金が贈与税となる場合を確認しましょう。

贈与税は、贈与として受け取った金額から基礎控除110万円を引いた額が課税価格となり、それに課税価格に応じた税率を乗じて税金を計算します。

計算例は以下の通りです。

妻のFさんは契約者として保険料を支払い、夫のGさんを被保険者として、子のHさんを受取人とした生命保険に加入していました。

夫のGさんが亡くなって死亡保険金2,000万円が支払われ、成年している子のHさんが2,000万円を受け取りました。(なお、相続時精算課税は適用せず、同じ年に他に贈与が無く、特例税率適用の前提です。)

  • 課税価格:2,000万円-110万円(基礎控除額)=1,890万円
  • 税額:1,890万円×45%-265万円(控除額)=585.5万円

受取人について

贈与税の税金の計算のところでも触れましたが、契約者、被保険者、受取人がすべて異なっていると贈与税の課税対象となります。

贈与税になると一般的に相続税や所得税と比べて、税金が割高になるというデメリットがあります。

もし現在加入されている生命保険が贈与税の対象となる場合には、契約者や被保険者を変更するというのは保険契約として難しい面がありますので、受取人の変更を検討したほうがよいでしょう。 ただし実際の変更に際しては変更したことによる影響やデメリットが生じる可能性もありますので、税理士などの専門家に相談されることをおすすめします。

死亡保険金の税金に関するまとめ

死亡保険金を受け取った時の対象となる税金の種類と計算方法について整理をしました。

死亡保険金がどのような課税をされるのかは、その死亡保険金の加入形態によって異なります。加入形態とは、契約者、被保険者、受取人の関係であり、契約者=被保険者の場合は相続税が、契約者=受取人の場合は所得税が、いずれも異なる場合は贈与税が課税されることになります。

相続税で受け取った死亡保険金には非課税限度額という税制上のメリットがあります。逆に贈与税で受け取った死亡保険金には相続税や所得税と比較して割高な税金となる可能性があります。現在贈与税の課税対象となっている場合は本当にその加入形態でよいのか一度見直しされることをお勧めします。

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